Aさん、先日はお会いすることができ、ゆっくりとお話ができました。
ここのホテルで出される料理は、仕出し屋で運ばれたものをレンジするだけですかと失礼にもお尋ねしたところ、スタッフでなければ出入りできない厨房を見せていただき、大変な誤解であったことをお詫びいたします。
そのとき、高野登著「リッツ・カールトンが大切にする サービスを越える瞬間」かんき出版のお話をさせていただきましたところ、うちはふたつ星、リッツ・カールトンはいつつ星、格が違います。とご返事されました。
たしかに立地から調度品まですべてが桁違いと思います。けれど、そこで働くスタッフの心意気は十分に学ぶところがあると考えます。
リッツ・カールトンホテルの従業員は自分の仕事に誇りを持ち、行き届いたおもてなしの気持ちでお客様に接します。
ある日、ホテルにチェックインされたお客様が仕事で遅くなり、帰るホテルの場所がわからなくなりました。タクシーの運転手に尋ねても知らないとの返事。困り果ててホテルに電話をかけ、住所を教えてもらってようやく戻ることができました。
約1時間後、ホテルに到着されたお客様は玄関で、二人のフロントスタッフに迎えられました。
「お客様、お帰りなさいませ。無事に帰られて良かったですね」
こうした小さな心配りは、電話を受けたオペレーターからフロントのスタックまで連絡が取れていて、同じ感性を持ってコミュニケーションをとっているからなのです。
こうした感性の共有は毎朝確認されるクレドによって培われています。
「私たちはサービスのプロフェッショナルとして、お客様や従業員を尊敬し、品位をもって接します」
クレドは、頭で理解させ守らせるマニュアルではありません。心で納得して実践することで、細かい決まりを定めなくても自然に自発的に行動できるものなのです。
ふたつ星のホテルはそれなりに、お金をかけずともお客様への心配りができるはずです。
それは、私たち小売り商店にも大いに教えられるところがあります。
Aさん、是非ご一読ください。参考になるはずです。