昨日は夜景の撮影なんかしたせいでしょうか、久しぶりの高熱です。38度はあるな。病院にゆかねばと思う。
ハスクリーの「うつくしい新世界」は幸せのために全てを犠牲にした社会が描かれる。実はそれのどこが今と違うのかがわからないほど、今なのでオドロキなのだが、オーウェルの「動物農場」もなかなかだ。旧ソ連を批判した本だ。だが執筆が完了した年に、どの出版社も取り合わなかったという。第2時世界大戦を終結させるためにはソ連の参戦が必要であり、そのソ連を刺激してはいけないとイギリス全体で自粛した結果だという。
動物農場ではブタより賢い生き物はいない。そのブタが、2番目に強く凶暴なイヌと独裁国を作ってゆくのだが、その間に他の動物たちはそんなに賢くないからプロパガンダにやられたり、建国の7つの戒律がいつの間にか徐々に書き換えられたことに気がつかない。いつのまにかかつてより厳しい生活になっても、誰もが気がつかないのだ。シニカルなロバのベンジャミンは事の成り行きを無視していたが、ブタに支配される、人間と同じ農場に戻ったことを告げる。個人的に「わしはもっと働く」「ナポレオンは正しい」をモットーに生きた馬車馬のボクサーの死は、この本における唯一の英雄なのでとても悲しい。
農場は自分たちのものという意識と、素晴らしい未来への希望だけで生きてきた動物たちは絶望する。
確かにソ連を揶揄したものだが、それ以上に、批判をしないことでこの状態を作り上げたとう、動物たちへの批判がある。
ブタはイヌから子供を取り上げ独自教育をして親衛隊を作る。そしてヒツジたちを調教して会議の妨害を行わせるようにする。分割し統治する、それは全くイギリス的だ。
だがアメリカの大統領と日本の首相が一緒にいるときに、北朝鮮がミサイル実験をしたのはなぜ?分割せよの独裁政権が、なぜ2カ国が一緒の時に実験したのだ?2カ国共同声明になってしまうじゃないか。アメリカと日本を分割できるタイミングの方が良くないか。
北朝鮮がまるでダダっ子のようにしか見えない。
薬が効けばいいな。