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中日新聞「ひと模様 商い」の第2部 決断にしまぐち屋さんのことが掲載された。
<昼下がり、16席のこぢんまりとした店内が、いっぱいになった。
3年前に一度、廃業し、周囲の助けで再起した。
「パパパっと、花火は上がるようになったな」店が軌道に乗っていることを、独特の言い回しで喜んだ。>
思い起こせば3年前、スワマエのススム会長が「空き店舗にうどん屋をやりたい」と言い出した。早速、市の「四日市市魅力アップチャレンジ事業」の助けをいただき内装に取りかかった。
ちょうどスワマエで商売をされていた“ローズリー嶋口屋”の堀木さんが閉店された時だったので、昔の嶋口屋さんを再開しないかと持ちかけた。
堀木さんご夫婦を呼んでお話させていただいた。
「閉店されたすぐ近くでの開業となります。辛くはありませんか?」
「しっかりやります。大丈夫です」
あのときの会話は、忘れることが出来ない。
<取引先に事情を話し、自己破産を決めた。老舗の歴史は一時、途絶えた。
「寂しさがないとは言えやんかった」
半年後、知人の店で働くことを考えていたとき、近くの商店主から「うどん屋をやらないか」と声がかかった。迷わず引き受けた。>
私自身も、支店を閉店したばかりだったので、明け渡した店舗の行く末を間近で見ることは辛いことだろうと思ったからだ。
そしてこう結んであった
<信念がある。「みんなにつくってもらった店だから街の店。みんなの店でありたい」街に人を呼び込もうと、店先をイベントなどで活用したいとも考えている。
そう語るとき、目には商売人の輝きが戻っていた。>
自己破産など、人にそう簡単に言えることばではない。
最後に、取材をした福岡記者はこう書いてみえる。
<「店を閉めることは、人に迷惑をかけるだけ」と語ったことばが印象的だった。商売人が閉店を決断することは並々ならぬことだと、あらためて感じた。その前向きさが積み重なれば、現状を変える力になると信じたい。>
今、ススム氏から「ええ記事書いてもうたなぁ」という電話があった。
2007年3月24日に書いたブログを、もう一度思い起こした。
注 初出の堀木さんは、アビオンの堀木さんのことです。混同されませんよう