江戸っ子は元旦、初日の出を拝みます。今年亡くなられた杉浦日名子さんの「お江戸風寮さんぽ道」(小学館文庫)からです。
当時は年に2回の掛売り商売がほとんどでした。落語にもよく出てきますが、とにかく晦日の集金を何とか逃れれば、めでたくお正月を迎えることが出来ました。
お正月はめったにない骨休めの日。江戸っ子は初日の出を拝んで、今年1年の福を体いっぱいに浴びた後、お屠蘇を飲んで家でごろごろします。なあんにもしない、これが何よりのお正月です。風呂に入ると福を流す、掃除をすると福を掃きだすとげんを担いだからです。あたりはまったくの静寂。遠くで子供の羽根突きの音がこおん、こおんとかすかに聞こえます。
その頃、武士は年始のあいさつ回りで大忙し。切り詰めた家計の中でやりくりをしていますから、連れて歩くお供が居ない。そこで臨時募集を掛けます。日当も弾むでしょうが「てやぁんでぃ、正月早々から働けるかょ」となかなか相手にしませんでした。
門松は長屋総出で作ります。お正月に来る福神様が留まる目印となるのです。今は松・竹・梅で門松は出来ていますが、江戸では長く伸びた笹を束にして松で巻き上げました。各長屋の木戸口に立てられた笹の葉が風を受け、二階の障子をサラサラとなでます。この音を聞くと江戸っ子は「ああ正月なんだなぁ」としみじみ感じたそうです。
長屋総出で作った門松に、歳神様が降り立つ気配を感じながら皆の幸せを願います。大家さんから頂いた鏡餅を台所に飾り、醤油と揚げで炊いた雑煮と、日持ちのする濃い味の煮しめのおせち料理で、お酒をちびちびと飲んでお正月を過ごしました。
ずいぶん質素ですが、心豊かな江戸のお正月でございました。
皆様も、どうかよいお年をお迎えください って、明日のブログ、サボるつもりか?
当時は年に2回の掛売り商売がほとんどでした。落語にもよく出てきますが、とにかく晦日の集金を何とか逃れれば、めでたくお正月を迎えることが出来ました。
お正月はめったにない骨休めの日。江戸っ子は初日の出を拝んで、今年1年の福を体いっぱいに浴びた後、お屠蘇を飲んで家でごろごろします。なあんにもしない、これが何よりのお正月です。風呂に入ると福を流す、掃除をすると福を掃きだすとげんを担いだからです。あたりはまったくの静寂。遠くで子供の羽根突きの音がこおん、こおんとかすかに聞こえます。
その頃、武士は年始のあいさつ回りで大忙し。切り詰めた家計の中でやりくりをしていますから、連れて歩くお供が居ない。そこで臨時募集を掛けます。日当も弾むでしょうが「てやぁんでぃ、正月早々から働けるかょ」となかなか相手にしませんでした。
門松は長屋総出で作ります。お正月に来る福神様が留まる目印となるのです。今は松・竹・梅で門松は出来ていますが、江戸では長く伸びた笹を束にして松で巻き上げました。各長屋の木戸口に立てられた笹の葉が風を受け、二階の障子をサラサラとなでます。この音を聞くと江戸っ子は「ああ正月なんだなぁ」としみじみ感じたそうです。
長屋総出で作った門松に、歳神様が降り立つ気配を感じながら皆の幸せを願います。大家さんから頂いた鏡餅を台所に飾り、醤油と揚げで炊いた雑煮と、日持ちのする濃い味の煮しめのおせち料理で、お酒をちびちびと飲んでお正月を過ごしました。
ずいぶん質素ですが、心豊かな江戸のお正月でございました。
皆様も、どうかよいお年をお迎えください って、明日のブログ、サボるつもりか?