6月16日・17日の2日間にわたり“こどもの交流拠点施設構築事業”の一環として高知を訪れました。参加者は、諏訪西商店街振興組合の野村愛一郎理事長・メリーゴーランド店主の増田喜昭氏・スタジオエッジの小林渚氏と諏訪振興組合専務理事の水谷武生の4名です。
高知市は、子供たちがバーチャルな街を作り運営するというイベントが開かれているという。それはキッザニアのような単なる体験型の催しではなく、子供たち自らが考え運営するという。その実際を訪ねることとなりました。
対応にあたっていただいたのは、市の「たかじょう庁舎」に事務所がある高知市市民協働部 地域コミュニティ推進課 課長補佐の森岡眞秋氏と、学生時代運営にかかわったことがきっかけでスタッフとなったNPO高知市民会議の尾崎昭仁くんです。
このイベントは大学生がスタッフとなって運営されています。勿論、主役は子供達であるけれども、中心となって世話をするのは大学生の皆さんです。当時学生であった尾崎君は、このイベントを成し遂げたときみんなと一緒に号泣した。その感動がきっかけとなり、本格的にNPOとしてこの事業に係ることになったそうです。目に見えた成果です。
実行委員会「とさっ子タウン」を立ち上げたのは2008年1月のこと。大学生を中心に、市民活動団体・高校生・協力企業等約100名が月1回会議を開きます。その他“だんどりユニット”(企画や助成金の確保)・“営業ユニット”(企業への協賛金願い)・“こうてやユニット”(資金確保のための商品開発)等の運営委員会が適時開かれています。
こうして年1回のイベント“とさっこタウン”開催に向け準備が進みます。小学4年から中学3年までを対象に募集されて、参加決定のみんなには“市民証”が発行されます。会場は「りょうまスタジアム」。ここへは300名の子供たちと、世話をする役員以外は入れません。
当日はまず“市民登録局”で受け付けを済ませます。つぎに“まちの約束事”の説明を受け、“ハローワーク”で仕事を選びます。一定時間仕事を済ませると“銀行”で給料をもらい、“税務署”で税金を払います。お金(単位は土佐からとったtos)は“まち”で使えるし“銀行”で貯金も出来ます。お金がたまれば、自分で店舗を開くこともできます。
警察・消防・郵便局・電車・新聞社・放送局をはじめ、印刷屋・はんこ屋・花屋・美容室・スーパーマーケット・お土産屋・遊びのコーナー等子供たちが考えた様々な職業が並びます。その都度、学生や招かれた専門家が指導しますが、あくまでも側面から。主役は子供達です。
ここでは議会が開かれ、街の問題等が話し合われます。選挙もあって市長も誕生します。マニフェストを訴えたポスターを掲示、放送局を通じて選挙演説を行います。当選した新市長は、本物の市長と懇談したりして対外的な代表としての役を務めます。
どこまで本物っぽい運営ができるか?楽しさもあり困難もあると思いますが、学生の皆さんを中心に苦労して造る“まち”は、それだけに成し遂げた喜びも大きいと思われます。
パンフレットにはこう記してありました
こどもたちが協力し合いながら、自分たちでまちをつくることが出来る、変えることができるということを体験してもらうことをめざしています。
こうした体験の中から、こどもたちが社会のしくみを知り、一人ひとりがどのような権利を持ち、どのような責任を果たすのかを、感じたり気づいてもらえればという思いで取り組んでいます。