昔を思い起こすと昔はもう過ぎ去っており、今を思うと今もまた過ぎ去るのだ。
このように月日は移り変わって、あとかたもなくなる。
だから誰が愚かだとか、また誰が賢いなどといえようか。
だから私は運命にまかせて歳月を過ごし、自分の本分を守って命の終わるのを待っている。「草堂集」より
良寛さんは、限りある人生の中で起きる小さな揉め事など、取るに足りないことだということを達観してみえました。
これに続いて、著者である松本市壽さんはこんな事例を挙げていました。
私が乗り降りする駅前に、小さな果物屋さんがある。
場所は良いのだが、店頭は閑散としている。
ある日、うちのかみさんがここでりんごを買った。
ところが腐っていたので、「この前買ったりんご、腐れがありましたよ」と教えた。
ところが返ってきた言葉が「いじめないでヨ~」だった。
腐っていたことに気づかなければ、信用はガタ落ちだ。
「店はお客のためにある」という商売の鉄則を知らない。
なぜ客が来なくなるのか、それは自分に原因があることに気づかない。
お客の得は自分の損としか考えられず、通り過ぎる客をいつも睨み付けて立っている。
お客さんと揉めて、打ち負かし、自分が勝ったと思っても、お客さんは二度と来なくなるだけですよネ。
さて、12月2日の諏訪商人塾は杉浦貴氏のご指示でお題が「商品回転率」から「在庫管理」になりました。マ、同じことですが・・・
楽しい会になりそうです。お楽しみに。