どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

無題

2014-01-24 02:33:32 | インポート
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以前貧困は脳活動を低下させると言う記事を紹介した。これは確かだろう。今私がそうなっている。だがありがたい事に、今の私は気分がいい。理由は写真を撮る時にめんどくさい事を全然考えられなくなっているからだ。なんというか、カメラを初めて持った時の気分に近い。これをやぶれかぶれとも言う。
それでいながら今までの経験は身体に染み付いているので、大体の所は自動で動く。真面目に今までこんな事で悩んで撮影していたんだと、少し驚いている。それはとても大切な事なのだが、カメラマンには好奇心を解き放たないと難しい物があるのだと、よくわかった。



さてCNNの記事から。上位85人の資産、下層50%の合計額と同等 NGO調査


昨年の世界の家計資産の合計は前年比5%増の241兆ドル(約2京5200兆円)に達したが、このうち半分近くに相当する110兆ドルは、上位1%が独占していた。また最上層の85人が握る資産は、下層50%の人々の資産の合計額に相当するという。




ダボス会議での発表と言うのも、何かイヤミですが現状はこう。とりあえず世界に新たな王が現れつつあると言う話しだ。もちろんこのデーターは最貧国まで含めたデーターだろうが、先進国でも傾向は変わらないだろう。
ただ困った事に、この王には国民がいないと言う事だ。何人かには国民がいるかもしれないが、大半は社員だろうが、多分お金しか統治していない。


間接統治による支配と言う厄介なパターンだろう。国をまたがった存在になっており、国家の権限がおよばない場合がある。例えばアップルやアマゾンの租税回避は有名だ。



それではその利益が社会に還元されてゆくのかと言えば、直接統治ではないので王の性格による。
問題なのは、その王の気まぐれで中長期から短期間で社会にインパクトを与える。30年以上アメリカの製造業を放置した彼らが、政治的理由もあるのだろうが、アメリカ回帰を言い出しているのは、従来の王とは違う振る舞いだ。



それでは貧富はなぜ広がったのかと言えば、間違いなくイノベーションです。産業革命から始まる世界です。とはいえ暴力的収奪システムもまだいっぱいあります。



エコノミストに面白い記事がありました。「技術と雇用:将来の雇用状況に備えよ」です


ここでかかれているのは、産業革命時の雇用問題と今のイノベーションの状況は似ている、と言う指摘です。その後の発言が重要です。





それよりも、大胆な税控除の拡大を通じて公的資金で安い賃金を補い、就業者全員がそれなりの収入を得られるようにする方がいい。米国や英国などでは、そうした手法が用いられている。

イノベーションは、人類に大きな恩恵をもたらしてきた。正気の人間なら、機織り職人の時代に戻りたいとは思わないだろう。だが、技術的進歩の恩恵は、平等に分配されるわけではない。特に、新しい波の初期段階では、その格差は大きくなる。







特にこの結びは、事実だと思います。





ギガジンに「給付金の支給は貧困に苦しむ人にいい影響を与えられるのか?」。無料サイトなので、引用は最低限にしますが、あるインディアン部族がカジノ経営を初めて、その利益の一部を全員に分配することにしたそうで、それを調査した結果貧困層の教育問題を大きく改善させたと言う物です。
アメリカでは少数民族保護のため、その自治が認められておりカジノ経営と言うのはよくある話しです。


この場合はある部族だけで成功した例なのかもしれませんが、考えさせる事例です。


さて日本では消費税が増税されますが、その際今多くある議論は軽率減税の話しです。特になぜか公民党が言っています。食品などの消費税軽率減税は一般に解りやすい側面もありますが、実際は運用が複雑になりがちで問題点が多いと指摘されています。そしてそれぞれの業界のロビーイングから癒着が生まれやすいとも言われています。


それでは特別給付金や低所得者への消費税還付が単純で理想的と言われていますが、なぜか嫌われているようです。これは民主党が言いはじめたのが理由の一つです。民主党のやった事はすべて悪いと変わってしまったからです。また制度設計が微妙に難しい所があります。線引きをどこにするのかで話しが変わります。年収100万では全額還付、200万は50%、300万以上は還付無しとかです。


個人的にこういった線引きが間違っていると思います。所得税では年収によって線引きがされていますが、その線の前後はグレーゾーンがわずかに存在します。例えばパートで働いている主婦は、パート収入を103万円以下にするように働きます。それ以上だと5%の所得税がかかるからです。グレーゾーンを無くするためには計算式に置き換えてなだらかに税率が増えてゆく方が有効だと思うのですが、計算式そのものの設計を嫌がっているのか、計算式が瞬間に頭が真っ白になる人もいるのか、実現した話しは聞いた事がありません。
あと他の社会保障制度との整合性もあるのでしょう。完璧な平等を求めるとどこかで不具合が起きると言う事でしょうか。



消費税還付はそう言った意味で難しいのですが、大雑把に概算した給付金でも大体の所は当たっているはずです。でもなぜかこの議論は起きません。なぜでしょうか。


ここで考えたいのが、生活保護です。生活保護はとても大切な制度ですがなぜか嫌われています。

嫌われる理由としては、日本人の「人様に迷惑をかけたくない」という心情があります。これを反転させると「生活保護を受けている人は、人の税金を使って迷惑をかけている」となります。
あと不正受給の問題もあります。これは全体の1%なのですがよく全体の問題にされます。どこだか忘れましたが、地域住民から不正受給の疑いを掛けられた生活保護者三人が、不正受給が無かったと言う事がありました。ここにはステレオタイプの偏見があったようです。


その上で「人様に迷惑をかけたくない」を「国に迷惑をかけたくない」と書き換えると、もっと厄介な物が見えてきます。これは書かない方が良いか。国の制度なのに?



「働かざるものくうべからず」という言葉もあります。問題なのは働けば食える時代があったのに、今ではワーキングプアの時代です。働いても食えない人も増えています。


多分なのですが、この辺りの社会保障制度の理解は、多分戦前のままなのでしょうか。


特定給付金にしても、バラマキだとすぐ批判されます。子供手当が代表です。制度設計に問題はありましたが廃止された農業保証制度も、バラマキだと批判されました。ただ制度設計批判がイマイチなのは、なぜなのでしょうか。


多分「国に迷惑をかけたくない」からでしょうか。