ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(9)

2016年09月30日 13時21分25秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報も最終回になりました。

 今回は、会場のご案内や第2部の選び方からメッセージをくださった方のお名前にいたるまで、直前情報をお届けします。

◎ご参加の方へ

 当イベント、同じ大きさのふた部屋で開催しますが、受付がある第1会場は2階の「第1会議室」ですので、まずその部屋にお越しください。残席がありますので当日会場でも受け付けます(先着順)。
 
 第2部でグループに分かれますが、選択を決めかねている方は、これまで掲載してきた出演者の紹介、受付でお渡しする機関紙に挟み込まれている案内チラシ(お持ちでない方)などをもとに、第1部の最後に行うグループの担当者(いのりてーなーと不登校コンシェルジュ)のご紹介をお聞きになったうえでお決めください。
 なお、第2会場として使用する3階の「第1研修室」のグループをお選びの方は、ご面倒でも休憩時間に移動していただくことをご了承ください。

 5つの「いのりグループ」は、前半がいのりてーなーのお話で後半が全員参加の自由討論になります。また「不登校コンシェルジュデスク」は、前半が「本人の心理」や「家族の対応」について、後半が「進路」や「支援」について、それぞれ質問をお受けする予定です。
 そのため「不登校コンシェルジュデスク」をお選びの方は、前半と後半で別のグループを選択されてもかまいません。

 また、受付で配布する「中間まとめ(提言骨子)」や3階「第1研修室」の「ヒューマン・スタジオの歴史展示コーナー」もぜひご覧ください。

◎メッセージをくださった方は

 当日、ヒュースタまたは私に関係の深い方からいただいたメッセージがご覧になれます。
 これは5年前の「設立10周年記念イベント」ではプログラムにも入れた目玉企画でしたが、今回は控えめに募集しました。その結果次の方々からいただきました(到着順)。

*山下英三郎氏(日本スクールソーシャルワーク協会前会長、日本社会事業大学前教授)
*加藤彰彦氏(横浜市立大学元教授、沖縄大学前学長)
*中西拓子氏(「Pore・Pore・ちがさき」前代表、日本スクールソーシャルワーク協会元副会長)
*安田賢二氏(「KHJ神奈川・虹の会」会長)
*加藤誠之氏(高知大学准教授)
*佐藤信也氏(ライフサポート社代表取締役・編集長)
*阿久津李枝氏(ライター、ヒューマン・スタジオ協力者)
*川初真吾氏(「ひきこもりフューチャーセッション[庵-IORI-]」ディレクター)
*武藤啓司氏(フリースクール楠の木学園・NPO法人リロード両理事長)

 皆様には直前にお願いしたにもかかわりませずご高配をいただき心からお礼申し上げます。

◎イベント終了後のお楽しみ!

【緊急企画】青少年サポートプラザ見学会
 イベント終了から懇親会開始までの時間を活かすため急きょ実施することになった企画。
イベント会場の斜め向かい、懇親会場になるレストランが1階にある「神奈川県立青少年センター」の2階に、小さいながらNPO支援やNPOとの協働を目的とした不登校・ひきこもり等支援スペース「青少年サポートプラザ」があります。どんなところなのか、いのりてーなーのおひとり松本光世氏がご案内します。10分程度の短い時間ですが、ご関心ある方はぜひご参加ください。

設立15周年記念懇親会
 イベント終了後、17時半から上記レストラン「メルヘン」を借り切って開催します。
 こちらだけの参加もOK。会費2000円(当事者1500円)。イベント出演者の多くが出席しますので、第2部の簡単な報告や招待した方のご挨拶を交え、楽しい語り合いのひとときをお過ごしください。

◎おわりに

 以上、9回にわたって掲載してきました当イベントの詳細情報、いかがでしたか。いよいよ明日、天候が心配ですがひとりでも多くの不登校・ひきこもりに関心ある方のご参加とご発言を願っています。出演者・スタッフ一同、イベント会場または懇親会場でお会いできることを楽しみにしています。


告知・申込サイト「こくちーず」を見る
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(8)

2016年09月29日 15時12分46秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報、プログラム出演者をすべてご紹介しましたので、今回はあらためて当イベントの見どころをご説明します。

◎15年の集大成となる提言と講演!

 代表兼相談員をつとめる私が、設立1年半後から子どもの不登校とおとなのひきこもりへの相談援助(相談業務・家族会など)を専門として、本人や家族への支援を実践しているヒュースタ。 

 その10年以上にわたる実践と私の当事者関係者との親交のなかから必要性を感じて研究した、これからのひきこもり支援に必要な仕組みの提言づくりが進んでおり、受付でその骨子(中間まとめ)を参加者全員に配布します。

 第1部では私の記念講演としてヒュースタ設立の思いから相談援助(相談や家族会など)や定期イベント、メールマガジン、このたびの提言のすべてを貫いている「本人の心のかたちが極力変わらないようにしながら生き方を見出す」という理念についてご説明します。

◎当事者・親・関係者が「いのりてーなー」として語る!

 第2部で行う「ひきこもりヒュースタセッションいのり」は、近年都内で定期的に開催され多くの参加者を集めている「ひきこもりフューチャーセッション庵」のモジリであることにお気づきの方も多いでしょう。

 それを含め私が長年参加している支援ネットワークやひきこもりコミュニティ(ひきこもり当事者が多く集まる会)で出会い、おおむね理念を共有している“仲間”と呼べる方々がテーマ別にグループに分かれ、話したあと参加者と対話(セッション)します。

 特に20回開催したかつてのヒュースタの恒例イベント「青少年支援セミナー」の第18回以降毎回楽しく豊かなトークを繰り広げた勝山実、林恭子、伊藤書佳のトリオが揃うのも見どころです。

◎各種資料で15年の歴史の一端にふれる!これからの必須ツール=ロボットも登場!

 第2会場の壁に沿って「青少年支援セミナー」「家族会」「機関紙」などの資料を時系列で並べます。おもに神奈川県内における不登校・ひきこもり支援NPOの歴史をうかがわせる「青少年支援セミナー」の出演団体にご注目。

 また、私がヒュースタ設立直前に自費出版した雑誌『おしえる そだてる いきる なやむ(お・そ・い・な)』第2号を参加者全員にプレゼント。山下英三郎氏や加藤彰彦氏、日本スクールソーシャルワーク協会など、15年前の一部関係者・関係団体の動向がわかります。もちろん私の著書『不登校・ひきこもりが終わるとき』の割引販売も。

 さらに、提言でもふれている「遠隔操作で在宅しながらイベント参加できる分身ロボット」を実際に使用します。

 なお、当日は受付時間が短いため、なるべく下記リンク先から事前申し込みをお願いいたします。もちろん、当日受付でお申し込みいただいても大丈夫です。

告知・申込サイト「こくちーず」

 前日となる明日の最終回は、受付の手順や第2部の選び方からメッセージをくださった方のお名前にいたるまで、直前情報をお届けします。
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(7)

2016年09月28日 13時56分43秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ(以下「ヒュースタ)」代表の丸山です。当イベントの詳細情報、登場人物をふたりずつご紹介していますが、その最後は「記念講演」と「不登校コンシェルジュデスク」を担当する私(丸山康彦)自身と後者でご一緒する桑原和也氏です。

 私は、不登校状態のため高校卒業に7年かかり、大学卒業1年後からひきこもり状態のため社会復帰にやはり7年かかりました。その後青少年支援や心理カウンセリングに関する学習や不登校関係の活動を2年半積んだあとヒュースタを設立。最初は「世代別フリースペース」「学習支援」「ワークショップ」などを取り揃えた“地域の交流スポット”をめざしましたが、1年半後から相談に特化し、子どもの不登校とおとなのひきこもりを対象に相談援助を実践しながら、公開学習会「青少年支援セミナー」(2014年3月に20回で終了)の企画開催、メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』の執筆配信、といった啓発業務を実施していきました。

 仕事柄多くの支援団体と交流・連携するとともに「ヒッキーネット」という親の会中心の支援ネットワークや、当事者が多く参加する「読書会」にはスタートから参加。ただ「もはや自分は当事者ではない」という自己認識から「読書会」の母体である「新ひきこもりについて考える会」や、ひきこもり飲み会「いけふくろうの会」などの“ひきこもりコミュニティ”と呼ばれる当事者が多く集まる場には気が引けて参加できませんでしたが、いずれも途中から参加して以来、楽しくて常連のひとりになりました。

 その勢いで、近年は「ひきこもりフューチャーセッション庵」という定期開催されている対話集会や、そこで出たアイデアをもとに当事者が自主開催している「ひきこもり大学」に参加するなどを通じて、今や多くの若い当事者の方々と親しくしています。

 次に、私とともに「不登校コンシェルジュデスク」を担当する桑原和也氏です。

 氏は、中学1年から不登校状態になり、フリースクールに通って大検(現在の高認)に合格し大学進学。大学院まで進んで現在は非常勤講師をつとめています。一方で大学時代からフリースクールでのスタッフや家庭教師、さらには川崎市内の地域塾でのスタッフなど、多くの現場で不登校に関する支援機関の運営や当事者支援を続けてきました。現在は相模原市内のフリースクールで副代表の重責を担っています。

 ヒュースタの設立に参加し、3年間くらい事務兼IT担当をつとめた方が大学の学友だった縁で「世代別フリースペース」の担当者としてヒュースタの一員になりましたが、相談に特化してからは「青少年支援セミナー」でのスタッフや講師のほか、多くの事務作業を手伝ってくださり、機関紙の創刊など隠れた功績も。

 当日の第2部では、このふたりが不登校についての質問や簡単な相談をお受けします。
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(6)

2016年09月27日 18時50分18秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報、今回は、いのりグループ⑤『家族支援の資源としてのヒッキーネット』を担当する、松本光世氏と長袋美樹子氏をご紹介します。

 松本氏は「太陽の子芸術教育研究所」講師として、アートによるワークショップを展開。のちに県立青少年センターと統合された「神奈川県青少年総合研修センター」の非常勤職員時代には、ひきこもり当事者と関係者がともに学び合う「ゆるやかな研修の場」を企画開催していました。
 ここでは、申込み制の公開学習会とワークショップの他に、自由参加で集まる人のほとんどがひきこもり当事者という事実上の「フリースペース」があり、当時としては先駆的な場でした。

 私は、ひきこもり状態が終わって2年目の2000年度から、公開学習会のほうにひんぱんに参加するようになり、そこで氏をはじめ多くの先駆的な不登校・ひきこもり支援関係者やひきこもり当事者と出会いました。また、フリースペースのほうで、現在ヒュースタのオフィシャルサポーター(OS)のひとりでもある関口宏医師(現「文庫こころのクリニック」院長)とも出会い、意気投合しました。
 私はさらに、当時横浜市立大学教授だった加藤彰彦氏をコーディネート役にして学校から民間にいたるまで青少年の教育・支援の関係者を対象に同センターで開催された、夏季研修会にも参加しました。これには、先日開設25周年を迎えた「たまりば」の西野博之氏も参加していました。

 このあと、松本氏は公開学習会や夏季研修会で出会った関係者の方々と、青少年とのコミュニケーションワークショップ研究サークル「ひかりの広場」を結成し、青少年センターでの「コミュニケーション講座」や「フリ・フリ・フェスタ」などに参加。その他さまざまな場面で、子どもからおとなまで誰でも参加できる「五感をつかってちがいを楽しむワークショップ」やイベントにたずさわっており、現在では地元横浜市栄区のひきこもり支援のネットワークにも関わっています。

 ところで、2001年の冬だったでしょうか、私が前述の夏季研修会での学びをもとに「青少年支援関係者の地域ネットワークを作ろう」と呼びかけていたことに着想を得た関口氏が「各地の不登校親の会が連帯してひきこもり状態の当事者や家族を支援するネットワークを作りたい」と私や松本氏らを呼んで意見を求めました。ここから神奈川県内各地の親の会約20団体に私や松本氏のような関係者が加わるスタイルのひきこもり支援を考えるネットワーク「ヒッキーネット」の結成にいたったのです。2002年春のことでした。

 その第1回例会には、ほとんどが私にとって初体面となる親の会の代表または中心メンバーの方々が集結しました。そのなかに、現在まで松本氏とともに例会の常連であり続けている長袋美樹子氏がいました。

 氏は小学生だった次男の不登校をきっかけに学校に行かない子どもと親の会「みんなの会」を立ち上げ、自宅で23年例会などを続けています。ヒッキーネットの誘いがあったのは偶然にも20代の息子さんのことで困っている2人の親御さんに出会い、はじめておとなのひきこもりを知り、親御さんの話を聴くのみでなにもできずにいたときです。
 その後、私のメルマガの愛読者にもなり、例会に講師として私を数回招いているほか、4年前に開催した「創刊10周年記念懇談会」にも読者代表(親)として石川良子氏や勝山実氏らとともに感想をお話しくださいました。

 当イベントでは、このように「ヒッキーネット」の歴史の生き証人でもある両氏に、同ネットの活動や魅力、親の会と行政の現状や動向などについてお話しいただき、参加者と一緒に親の対応や支援の利用について考えます。
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(5)

2016年09月26日 16時51分29秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報、今回は、いのりグループ④『当事者が当事者の居場所をつくる』を担当する、哲生氏と割田大悟氏をご紹介します。

 哲生氏は、中学2年から不登校になったものの、得意のギターを活かして20代後半から路上ライブを開始。3年前の春に藤沢駅前でライブしていたところを「湘南市民メディアネットワーク(SCMN)」のスタッフで「湘南ユースファクトリー(SYF)」の設立を準備していた増田康仁氏に見出され、同年6月9日のSYF設立日に開催されたトークライブ「不登校新聞は倒れたままなのか」の前座でミニライブを。これが不登校・ひきこもり関係のイベントでの初めてライブであり、私もこのときに氏と出会いました。

 それをきっかけにひきこもり当事者が表現するイベントを定期開催することを志し、SYFや当時神奈川県のひきこもり支援サイト「ひき☆スタ」を受託していた団体の協力を得て2014年9月に横浜で「布団の中のアーチストvol.1」を開催。

 このイベントはその後も常時30人以上の観覧者を集めながら第7回まで開催。充実したスタッフも揃い、ネット配信していることもあって、今や全国的に知られる有数のイベントになっています。
 私も氏のアイデアに最初から共感し、7回のうち6回観覧しています。

 割田大悟氏との出会いは「KHJ神奈川・虹の会」の2014年2月に行われた例会でした。私が同会で4度目の講師をつとめたときです。大学時代のひきこもり状態から動き出して、ひきこもり関係の援助職をめざして大学の卒論でKHJの協力を得て卒論の研究を行った結果を、私の講演のあとに発表したのでした。

 私たちはその後、SYFのイベントに出演してもらったり、SYFの活動提案や親の会などで講演したときのレジュメなど自作の資料を送ってくれたりと、互いに刺激し合う関係になりました。
 そのなかで私は、氏が自分と同じようにひきこもりの相談援助の職に就くことを志しているうえ、氏の講演レジュメが自分の講演レジュメと共通している点――伝わりやすくなるよう図表を駆使した作り方――を発見して、ますます親近感がわきました。そのため私は、あるとき「将来ヒューマン・スタジオを継いでほしい」と、半分本気で頼んだのです。

 このようなつきあいの末、今年度は自ら希望してヒュースタのアシスタントスタッフになり、週1回のボランティアと年3回の家族会の担当補佐をつとめています。
 他方、氏独自の活動はますます際立っています。去年5月に仲間と立ち上げたひきこもり当事者会「ひき桜」は、今年7月に最多の36人が参加。また、助成金を得て8月20日から「ひきこもりピアサポートゼミナール」を開講しました。
 このような活動を通じて、今や氏は家族会のみならず当事者活動にも引っ張りダコの“売れっ子”になっています。

 イベントでは、タイプは違えど順調に人を集めている両氏の活動を踏まえて「当事者はどのような居場所を求めているか」を考えます。
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(4)

2016年09月25日 11時14分44秒 | 記念企画
 当イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報、今回は、いのりグループ③『ひきこもりからの当事者活動』を担当する、高橋雅樹氏と大谷武郎(おおや たけお)氏をご紹介します。

 その前に、ふたつのイベントについて説明しなければなりません。

 まず、定期的に開催されている対話集会「ひきこもりフューチャーセッション庵-IORI-」(以下「庵」)です。

 「フューチャーセッション」というのは、解決をめざす課題について、多様な立場の人が集まってアイデアを出し合いながら関与者を見つけ合う対話のことです。これをジャーナリストの池上正樹氏らがひきこもりの分野に持ち込み、ファシリテーションを身につけている社会人の方々が加わって2012年9月に始まりました。

 テーマごとにテーブル(グループ)に分かれて対話する形式ですが、対話したいテーマがある人は、毎月行われるミーティングで申し出て、差支えなければ採用されます。
 私が参加したのは翌年の6月、参加者がまだ30人程度だった初期です。楽しかったので常連になり「新ひきこもりについて考える会」でよく一緒になっていた人たちに加え、たくさんの若い当事者の人たちと親しくなりました。

 次に「ひきこもり大学」(以下「ひき大」)です。これは、前述の「庵」の準備会で出たアイデアがもとになり、当事者が各自の関心に応じたテーマを各部学科の名前にした、自分たちへの理解やアイデアの実現を訴えるイベントとして南関東各地で開催されており、一部は研究会や当事者グループでの継続した活動へと発展しています。私も昨年7月に「生活学部」を企画開催し、3か月後から同学部の「ゼミ」を主宰しています。

 さて、高橋・大谷両氏は、ともに茨城県在住。先に「庵」に参加し始めた高橋氏は、就職失敗がきっかけでひきこもり状態になった人です。現在は就職していますが、厳しい労働環境に苦労しています。「庵」には2年くらい前から参加し、私ともそこで出会いました。

 大谷氏はいじめなどで小学3年から不登校状態に。その後大学まで卒業して自営業をめざすも挫折し、10年近くひきこもり生活を送りました。現在は「ひきこもりからの仕事」の仕組みなどを実現することをめざして活動しています。
昨年2月の「庵」に初めて参加した際、偶然高橋氏と私と同じグループになり、次の4月の「庵」では私が担当した「ひきこもりQOLを高める」をテーマにしたテーブルを選び、終了後「参画したい」と声をかけてくれました。

 それからしばらくして、以前から「庵」に参加していて私とも親しい、同じ茨城県在住の当事者を加えた3人を中心に「チーム水戸」という当事者グループが結成され、昨年8月から「ひき大」を2か月に1回程度、講師を交代しながら県内で開催しています。このグループには「新月カフェ」という居場所を運営しているメンバーもいます。

 私は茨城のひき大によく参加しているのですが、両氏とも、講師をつとめた際に私の本『不登校・ひきこもりが終わるとき』から引用したことがあり、読んで共感してくれていたようで、ますます仲間意識が強くなりました。

 さらに大谷氏の講演のなかで「ひきこもり中に東日本大震災で人生観が変化し、終わるきっかけのひとつが“底つき”だった」と聞いたときには、ひきこもり中に阪神淡路大震災で人生観が変化し“底つき”によってひきこもり状態が終わった自分との、プロセスのあまりの符合ぶりに驚きました。

 このような県内で集まって活動している当事者グループがある県は、全国的にも数えるほどしかないようです。それだけに、この両氏は当事者活動の意義と経験、そして課題を伝えるにはもってこいの人材だと思います。

 なお、「チーム水戸」につきましては下のリンク先をご覧ください。


「チーム水戸」が運営しているブログを見る
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(3)

2016年09月24日 10時24分07秒 | 記念企画
 標記イベントを主催する「ヒューマン・スタジオ」(以下「ヒュースタ」)代表の丸山です。当イベントの詳細情報、今回は、いのりグループ②『ひきこもり出家のお話』を担当する、勝山実氏と伊藤書佳氏をご紹介します。

 勝山実氏は、高校3年から不登校状態になり、大学受験に3度失敗してそのままひきこもり状態に。苦しんだ末「一生半人前でいい」という境地に到達して精神障害者認定を受けました。「ひきこもり名人」は自称でしたが、その教養とユーモアあふれる語り口や筆致で講演に執筆にと大活躍する姿に、周囲の人たちは皆「名人」と呼ぶようになり、氏の肩書としてすっかり定着しています。そのベースには閉じこもっていた時代に本を1000冊読破したこともあるようです。「新ひきこもりについて考える会」の共同世話人。著書『安心ひきこもりライフ』は10000冊も刷られる大ヒット。今月まで雑誌『週刊金曜日』に13回の連載も執筆。

 私との出会いは「読書会」で、自分のブログ『鳴かず飛ばず働かず』がテキスト(指定図書)に取り上げられて初めて参加したとき。以来氏は3,4年前まで「読書会」の常連に。また私が「読書会」の母体である「新ひきこもりについて考える会」に参加し始めるなど、氏と一緒になる機会が増えるにつれ、氏は私のメルマガの読者になり、「青少年支援セミナー」や「設立10周年記念イベント」に参加して私の講演を聴いて共感してくれるなど、親しい関係になりました。

 その流れで、ヒュースタが20回開催した「青少年支援セミナー」の最後の3回や、神奈川県内の不登校・ひきこもり等関係団体合同祭り「フリ・フリ・フェスタ」の出し物「まるさんの ひき・ひき・ひっきー!」の最初の3回で一緒にトークしたり、3年前に設立された支援グループ「湘南ユースファクトリー(SYF)」では理事として一緒に活動するなど、キャラクターは違えどリスペクトし合う仲間です。

 そして、勝山氏の『安心ひきこもりライフ』を編集したのが、伊藤書佳氏です。

 氏は中学2年生のときに不登校状態になりましたが、市民運動の事務所に出入りしてミニコミ紙の発行にたずさわり、卒業後も進学せずに10代で『超ウルトラ原発子ども』を出版するなど、いわゆる“元気な不登校児”としてもてはやされた時期もありましたが「元気じゃない不登校児のほうが多いのに」と違和感を抱えていたといいます。

 私は当時から著書や80年代後半に携わっていた「子どもが留守番電話に話したメッセージを公開する」という活動を通じて氏を知っていました。その後氏は不登校や子どもをめぐる世界から離れますが「登校拒否・不登校を考える全国合宿」で出会った若者と一緒に2010年2月「不登校・ひきこもりについて当事者と語り合ういけふくろうの会」(以下「いけふくろうの会」)という飲み会を始めました。さらに勝山氏の『安心ひきこもりライフ』を編集したことで「読書会」の常連が集まった忘年会に参加し、私と名刺交換。
 私は思わず「伊藤さんですか!」と驚いたのですが、ほかの方は「丸山さん伊藤さんを知ってるの?」と私に驚いていました。それもそのはず。当時のひきこもり関係者の間では、氏はまだ一部の人にしか知られていなかったのです。

 私は「新ひきこもりについて考える会」に参加していて、勝山・伊藤両氏が「いけふくろうの会」に行くというので付いて行ったのが初めての参加。以来常連になり、勝山氏のところでも記した「青少年支援セミナー」の最後の3回で林恭子氏とともにトークゲストにお招きしたり、メルマガの愛読者として、その一部が出版された際には「出版を祝う会」を中心になって開催してくれるなど、やはり仲間と呼ぶにふさわしい間柄です。
 現在、氏はいわゆる「多様な教育機会確保法案」の反対運動にも取り組んでいます。

 イベントでは、ひきこもり当事者を“出家”に、社会に適応している人を“在家”にたとえる勝山氏らしい語りをもとに、ひきこもり当事者が社会のなかで生き延びる方法を考えます。
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(2)

2016年09月23日 18時00分41秒 | 記念企画
 代表の丸山です。当イベントの詳細情報、今回から第2部のもうひとつのプログラム「ひきこもりヒュースタセッションいのり」(以下「いのり」)で設定するテーマ別グループの各グループ講師(いのりてーなー)のご紹介です。

 今回は、いのりグループ①『ひきこもりから行ける場所』を担当する、林恭子氏と石川良子氏をご紹介します。


 林恭子氏は、高校と大学で不登校のすえ25歳から2年間ひきこもり状態になりました。その後司書や事務職などを経て、夫婦で古書店を開業。8人目に受診した精神科医のカウンセリングを受けたことと、30代で「ひきこもりについて考える会」(現在の「新ひきこもりについて考える会」)に参加してマイノリティーなどさまざまな人と出会ったことに生きる力を得たといいます。

 私と林氏との出会いは、14年前の6月に開催された「ヒッキーネット結成記念講演会」のシンポジウムで、ふたりの当事者パネリストのひとりとして氏が登壇した際、同ネットのメンバーとして開会挨拶と会場スタッフをつとめた私と挨拶を交わしたとき。

 その後も何度か会いましたが、氏が「読書会」に参加するようになり、私のメールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』(以下「メルマガ」)がテキスト(指定図書)に取り上げられた際に絶賛してくれたことから急激に親しくなりました。

 特に、私が不登校の終わりに、氏がひきこもりの終わりに、それぞれ見た(脳裏に浮かんだ)光景がまったく同じだったことで、仲間意識は“同志”と呼べるほど強いものになったように感じます。「出版されたら“当事者本”ナンバーワン!」というのが、当時の氏のメルマガ評です。

 このような経緯から、5年前に開催した「設立10周年記念イベント」に、私は3人のリレー対談のゲストのひとりとして氏を指名。そこで氏が当事者発信の必要を訴えたことから、私は半年後に開催した「第18回青少年支援セミナー」で、次回ご紹介する勝山実・伊藤書佳両氏とともに林氏を招いてパネルトークを行いました。そのとき参加していた恩田夏絵氏との出会いが、のちに「ひきこもりUX会議」結成へとつながっていきます。

 現在、氏は「新ひきこもりについて考える会」と「読書会」の共同世話人、および「ヒッキーネット」事務局をつとめるほか、同グループ主催の「ひきこもり女子会」を恩田氏とともに進行するなど、活動をさらに広げています。

 その林氏と「新ひきこもりについて考える会」や「読書会」など同じコミュニティにいながら、ここ10年くらいは離れていた時期の関係で入れ替わりになっているのが、松山大学准教授の石川良子氏です。

 氏は社会学専攻の大学院生だった00年代初頭から、当時の「ひきこもりについて考える会」に参加し、そこで林氏と出会いました。その後「新ひきこもりについて考える会」と、そこから派生した「読書会」の世話人をつとめるなどを通じ、多くのひきこもり当事者とつきあってきました。著書『ひきこもりのゴール-「就労」でもなく「対人関係」でもなく』は、そのような氏の謙虚な当事者とのつきあいから生まれただけあって、多くの当事者に支持されています。

 前回お話ししたように、私は「読書会」にスタートから参加していましたが、石川氏は前述の「ヒッキーネット結成記念講演会」に参加して私の開会挨拶を聴いていたうえ、12年前に開催した「第5回青少年支援セミナー」にも参加するなど、私とヒュースタのことはすでにご存知でした。『ごかいの部屋』の愛読者でもあり、4年前に開催した「創刊10周年記念懇談会」の<読者メッセージ>というコーナーで「昔は読んでも理解できなかったことが今は理解できるようになり、自分の10年も確認できた」などと語ってくれたり、一昨年に開催した「出版記念イベント」にも駆けつけてくれたりと、私への熱心な賛同者であることを隠しません。


 「いのり」では、このように関わっている会が共通している両氏に、先駆的なひきこもりコミュニティと「ひきこもりUX会議」の先駆的な活動の紹介を通じて、当事者が行きたくなる場所をどう増やしていくべきかを考えます。


「新ひきこもりについて考える会」と「読書会」のブログを見る
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『不登校・ひきこもり 心のかたちを守る提言(いのり)』詳細情報(1)

2016年09月22日 20時05分26秒 | 記念企画
 代表の丸山です。

 豪雨の被害が報道されている今日この頃、皆さまご無事でお過ごしでしょうか。

 さて、今月に入ってフェイスブックのイベントページを中心に詳細をお伝えしている標記イベントの開催まで、いよいよ10日を切りました。そこで、当ブログでも本日から毎日、詳細情報をお届けします。
 ただしフェイスブックのイベントページの後追いになりますので、タイムリーな部分をカットしたり一部改訂したりして掲載することをご了承ください。
 なお、この詳細情報はフェイスブックのイベントページでのそれと同様わたくし丸山が自ら執筆しています。

 最初に、当イベントの開催目的と内容をお伝えします。

 このイベントは、当スタジオ(以下「ヒュースタ」と表記)の設立15周年を記念して開催するもので、ヒュースタの理念をそのままイベントタイトルにしています。
 
 高校時代の不登校状態と大学卒業後のひきこもり状態を経て、2001年10月1日に設立したヒュースタ。1年半後から相談機関を名乗って本格的に不登校・ひきこもり相談に乗り出してから、自身の実体験のうえに面接相談や家族会などでの援助経験が上乗せされていくにつれ、設立1年後に創刊した本人の心理と家族の対応のあり方を伝えるメールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』の文章が評判になり、そこに書いた内容をもとに相談や家族会を実践し、そこから気づいたこと考えたことを『ごかいの部屋』に書く、という“理論と実践の循環によって絶えず進化していく相談機関”としてのオリジナリティが認知されていきました。

 ただ、メルマガは毎号違うことを取り上げて書くものですし、相談や家族会ではさらに個別具体的なお話をするものですから、それらをまとめ、それらを貫いている「理念」をお伝えする機会はあまりありません。

 そこで「15年間の総まとめ」として、メルマガに書いてきたこと、相談や家族会の現場でお話ししてきたこと、さらに今後に向けてまとめる提言・・・のすべてを貫いている理念をお伝えする、というのが当イベントの第一の開催目的です。

 そのためプログラムの第1部では、私による記念講演でヒュースタの歴史と「心のかたちを守る」という理念、そしてそれをご家族や関係者が実際の対応に活かす方法をお伝えします。 第2部ではその理念をおおむね共有している私の活動仲間(私が参加している、または何らかのかたちで関わりがある、団体や定期開催されている会の中心メンバーの方)による5つのグループに分かれ、活動のお話を通じて私と共通する考え方を伝えていただいたうえで参加者全員によるフリートークを行うプログラムと、不登校について質問できるコーナーを設けます。

 この第2部でのフリートークや質問を通じて、立場を超えた対話や交流をしていただくことが、当イベントの第二の開催目的です。

 次回以降、第2部の登場人物をグループごとにご紹介していきます。どうぞお楽しみに。


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「第12回フリ・フリ・フェスタ」参加報告

2016年09月13日 14時50分44秒 | 外部活動
 大雨があがっている当スタジオ周辺ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 さて、一昨日神奈川県立青少年センターで、毎年9月恒例の不登校・ひきこもり等団体合同祭り「フリ・フリ・フェスタ(フリフェス)」が開催され、当スタジオも同じ藤沢市内のひきこもり支援グループ「湘南ユースファクトリー」と2年ぶりに共同参加しました(以下「SYF&HS」と表記)。

 「フリ・フリ・フリマ(フリマ)」時代から数えて12回目、参加19団体のうち第1回からすべて参加しているのは約半数。それらの団体も担当が代わったりしており、すべての回に担当者(実行委員)として参加している個人は代表の丸山(当スタジオまたは湘南ユースファクトリー)を含めて2,3人となっています。

 このような長い歴史があるため、参加団体にも新旧交代の波が来ており、今回は丸山とヒッキーネットで一緒の不登校親の会「a piacere(ア・ピアチェーレ)」と今年度当スタジオのスタッフをつとめている割田大悟氏が代表をつとめる当事者会「ひき桜」が初参加を果たし、これに2回目の参加となる「料理サークル・太陽」を含めた3団体が、SYF&HSとブースを並べ、フレッシュなエリアが出現しました。

 また今回初めて、ホワイエ(1階フリースペース)に備え付けのテレビに、各団体が提供した写真をスライドショーで公開。

 毎回持ち回りの実行委員長は、今回は丸山が就任。開会挨拶では「今回は初めてのことがふたつありますね。ひとつは参加団体が<1団体1役割>を分担していること、もうひとつは実行委員長がルックスで選ばれたこと」と話して爆笑を誘い「野球で言えば“全員野球”で1日がんばりましょう!」と呼びかけました。

 各団体はブース(模擬店)や出し物、あるいはホール演目の出演または提供(出演者の推薦)、階段に展示する絵や写真などの作品集め、などさまざまなかたちで参加。今回は「フレンドリースペース金沢」が担当する実行委員会企画の卓球大会が盛り上がったほか、ホールも昨年より観客動員数が多かったとのこと。

 SYF&HSのブースは、今回ふたつの初めての趣向で華やぎました(写真)。ひとつは絵入り写真や絵画をおふたりの当事者の方から預かって展示。もうひとつは分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」の操作体験を実施。オリヒメの操作体験では一般来場者だけでなくほかの参加団体の方にも楽しんでいただきました。

 SYF&HSの出し物として5度目の実施となったトークライブ「まるさんの ひき・ひき・ひっきー!」では、3月に暴力的支援団体を取り上げたテレビ番組に抗議する記者会見の中心になったふたりのトークゲストを中心に、記者会見にいたる顛末やひきこもり支援のあり方について語り合い「支援は当事者の依頼によるべき」「自分たちが100%正しいと信じ込んでいる支援者はダメ」など示唆に富んだ発言がありました。

 トークライブ終了後、丸山は閉会挨拶のためすぐに部屋を出ましたが、残ったトークゲストと来場者の語り合いや挨拶が前回同様なごやかに行われたようでした。

 来場者のなかから「毎月やってほしい」という声まで出た今回のフリフェス。しかしSYF&HSは人手不足がさらに浮き彫りになりました。来年はもう1団体増やして3団体合同で参加したいところです。
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