ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

「第20回青少年支援セミナー」1日目のご案内

2014年02月24日 15時47分40秒 | ホーププロジェクト
 10日前の本欄で開催要項をお知らせした標記イベント。今回は前回の趣旨をさらに具体化した趣旨で企画しました。

 前回は「当事者がなぜ支援を受けられないのか」をテーマに「支援を受ける気にならない家族コミュニケーション」や「当事者にとって難しい支援システムのあり方」を取り上げて「生活思考に立って本人と接する」や「当事者の人生に“階段”ではなく“スロープ”を造る」といった提言を行いました。

 それを受けて今回は「“スロープ”の具体例」として「執筆(言論)」「当事者中心の会運営」「生活思考にもとづく家族コミュニケーション」「当スタジオが構想している支援システム」の4点を紹介することを通じて、当事者ニーズに近づく方策の重要性を提言します。

 日程は今回も2日間ですが、いよいよ1日目まで1週間を切りました。そこできょうは、1日目「シンポジウム」の詳しい趣旨と内容と出演者をご紹介します。

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 1日目は、セミナー最終回にちなんだ特別プログラムを実施したあと、(元)当事者が各自の活動をご紹介します。
 ここでご紹介する活動は「執筆(言論)」と「当事者中心の会運営」のふたつです。いずれも「支援」とは違うアプローチですが、読んだり聴いたり参加したりした人々が良い影響を受けていると思われます。
 特に後者は「街の居場所」として当事者の支えになっている場であり、こうした場に参加できた人には、安心して話せるなかで自然に人間関係やコミュニケーションの練習になったり考えをめぐらしたり深めたり視野が広がったりと、さまざまな副産物が生まれているものと考えられます。
 支援とは違う方法として、こうした場がもっと知られ、さらに増えていくことを願って企画した、どのイベントにもかつてなかったプログラムです。

 では、各プログラムの内容をご紹介します。

 この日の最初のプログラムは「出演者トーク」。過去19回のセミナーにご出演いただいた方々に、再度ご出演くださる方を募った結果、次の6名の方々からご承諾をいただいています(カッコ内は現職)。

 玉川満氏(通信制高校学習センター顧問)、関口宏氏(精神科医)、佐川佳之氏(大学教員&フリースクールスタッフ)、堀内和彦氏(就労支援団体スタッフ)、北村るみ子氏(ひきこもり関係の会世話人)、石川良子氏(大学教員&ひきこもり関係の会世話人=先日新たにご出演決定のため案内書には掲載なし)

 以上、過去1回~4回ご出演くださった皆様に、ご出演後から現在までのご自身の歩みと不登校・ひきこもりをめぐる状況変化、さらに今後のご活動、また家族や関係者への提言をうかがいます。
 お話を総合したら“約10年間の不登校・ひきこもり小史”になるかも。過去からの流れを知りたい方にはおすすめのプログラムです。

 次に、前述の趣旨で「当事者トーク」を行います。前々回から毎回パネラーとしてお話しいただいている伊藤書佳(編集者)、勝山実(ひきこもり名人)、林恭子(古書店経営)の3氏を三たびお迎えし、ふたつのコーナーを実施します。

 前半は「“当事者本”対談~ブログから、メルマガから~」と題して、2冊の著書を持つ勝山氏と初めて著書を持つことになった当スタジオ代表の丸山との対談。勝山氏はブログを、丸山はメールマガジンを、それぞれ長年執筆していたことなどが出版のきっかけになっている点が共通している両人。ほかのパネラーの方にご感想をうかがいながら、(元)当事者として発信する経緯と思い、互いの評価や活動を語り合います。

 後半は、当事者が多く集まる場を定期的に開催しているお三方に、それらすべてに参加している丸山が質問しながら、何が当事者を惹きつけているのかを探ることをとおして「居場所」と感じられるのはどういう場所かを考えます。

 なお、こうした当事者中心の場が近年広まっていますので、トークのなかで丸山がそういう場をご紹介することも予定しています。

◎パネラー

伊藤書佳(編集者)
 中学時代に不登校になり、高校進学せず、10代で市民運動への参加や原発に関する本の出版など活躍。現在は編集者として、勝山実氏の著書『安心ひきこもりライフ』などを手がけるほか「全国不登校新聞社」理事や「不登校・ひきこもりについて当事者と語り合ういけふくろうの会」共同世話人などをつとめている。

勝山実(ひきこもり名人)
 高校3年から学校に行かなくなり2月に中退。大検を取り大学受験するも3年連続不合格。以後、出たり入ったりのひきこもり生活を続けている。ニュース番組のコーナーでルポされるなど話題の当事者。現在「新ひきこもりについて考える会」共同世話人。「湘南ユースファクトリー」理事。

林恭子(古書店経営)
 高校2年から不登校状態となり中退。通信制高校と大検を経て大学に入学するも再び不登校に。アルバイトを経て20代でひきこもり状態となる。現在、同じくひきこもり経験者の夫と古書店を経営する傍ら「ヒッキ―ネット」と「新ひきこもりについて考える会・読書会」の共同世話人をつとめる。

◎パネラー兼進行役:丸山康彦(開業相談員)

 不登校のため7年かかって高校を卒業。大学卒業後、高校講師、ひきこもりを経て個人事務所を開設し、支援側としての勉強と活動を開始。2001年10月に当スタジオを設立し、相談業務のほかメールマガジン執筆やこのセミナー開催など多様な関連業務を展開。「湘南ユースファクトリー」代表理事。


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