花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

参宮街道は餅文化

2012年01月15日 | おいらの商店街
現在、イベント“お菓子まつり”が企画中です。
中心市街地グランドプランに基づき、地元のお菓子やケーキを知りながら楽しんでいただくイベントです。
先日、暮らしの手帳 別冊“徒歩旅行”若菜晃子 編・著で参宮街道の餅文化が紹介されていました。

桑名に始まる参宮街道は
別名餅街道
やわらかやさしいお餅の味
「どうぞ、おあがり下さい」
三重の餅街道を旅していて、お餅をいただこうとすると、いつもこの言葉が添えられました。おっとりとしたやさしい響き。そのなにげないひとことに、相手を温かく見守る心遣いを感じます。旅人が行き来した時代にも、土地の人のこうしたやさしさがあったのではと思います。

     二軒茶屋餅と安永餅
まず、桑名の「安永餅本舗柏屋」と四日市の「なが餅 笹井屋」を紹介。(太白永餅も紹介してほしいところです)もとは丸いお餅だったのが、旅人が懐に入れやすいように長くしたのか、焼き安いように長くなったのか諸説あるようです。
     さわ餅とけいらん
津の宮崎餅店の「けいらん」は、米粉(新粉)のお持ちに色鮮やかな米粉がのせられたもの。街道沿いの“塔世茶屋”と呼ばれていた一帯にはお餅屋が並んでいましたが、現在では「宮崎餅店」だけが残っています。
次は、松阪岡寺門前の「伊賀屋」にある「さわ餅」は、お餅に粒あんをはさんだ大きなお餅。近くの沢水で手返ししたからとも棹(さお)のようなお餅の形が訛ったとも言われています。
「へんば餅」は返馬餅と書き、宮川の渡しで馬を返したことからつけられました。以前は川岸にあった「へんばや商店」。伊勢に到着した旅人がお餅を食べて一息ついたのでしょう。
「二軒茶屋餅 角屋本店」は前回ご紹介しましたが、船で来た旅人が立ち寄るお店でした。
しかしなぜ、この街道で、お餅文化が発達したのでしょう。
おそらくそれは「柏屋」がいうように、一生に一度の伊勢参りというハレの日に、お餅という贅沢でハレの食べ物がふさわしかったからかもしれません。
その一部が何百年も残ってきたのは、やはり続けようとする人の手があったからこそ。
それは“宮崎餅店”の「餅しかよう作らんし」という謙遜もありますが、“伊賀屋”の「食べてみたらわかる」という自信や“へんばや商店”の「庶民の人たちに喜んでもらいたい」という言葉にも表れています。
むかしは一日で固くなるお餅。持って帰りたいというお客には、いつも「腹に入れて持ってかえれ!」と怒っていた先代の話を“角屋”のご主人は笑って話されたそうです。訪れたその土地でこそ味わえるお餅の味です。
三重のお餅はやっぱり、やさしくておっとりした三重の人たちそのものでした。願わくば、時代が変わっても、三重のお餅は変わりませんように。

と結ばれていました。
餅菓子は、実演してその場で食べていただくのがベストでしょうか?
作年の夏に発行された雑誌ですが、歩いて旅する優しい気持ちが良く出ていて、たのしみな一冊です。