早速、今回もTさんが感想を届けていただきました。ありがとうございました。
「お茶漬の味」という題名から、下町の庶民生活を勝手に想像していたところ、冒頭より、タクシーで銀座の高級洋品店に乗りつける上流夫人が登場して吃驚!!
粋で優美な和服姿の若奥様(小暮実千代)
アメリカのモード雑誌から抜け出たようなファッションの職業婦人(淡島千景)
上品な洋装を初々しく軽やかに着こなす良家のお嬢様(津島恵子)
その華麗な姿に圧倒され続けました。
さて主人公夫婦はというと・・家事のすべては女中まかせ、実家からの仕送りの全部を、自分のお洒落や遊びに使うお姫様暮らしの奥様
我がまま放題の美しい妻の行動を、物分かりの良い父親のように許すフェミニストの旦那様
なんだかおとぎ話でも見ているようでした。
一方、後楽園球場、競輪場、パチンコ店、羽田空港、列車の1等室等、当時の風景が紹介されていて、面白かったです。
そして、歌好きの小津監督の趣向でしょうか、
宝塚出身の淡島千景には「すみれの花咲く頃」を、鶴田浩二には、原語でドイツ学生歌を、笠智衆には戦地の様子を綴った歌を、それぞれ存分に歌わせていましたね。
また、これは拾い物というか、デビュー当時らしき北原三枝が女給役で「いらっしゃいませ」「はい」だけの台詞でチラッと出ていて“お宝”見っけの気分でした。
今回も見応えのある作品をありごとうございました。最高のクリスマスプレゼントでした。
右から三列目に!
鶴田浩二が佐分利信をバーで待っていると・・(右に座っている女給が北原三枝)
「いらっしゃいませ」
「やあ 俺もビールもらおうか」
「ハイ」と北原三枝が立つ
北原三枝には気づきませんでした。
実はこの“お茶漬の味”小津作品の中では、あまり評価の良い作品ではありませんでした。“長屋紳士録”の上映を希望していたのですが、松竹さんの貸出DVDの中になくて、やむなく選ばせていただきました。
ところが今回も満席の63名の方にお集まりいただき感無量です。今回の上映会に自信を持った次第です。
お寒い中わざわざ尾平町からお越しいただいたTさん。ありがとうございました。会場で感想を書いていただきました。
「なつかしかったヨ たのしかったよ」
Tさんのお気持ちが伝わってくるようです。
次回もぜひお楽しみください。決して損はいたしません。