どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

私見・甲状腺有所見率調査結果

2013-03-13 03:36:07 | インポート
実は2月に福島県の子供たちの甲状腺診断したところ、3万8千人中3人に癌が発見され、7人に疑いがあると言う結果になった。このニュースを最初に聞いて、さもありなん。だがあまりにも癌の成長が早すぎる。なのでこのブログでは、このニュースをすぐに扱わない方が良いと考えた。

朝日新聞の記事はこちら

さてこの記事だが、どうも腑に落ちない。なので福島県のホームページで資料を捜したらあった。ちょっと長い資料で読みにくいが、とりあえず変な点を発見した。

朝日新聞では3万8千人を検査したと書いているが、これは平成23年度の検査人数のようだ。平成24年度は9万4千人が検査している。実はこの時点でこのニュースがかなり疑わしいものになる。更に変なのは平成24年度では受診者が11万人いるのに超音波検査した人が減っているのだ。超音波検査を拒否した人がいると考えていいと思う。

ただこの資料だが、3万8千人中3人が手術したとは書いていない。24年度の検査でC判定が一名でたとしか書いていない。多分なのだが23年度に検査した人の中から精密検査で発見されたか、24年度に嚢袍の大きさが25.1ミリ以上(3人いる)で、結節が25.1ミリ以上(21人いる)の人が精密検査を受けてガンと診断され、7人が疑わしいとなったのだろう。そして母数を間違った。朝日が間違ったのか福島県が間違ったのかは解らないが、福島県の資料を見ると、説明が足りないように思える。

とりあえず理系職員を増やせ、福島県。福島県の資料はイマイチだ。


ところが、環境省が福島県以外の3カ所で、大規模な甲状腺検査をしていた。その結果は、なんと福島のデーターと大差ないと言う結果になった。
このニュースはやはりいろいろ騒動を起こしている。NHKはなぜ政府の欺瞞を簡単に報道するのかとか、まあいろいろ出た。ツイッターのタイムラインでこのデーターを巡る、罵り合とか見た。だがまずは、環境省のプレスリリースを見た方が良い。

福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果(速報)について(お知らせ)

ここで注意点がある。検査した場所だ。これがよく出来ている。青森県弘前市は東北でも福島から遠く、比較的被害は少ない。そしてチェルノブイリ事故の時もそんなに降っていない。山梨県甲府市は、福島・チェルノブイリ・50年から60年の空中核実験の影響も少ないと見られるが、環境放射線量の多い所。長崎県長崎市は言わずとしれたプルトニウム型の原発が落ちた所。チェルノブイリ・50年から60年の空中核実験の影響はない訳ではないが、福島からは遠い所だ。つまり何らかの影響がありそうな都市を選んでいると言う事になる。あと原発からの距離も検討したのではないのだろうか。ただ対象者が少ないような気もする。もう少し増やした方が良いのではないのかと思う。


こういった調査は確かに政治的でもある。ただ科学的に福島県の調査がどうなのかと言えば、比較対象のない調査は実は無効なのだ。福島のデーターだけでは判断しがたい所がある。なので参考になる。

その上で考えたいのは、国立ガンセンターのデーターだ。中部大学の武田教授のブログから孫引きするが、10万人に0.6%と書いてある。多分これは子供の数字だろう。
この数字なのだが、もしかすると多分なのだが、症状が出て検査して見つかった人数からの割合なのではないのだろうか。甲状腺ガンはゆっくり成長すると言われている。子供の時には発症しなくとも大人になって発症するとかあるのではないのだろうか。それでは100万人に1~2人と言う数字も出回っているが、これは何なのだろうか。出典が解らない。WHOだろうか。


さて長崎大学の教授だが、検査機械が進歩して発見しやすくなった、といって顰蹙を買っている。これは私の直感なのだが、日本では甲状腺ガンの検査は触診が中心で、超音波診断はその上で行っているのではないのか。実は福島県の24年度の調査で、検診したが検査しなかった1万5千人は触診で異常がまったく感じられなかった人なのではないのだろうか。

面白い記事があった。中央日報の記事だ。韓国の記事だ。

韓国女性は甲状腺がん日本の14倍、その理由が…

韓国では超音波検査が普及して、早期発見が可能になったと言う美談ではない。詳しくは記事を読んで欲しい。


この記事からは、超音波検査をすれば日本の女性の14倍の検出率になると言う事だ。だが甲状腺ガンは成長が遅く、リンパ節から移転するのも少なく、割と穏健なガンとされている。つまり発症しなければ良いと言う考えもある。あと薬剤療法や放射線療法もある。
逆に発見されて甲状腺の摘出手術をして、一生甲状腺ホルモン投与を続けるのか、という疑問もある。とりあえず医者は儲かる訳だ。


ただこういった事に関して、私のような素人が言う事はない。先の環境省の資料は速報値であり、年代別とかの検討は、まだされていない。強いて言えば福島県のデーターは微増かもしれない。ただあっという間にガンが出来たとは言いにくいものがある。
それでも福島県で子供の甲状腺ガンが増える可能性が、低くなった訳ではない。これは確かなのだが、もう少し厄介な話しもある。海産物をとる国民は甲状腺ガンの発症が多いと言う事だ。甲状腺にとってヨウ素は必要だが、海産物経由で過剰摂取になった場合、多くなると言う事のようだ。

こうなると、私には判断出来ない。


追記:東京都の4000人対象の調査もあったが、これも福島とは大差がない。
しかしだ、朝日新聞だがソースをきちんと書かないで記事を書くと言う事は、日本語としては良いのだろうが、新聞記事としては間違っていると思う。ほとんど誤報だろう。