いつもココロに太陽を!

~ Me Hana O Ka La I Ka Pu'uwai ~

正義の味方

2015-07-09 | 仕事
会社を辞めてもらうことになりそうだ…

6月下旬に最初の打診があった時。

とうてい納得はできなかったけど、本当にそんなことになるのかしら?
この措置は正しいことなの?
もし辞めるとしたら私には何ができる?

それを聞くために私は新宿の『労働基準監督署』に赴きました。

翌日に起こしたこの行動は実に早かった。(と自己評価している)

その道のプロにいろいろ相談に乗ってもらいたいわ。
何しろこんなことは初めてだから、何にもわからないのよー。


自分の相談したいことをざっくりと所定の用紙に書き、担当者が現れるのを面会室で待ちます。

となりのパーテーションからは、Bボーイ風の男の子が
「3年働いている会社に有休がなくって」という相談をしているのが聞こえます。

あんなファッションの子でも企業で働いていて、そして悩んでいるんだなぁ。



私の担当になったおじさま。
「22年働いた会社を業績不振で解雇になりそう」と書いた書類を見てとても驚いていました。

そして「上司が認めるほどの22年も働いたあなたを解雇しようなんて会社なら、とことん権利を主張しましょう」といろいろ教えてくれたの。



まず、うすうす気づいていたけれど(笑)私の会社はかなりのブラック体質みたい。

アルバイトやパートでも、勤務年数によって有給休暇は取得できるものなのに、私の会社ではそれをとったバイトを私はこれまで知りません。
それはもちろん私もで、私が会社を休む時はお金は一銭にもならないで休んでいたよ。
有休なんてとれるって知らなかったのよ。

それと同様に、例えば人身事故で1時間電車が遅延してもそれは働いたことにはならず、ただ私の労働時間が1時間減るだけ。
遅延証明書なんてその場で無視されちゃう状況でした。
その分帰りに1時間残業したらそれは請求できるから、そういう点はゆるくて調整しやすいんだけどね。

私の勤務年数からは私は1年に20日の有給休暇があるらしい。
2年分で40日。

もしこれを今までの私が「使いたい」なんて主張したら、社長の逆鱗に触れて居づらくなったことでしょう。
そんな会社だから、今いるバイトさんも誰も有休なんて主張しません。

おじさまは「ありえない会社だなぁ」とあきれていましたね。

でももう私にはあとがないし、居づらいもへったくれもないんだから、
「残る人の為にもあなたが有休を使いましょう!」
これが都合2回相談に行った私に担当者のおじさまが言ったことです。

この前、0703に上司に『有給休暇取得届』を出す時、もし断られたらどうしようと一日中ドキドキでした。
同じバイトのあきちゃんも私の計画に一緒にドキドキした一日だったそうです(笑)

「いいですか?まずあなたがしっかりとした届を書きなさい。ん?ペン?パソコン?どっちでもいいよ。じゃ、ペンでしっかりと書きなさい。そして必ずコピーをとること。それがあれば相手が受取ろうが破こうが、こっちには出したという証拠が残るから。ハンコも押すんだよ。」

私は目の前に座り必死にメモをする生徒のようです。
アルバイトには有休届の用紙すらないんだから、私が一から自分で書くしかないのね。

「そして、いいですか?それを出したらあなたは絶対に会社に行ってはいけない。会社に行ってちょっとでも仕事をしたらあなたは有休の権利を行使していないことになるんだよ。そして、月末の最後の日にもし有休なんて認めない!と一か月分の支払いを拒否されたらその足でここにまた来なさい。その時は私たちの出番だから。労働基準法でちゃんと守られているから。何か月経ってもお給料は取ってあげるから」

涙が出そう。
いや、ホントはちょっと泣いた。
会社には冷たくされても、ここには正義の味方がいるわ。

一見くだらない会社の話(元の上司が4階で、私は6階にいて…みたいな)も真摯に聞いてくれてメモをしてくれるの。

あまりに心配で「こんな話してていいんですか?」と一度聞いちゃた。
そしたら「もちろん。あなたの会社の状況がわからないとアドバイスができないでしょ。気にせず詳しく話して」


「失業保険は?もらえるの?」

「え?雇用保険料を徴収されていないのでもらえるアテはありません…」

「ほんとに?22年も働いてるのに?」

「…はい。」

「だったらハローワークにも行きなさい。これからでもさかのぼって納められるから失業保険ももらいなさいよ」


何もかもがうちの会社では前例のないことばかり。
そんなこと、私一人ではできなかったと思うけど、こうして早期に相談に来たおかげで知恵と勇気をつけてもらった。
そして、ささやかながら私は会社に復讐をしてみよう。

私の復讐など金額にしたらたかが知れていて、会社にとっては痛くもかゆくもないかもしれない。
それとも社長はムキーッとなるのかな?

どうせならムキーッとなってほしいな(笑)

同じ辞めるにしてもただじゃ辞めない。
大いなる前例を残して、残りっ屁をして辞めてやる。



「解雇通知書も書いてもらうといいよ。のちにこじれた時に役に立つこともあるかも知れないから」

「解雇通知書?」

「そう。解雇日と具体的理由を書いてもらいなさい。それも申請を書類に残すんだよ」

「はい。」

「あ、それから、もし"じゃあその代わりに退職願を書いてくれる?"と会社に言われても書いちゃだめだよ」

「あ。そうなんですか?」

「だってあなた、退職を願い出ていないでしょ?」

「あ、はい…」

「だったら書いちゃダメ。退職願を書いたら退職に同意したことになるからね。いいですね、あなたは解雇なの!解雇!」


何ともわからないことばかりだ。
でも言われてみれば納得のことばかりで、つい「わかりました」と書いてしまいそうなことも気をつけなくちゃいけないんだね。


そんな風にして今回労基に背中を押してもらった。

お役所は所詮お役所仕事だ…とよく言われることだけれど、私には本当に心強い。
私は正しい権利を行使しているだけなんだ、と強く思うことができる。



この一か月、月末までは私はまだ気持ちが闘いモード。
それがたとえ一人相撲だとしても、こうしている間もまだ会社に属していて、そこと闘っている緊張感がある。

そして心配なのが来月になってからかな。

来月の私はもう会社にも属していない。
どことも闘っていない普通の主婦だ。

その時にもう一度、心が折れそうな気がするわ。
不安になってしまうと思う。

それでも負けない心づもりを用意しなければ。

正義の味方に背中を押してもらったと、世の中には捨てる神あれば拾う神ありなんだと、知ることができただけでも、私は幸せ者なんだと思うことにしよう。





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