秋雨の中、選挙も最終日です。今回は市長選がマトもにある。太田市長が確か4期、その後助役だった桑島市長が2期務めていたのを打ち破って当選した。まあ桑島氏が尊大だったということと助役時代から数えるとある意味長期政権過ぎたわけで市民の飽きもあった。次の選挙の時は芦名氏という対立候補が出た。悪い人ではないし実力もそれなりと言われていたが人望がなかった。なので楽勝。次は無投票。そして今回は衆議院議員の階氏の同級生というウワサの内舘氏です。実際階氏が張り付いていますし、かなり強力なライバルとなったわけです。とはいっても投票率の低下が想定されています。現職有利なのは間違いがありません。
それでは市議会なのですが議員定数が削減されて、それに伴い立候補者が減りました。それでも4人の落選者が出ます。で、初めの3日目まではそれなりに街宣車の声が聞こえてきたのですが木曜以降なぜか少なくなってしまいました。どうも票の取れそうなエリアにとじこもったみたいです。ウチの近所にはなんと二つも選挙事務所があるのですが、一人は組織票を持っているので少しのんびりした空気でしたが、もう一人は4期16年で70歳です。相当切迫感があるのでしょう。隣のエリアが地盤のはずなのにこちらの端っこに事務所を構えただけでなく、この3日間2時間かけて隅々まで回っていました。そういった状況から、かなり厳しい選挙なのかと思っています。
それでは選挙のメッカ、材木町のよ市に行きます。何しろ土曜の人混みといえばここです。市長選候補なら確実にきます。特に谷藤候補は地盤なので絶対にきます。
3時半到着。もうひと組終わったようです。市議会議員候補のようです。
え~知り合いの会社に勤めていた方ですね。その会社の社長は筋金入りの創価学会嫌いだったんで、どうしたんでしょうね。
なかなか世間の狭さが、盛岡的です。車から飛び降りて握手しまくっていました。
市長候補の内舘氏です。階猛氏と同級生ねえ。コーヒー屋の機屋のマスターと同期か。丙午か。ウーン。同じ歳の候補って応援しにくいんですよね。
選挙公報を見ると現職よりはっきりとした具体的な選挙公約、できるんだったらやってほしいことばかり書いて、しかも綺麗にまとめてある。そうしてこうやって実際に見ると、民主党というか階猛氏のやり方というか、国政選挙の手法ですね。「投票に行こう」というプラカードの手法も中立的なのを装うには有効ですし、現職に比べて投票率が下がりそうな状況では浮動票の掘り起こしが重要です。でもなんかこの前の国会のプラカード攻撃を思い出しますね。
誰も読まない選挙公約ですが、そのトップに市政透明度の改善というのがあります。盛岡市の最大の問題です。仙台に大幅に水を開けられるのはともかくとして、秋田・山形市に80ポイント以上開けられ、あの面倒くさがり屋の青森市より下。日経グローカル誌の調査のようですが。読まなくてもわかるのは透明性と市民参加率の低さは相当問題です。
とはいっても、太田・桑島行政がその点では最低だったので、そこから這い上がれないなのかはあるでしょう。
ほお、衆議院議員前原誠司氏の秘書だったんですか。どうりで国政っぽい語り口ですね。現在ある小学校の4割が空き教室だ。それでいて閉校に追い込まれたり複式学級化しなければいけない学校がある。それでいて西南地域では新しい学校を建てなければいけない現状がある。それは長期的ビジョンがないからだ、ということを話しております。将来像や全体像を見渡した進行管理の手法で行政の無駄を省こうと、広報では書いています。
さすが民主党、イギリスのことを言っていますね。確かにイギリスでは現在の全体像と、曖昧ではない将来像から都市に対してどう投資してゆくのか、そしてその一部分を民営化して効率化するという手法が考え出されて実行されています。ただそのためには市民のコンセンサスを取るための膨大な時間と労力が必要です。特に投資の失敗したところで行うのは難易度が高いはずです。
ただ彼の言っていることは、小沢民主党のいっていたことをようやく噛み砕いたのかという中身だろう。なにしろ「新しい公共」は鳩山元首相もよくわかっていなかったレベルだからだ。
だからこれは国政レベルだって。
本命谷藤市長登場です。曖昧な選挙公約なのですがポイントはしっかり押さえています。さすが現職です。材木町が地盤なので絶対くるのです。
人と、内舘候補が通り過ぎたら現れるから、そう話していたらやっぱり現れました。そういった選挙活動の機微というのはなかなかに面白いものです。そういったキメの細やかさが日本でしょうか。
前段で書きすぎたので、これ以上は何にも言えない。
彼が材木町が地盤だったとは、考えたことがなかった。だが5期目で前盛岡市議会議長なわけで、彼が谷藤市長のすぐ後を歩くというのは意味がありますね。議会と市政の蜜月でしょうか。
とはいえぼやいています。「市長を追い越すわけにはいかんからなぁ~」。もう少しさっさと通りすぎる予定だったようです。
できるだけ選挙に、金を使わないことでは徹底している候補です。選挙カーもリッターカーで、付き添いも最低限です。傘をさす人もいない。
かなりぶっ飛んだ候補で、市民の意見を聞きます。その上でかなり過激な公約をするのですが、事例研究した上でのものなので、わりかし実現率が高いという優秀な方です。今回の盛岡市フードバンク構想というのを打ち出しています。余ったお中元とかを寄付してもらって、それを困窮者支援に使うという方法です。そういった試みは世界中で行われていますし、山梨県のNPOで成功例があるそうです。とはいってもそれは市が直接してはいけないところがあるので、少し難しいですね。盛岡に新しいNPO法人を立ち上げる必要があります。行政は平等でなければいけません。ただNPOなら公正が期待できます。
そこで「賞味期限切迫品だけを売る訳ありディスカウントと言うのが、アメリカにある。フードスタンプ制度と密着したものだが、そういったのを流通業者に提案するのという考えもある。」「あ、それ早速調べます」。
このスピードが彼女の強みだ。そして意地悪な質問をした。「あの写真って履歴詐称じゃない?」「そうなのよ。もうどうしても手加減してくれないのよ。あいつ女に幻想持ちすぎだ。女はこうでなければいけないと思いすぎているのよ。わたしゃ男みたいなもんなのに、どうしてこんなに綺麗にしてしまうのよ。そこのところ心苦しくて大変なのよ」
彼女は2回目の選挙で著名な写真館で選挙写真を撮って以来のファンです。盛岡市議会の女性候補はここしかないと行くスタジオがあります。滝沢村鵜飼のPーBOXさんですね。確かにやりすぎ感は大きいですね。とはいえ盛岡で幅広い年齢を対象にした一番腕のいい婦人科なのは間違いがありません。なおPーBOXさんをここまで愛してディスるのは、やっぱり好きなんでしょうか。
材木町には4時半までいた。後もう少し候補者が現れるかもしれないけど、だいたいこれで終わりだろう。
実はよ市は豆腐屋激戦区でもある。豆腐屋だけど揚げ物で勝負の店と、量販がメインだがここでは豆腐で勝負の店がある。その陰に隠れてまめ工房みどりの郷という社会福祉法人岩手更生会が出店している豆腐が、ダークホースだ。揚げに関しては以前からいいものを出していたが、最近豆腐の品質向上がすごい。もともと障害者福祉なので公的補助で人件費が安い。その上自家栽培の大豆で農産物の加工まで行っている。だから豆腐の豆も南部白目という品種を使っている。地産地消だな。ただ加工技術がない。だから真面目すぎる味なのだが、盛岡在来種から選抜された枝豆品種の「秘伝」をブレンドした豆腐を出してきた。ブレンド比率はわからないが、もしかすると過熟の「秘伝」を入れた可能性もないわけではない。色の白さから、昨年「秘伝」を作ったが大豆で収穫してしまったやつで作ったか、だから限定かというのはあるかもしれない。とはいえ「秘伝」100%だとは思えない。そこのところがなんとも言えない。なにしろ「秘伝」使用とだけしか書いていないから。
晩生の豆はそもそもうまい。質素な贅沢さがある豆腐だった。
最近ここの景色が気に入っている。多分最も無難で最も刺激的で、最もつまらないものだからだろう。