鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.122 (田川学校保健会)

2013-06-27 18:16:49 | 日記
本日昼、田川学校保健会 理事・評議員合同会議に出席してきましたので、報告
します。

田川学校保健会は、田川地区の児童生徒の健康の保持増進のため、行政、学校、
医療関係機関などの連携により学校保健の推進を図ることを目的にしています。
メンバーは、養護教諭、薬剤師、栄養士、医師、歯科医師などから構成され、事
務局は鶴岡市の教育委員会に置かれています。

役員は、10名程度からなりますが任期は1回です。本会会長は鶴岡地区医師会長
のあて職になっており、今年で2回目の会長を務めることになりました。

昨年度給食でのアレルギーによる死亡事故があったこともあり、近年、学校にお
けるアレルギー疾患への対応が問題となっています。文部省から「学校アレルギー
疾患に対する取り組みガイドライン」が出されていますが、当地区ではアレルギー
に対する対応が学校毎に異なっており、その標準化が課題となっているようです。

教育委員会では、先日も三井病院の三井直哉先生を講師に招いて、おもに学校長
向けのアレルギー対応に関する研修会を開催したのことです。また、アレルギー
対応に関するガイドラインを作成中とのことです。

一方で、アレルギーへの対応では、学校生活管理指導表を記載する立場にある学
校医の関与は不可欠です。私自身は、学校保健に関しては疎い立場にいますが、
今後、アレルギー専門医、小児科医、学校医、養護教諭、栄養士、行政などとの
より緊密な連携が求められていると感じました。

以下次第とメモ


1、開会
2、議長選出
3、協議
 1)会長あいさつ

 2)24年度事業報告、および収支決算
  1月31日、表彰式、研修会を開催
  24年度収支報告
   収入:会費、169000円、
   支出:運営費、事業費、負担金、予備費

 3)25年度事業計画
  4月25日 事務局会議、
  5月28日 1回幹事会
  6月27日 理事・評議員合同会議
  7月16日 2回幹事会
  9月13日 研修会・表彰式
  2月上旬 歯科医師会・養護教諭懇談会

 25年度 田川学校保健会
  9月13日 15:00~ にこふる大会議室
  テーマ「子どもといのち」
  講師:清水 將之(児童精神科医) 80歳、

 予算
  負担金は、市町村、県連合会が児童数などに応じて決まる

 質疑
  アレルギー対応について
 意見
  養護教諭だが、緊急時の対応しか考えていなかった、
  児童生徒の食事は、給食、料理授業、校外行事など多彩である
  学校が変わると対応も異なっている、
  職種、学校横断的な話し合いの場を設定してほしい
 回答
  鶴岡市教育委員会でマニュアルづくりを進めている
  国や県からのガイドラインがでるのではないか、それを待ってはどうか
 
4)学校保健功労者表彰(敬称略)



配布資料
http://www.evernote.com/shard/s44/sh/93e4bc7a-0f7e-415d-b276-36a56431d856/057190359d683a3d7b3f4216114df55a

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No.121 (一緒に学ぼう 社会保障のABC:第6回)

2013-06-27 10:42:14 | 日記
一緒に学ぼう 社会保障のABCの6回目です。少子高齢化が進むなか、高齢者,
認知症、障害をもった人たちを社会がどのような支えていくのか、国としての大
きな課題と思います。支えるためには財源が必要ですが、それをどのような仕組
みでわれわれ国民が負担するのが適切なのか、国の将来を考えるうえでも大切な
ことだと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国民皆保険・皆年金(5)社会保険と社会扶助の違い
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これまで、社会保険の特徴について見てきました。

 社会保険は、保険の手法を用いてリスクを分散するという点では、民間保険と
同じです。ですが、法律によって加入が義務付けられ、保険料も負担能力に配慮
したものとされているため、病気になりやすいとか所得が低いなど、民間保険で
は対応が難しい人たちのリスクにも備えられる仕組みであることを学びました。

 また、リスクに見合った保険料であることが前提の民間保険が“個人の公平性
に重きを置いた仕組み”(「保険原理に忠実」とか「貢献原理が強い」などとも
いわれます)であるのに対し、社会保険は“社会的な平等性や必要性に重きを置
いた仕組み”(「社会連帯の理念に基づく」とか「保険原理と扶助原理を併せ持
つ」などともいわれます)であることもわかりました。

■大きな議論に

 一方、社会保険を社会扶助と比較した場合、「権利性が強い」「負担と給付の
関係がわかりやすい」「一部の貧しい人たちだけでなく、国民全員を対象にでき
る」「自助・自立を基本とし、スティグマ(恥辱、不名誉)を伴わない」などの
長所がある反面、「未納・未加入者に保障ができない」「拠出記録の管理が難し
い」などの短所があることも学びました。

 社会保険と社会扶助とでは、これまで見てきたように、性格や機能、特徴など
が大きく異なります。だから日本では、年金、医療、介護などの各制度で、現行
の社会保険の仕組み(社会保険方式と呼ばれます)のまま行った方がよいのか、
あるいは、社会扶助の仕組み(税方式と呼ばれます)に変えた方がいいのかが、
繰り返し、大きな論争となってきたのです。

■国によって解釈が違う?

 ところで、以前、「高福祉・高負担の国」として知られるスウェーデン、ドイ
ツ、フランスを相次いで訪れた際、面白い体験をしました。

 この3か国は、いずれも、社会保障の給付と負担の水準が高いことで知られて
います。いくら高福祉とはいえ、国民はなぜ高負担を受け入れているのだろう、
それによって暴動やデモ、ストライキが起きたりしないのか、また、社会保障制
度に対する不信や不満感はないのだろうか――。そうしたことを取材しに訪れた
のですが、スウェーデンの社会保障の専門家にインタビューをしていた時、社会
保険と社会扶助の違いの話になりました。日本では、年金制度を税方式に変える
べきだという意見があり、政治的にも大きな議論になっていること、また、社会
保険と社会扶助はしっかり区別され、社会保険の方が、権利性が強いといわれて
いることなどを説明したのですが、スウェーデンの専門家に、「この国ではそう
した見方は全く理解できない」と言われてしまいました。

 スウェーデンは、年金は原則社会保険方式、医療や介護などは税方式で行われ、
社会保障財源の国際比較で見ると、保険料割合の高いドイツやフランスなどと違っ
て、税金の割合が高い国として知られています。実際、スウェーデンの所得税や、
日本の消費税にあたる付加価値税の高さには、目を見張るものがあります。スウェー
デンでは、税金を払うことが給付を受ける権利に結びつき、その権利性は強いと
考えられているため、「社会保険の方が、権利性が強い」といった考え方は奇異
なものに感じられたようです。

 一方、ドイツで社会保障の専門家と話していた時には、日本と同様、社会保険
と社会扶助をはっきり分けていて、「社会保険の良さを保つためには、税金の投
入や、国の関与をできるだけ避けなければいけない」と話していたのが印象的で
した。フランスでも、同じような考えを聞きました。

 国によって、制度の成り立ちや、制度への理解が異なるのは、とても興味深い
ことです。

■税金を投入するように

 ただ、<社会保険の国>として知られてきたドイツやフランスでも、近年、財
源に税金を投入する傾向が強まっているようです。背景には、保険料負担が限界
に近づき、企業が悲鳴を上げていることや、保険になじみにくい福祉的な給付も
制度の中に取り入れて、保障の範囲をできるだけ広げようという動きがあげられ
ます。例えばドイツでは、育児のため、自分で保険料を納められなかった人でも
年金を受け取れるようにしましたが、年金保険料を免除した分は税金で補填され
ています。もちろん、税金を投入したからといって、年金制度が社会保険である
ことに変わりはありません。ただし、昔よりは保険の色合いがやや薄まってきて
いるといえるかもしれません。

 翻って日本を見ると、そもそも税金の投入度合いの高い日本では、社会保険を
民間保険のように保険原理に忠実な制度に改革し、税金と保険料で行う給付の内
容や対象者をもっと分けてはどうかという意見が、近年よく聞かれるようになり
ました。年金を例にとると、基礎年金は税方式に改めるべきだとか、所得が低い
人への最低保障的な給付は税金で賄うようにすべきだ、といった主張です。

■どの仕組みなら適切か

 社会保険は、制度設計の考え方ややり方次第で、その「幅」はかなり広いとい
えます。例えば年金保険で、保険料を負担する額と給付の内容をできるだけ連動
させるなど、保険原理になるべく忠実な制度にしようと思えば、民間保険に近く
なります。反対に、給付の内容を保険料の負担額と切り離せば、社会連帯の理念
が強く出て、社会扶助に近くなります。

 ある制度を考える時に、社会保険でやった方がよいのか、社会扶助の方が適切
なのか、また、社会保険でやるとしても、財源は保険料だけでよいのか、税金も
組み合わせるのかなどの問題があります。少子高齢化で社会保障のニーズが高ま
る今後は、保険料や税金の負担も増えていくだけに、どういう仕組みなら、より
公平で、より多くの人に納得してもらえるかを、よく考えていかなければいけな
いと思います。

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