花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

貸本屋の時代 ②

2024年08月21日 | レモン色の町

浜田小学校前のエス書房は、おばさんが経営していて、棚には“影”や“街”・“刑事”等が並んでいた。探偵ものが多く、お兄さんの世界の覗くようでワクワクした、とおもう。店の奥にも陳列の部屋がったような気がする。さて、雪の山荘で密室殺人が起きる。部屋の暖炉は赤々と燃えていて、倒れている被害者の手から離れたコップは、窓の下にまで飛ばされ、水がこぼれていた。雪と暖炉とこぼれた水から、探偵は密室殺人を推理する。

犯人は窓から逃走した。窓は落としカギになっていて、鍵を上げたところへ窓際の雪を押し付けて外へ出た。暖炉の熱で雪は解け、解けた雪は窓の下に水たまりとなって残る。コップの処だ。

このみごとな推理にすっかり感心したぼくは、辻君の処へ披露しに出かけた。ところが辻君は、お昼寝の時間となってしまった。僕は辻君が起きるのを待ちながら、この殺人トリックのマンガをせっせと描いていた。貸本時代の漫画家に、つげ義春、水木しげる、白土三平、辰巳ヨシヒロ、佐藤まさあき氏らの名前が浮かぶ。漫画家の皆さんは若かったからか、画風が定まらなかった。白土三平や佐藤まさあきらのように、絵を見れば作家が分かるようになるまでは修業が要るんだなあと思ったものだ。

次の絵は、つげ義春氏が貸本時代に描いた作品である。

昭和39年「刑事」掲載 下町の唄より

昭和35年「Meilo4」に掲載 老人の背中より

昭和39年「刑事38」掲載 見知らぬ人々より

絵のタッチが定まっていないのがお分かりだろうか? 否、それだけ器用だったと言うことも出来るか?


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