花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

小津安二郎の「秋刀魚の味」

2011年06月22日 | 諏訪商店街振興組合のこと
「秋刀魚の味」は昭和37年に作られた小津安二郎の遺作です。
老いて孤独になっていくつらさ、せつなさという主題は「晩春」「東京物語」などでも深い印象を残していますが、それが最も見事な表現に達したのが「秋刀魚の味」でした。
だから暗い作品になるのではなく、お酒の席をふんだんに盛り込み冗談を交えながら、楽しい雰囲気で進行します。
     
恩師のヒョウタン(東野栄治郎)を見かけたことから、同窓生が集まろうということになります
     
ヒョウタンを交えた同窓会。楽しい席で恩師はすっかり酔いつぶれてしまいます。
     
ヒョウタンは娘(杉村春子)と二人で中華料理店をしていることを知り、みんなで記念品変わりにお金を送ろうということになる。
     
たまたまヒョウタンの店であった軍隊時代の部下(加藤大介)に誘われて近くのスナックへ・・・
     
ヒョウタンは娘を嫁に出さなかったことを吐露。笠智衆は、友人の勧めで娘(岩下志麻)を嫁に出す決心をする。
     
式の当日。娘は婚礼姿で父親に分かれの挨拶を・・・
     
無事、式が済み友人宅を辞退した笠智衆に、孤独と寂寥感が襲う。
酒の席で交わされるジョークは、残酷でありさえするけれど、実に温かいまなざしで日常が描き出されています。
私は「東京物語」よりもこの「秋刀魚の味」がいちばん好きでアリマス