鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.102 (講師懇談会)

2013-06-10 15:48:06 | 日記
6月6日に、准看護学院の講師懇談会が行われました。

この会の目的は、日ごろお世話になっている講師の先生方への、学院の現状や学
生の進路状況などの報告と謝恩です。今回は、実習病院としてもお世話になって
いる荘内病院の看護師さんにたくさん参加頂き、和やかな会となりました。

昨年度の卒業生26名の進路は以下です。

就職:20名 (管内:12、県内:7、県外:1)
管内(医師会および会員診療所)への就職率は 12/26 (46%)
管外は、酒田:6名、真室川:1名、神奈川県:1名

進学:6名 (県内:5、県外:1)
篠田看護専門学校:5名
宮城県高等看護学院:1名

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No.101 (庄内皮膚科医会)

2013-06-10 15:47:44 | 日記
6月5日、酒田で庄内皮膚科医会が行われました。
鶴岡、酒田交互に年5回ほど行っている、皮膚科、形成外科の勉強会です。
今回は、私の出身大学の先輩である、山形市明石医院の伊藤義彦先生をお招きし
て「じんま疹」についての講演を拝聴しました。

じんま疹は、日常よく経験する疾患ですが、一般的には抗ヒスタミン剤で済ませ
ていることが多いのではと思います(私もそうですが・・)。伊藤先生は、日ご
ろからチャレンジャブルな治療を積極的に行っていますが、今回の講演も日常診
療にとても参考となる講演でした。紹介したいと思います。

講演のポイント
・急性じんま疹は上気道感染に伴うことが多い
・(慢性)じんま疹と食事とは関係ない(ことが多い)
・じんま疹で、検査をする必要性は少ない
・抗ヒスタミン剤が効かない場合、他剤変更より倍量投与を考慮すべき
それでもだめならH2ブロッカー、抗ロイトリエン剤、
次いで、抗ヒスタミンビン剤の変更、ステロイド、シクロスポリンを検討
・外用剤は、抗ヒスタミン剤より、ステロイドの方が効果がある
(強ミノなどの注射はしない)
・原因が分からない慢性の疾患であること、を十分説明し、
納得してもらうことが重要

以下講義メモ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
特別講演「当院におけるじんま疹の治療」
明石医院 伊藤義彦

明石医院5か月間のじんま疹患者のデータ
じんま疹患者数;394
慢性:258、65%
急性:117、29%
上気道感染に伴うじんま疹84例、急性じんま疹の71.8%

急性じんま疹の多くは感染を伴う!

かゆみを訴えて受診する患者のうちじんま疹は、4.9%(日皮会誌)
じんま疹の頻度:全人口の15%
香川大学皮膚科のデータでは総患者の10%
女性>男性 2倍
年齢:20-40歳
経済、環境、学歴などに有意差ない
患者の70%は、改善度、速効性、持続性に不満をもっている
半数は、医療機関の変更を考えている

患者の希望
症状の改善
原因を知って、二度とでないようにしてほしい

治療を困難にしている理由
原因が分からない
薬の効果に限界がある
以上を理解してもらうことが困難である

コミュニケーションが重要
じんま疹と上手に付き合えるように説明する
治療方法や薬剤について指導する

患者の質問ベスト4
原因は?
内臓に異状はないのか?
いつ治るのか?
検査はしないのか?

初診時の説明(ある皮膚科医の論文から)
発症1年未満:6割以上完治すると説明する
1年以上:4割以上完治すると・・・
5年以上:いろいろ考えながらコントロールしましょう

治療の目標
症状の出現がない
生活に支障ない程度までコントロール
薬剤を使用しなくても症状がでない

皮膚科専門医に求められているスキル(皮膚科医の使命)
アトピー
じんま疹

皮膚科特定疾患指導管理料 Ⅱ
指導を受けたと思っていない患者が多い

急性性感染性じんま疹(角田)の条件
汎発性
発熱
WBC
CRP
通常の治療に抵抗
抗生剤とステロイドの併用が有効

診療ガイドライン
抗ヒスタミン 他剤への変更、増量
補助治療(H2拮抗剤、抗ロイコトリエン、ワクシニアウィルス)
ステロイド

欧米
抗ヒスタミン 通常量
増量 4倍まで
抗ロイコトリエン

眠くならない抗ヒ剤
アレグラ、アレジオン、エバステル、ジルテック
アレロック、タリオン、アゼプチン

Tmaxなら
ザイザル、ジルテック、アレロック、タリオン、
持続性なら、エバステル

抗ヒスタミン剤を増量するとき考慮すべきこと
有害事象の低い薬を選ぶ
例)ザイザル、アレグラ

ザイザルは、増量効果のエビデンスがある
変更するより、増量を考えるべき

症状消失後どの程度内服が必要か
慢性じんましん、1-2か月
急性じんま疹:1週間

予防的投与
服用期間が長いほど、再発率が低い

眠気と効果は相関しない

薬剤変更する場合、構造式の違うものに変えた方が良いという考え方あるが、
演者に実感はない

補助的治療の効果について
抗ヒスタミンの組み合わせ 23%
抗ヒスタミンとH2拮抗剤(タガメットなど) 63% 増量と同じ効果
抗ヒスタミン+抗ロイコトリエン剤 53%
(キプレス、シングレア)

明石医院の治療選択
例1
抗ヒスタミン剤通常量
H2ブロッカー
抗ロイコトリエン
抗ヒスタミン剤の変更
ステロイド内服
シクロスポリン

例2
ザイザル通常量
ザイザル増量
H2ブロッカー
H2+抗ロイコトリエン
ステロイド
他の抗ヒスタミン剤
シクロスポリン

外用剤について
65%に処方されている
85%が効果ありと回答
75%は、満足
ステロイドの外用の方が効果ある(抗ヒスタミン外用より)
じんま疹では、外用を処方しないと回答する医師が多い

近未来の治療について
ゾレア、
シクロスポリン

参考資料(明石医院における治験)
ザイザルの効果について
5mg:4週間投与、
不変~悪化には、倍量を1回投与と2回とで比較
結果
200例、
疾患:じんま疹、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹など

増量が必要、
じんま疹:30%
アトピー性皮膚炎:13%
皮脂欠:9%
乾癬:20%
満足、ほぼ満足で85%
眠気を感じなかった:83%

Q,急性じんま疹、慢性じんま疹の診断はどうしているのか?
1か月継続していれば慢性じんま疹と診断する

Q,ステロイドの使い方、他院で、ステロイド使用されていることがある、
そのようなときは、直ぐにステロイドを休薬せず、なるべく短機関に減量する
ようにしているが、先生は?

H2ブロッカー、抗ロイコトリエンを追加処方することが多い

Q,H2ブロッカーや抗ロイコトリエンを処方する場合のレセプト病名は?
慢性胃炎、鼻炎

Q,検査をするか
上気道炎を関連している場合や自己免疫性じんま疹の場合のみで、
通常検査はしない

Q,食事の注意はしないのか?
食事に関連するじんま疹は、まれと考えているのでしない。

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No.100 (日医ニュース)

2013-06-10 15:47:04 | 日記
記念すべき100回目の配信です。

日本医師会の横倉会長が日本記者クラブで講演し、地域医療の再興に向けた日医
の考えを説明しました。

そのなかで、横倉会長は,ITを活用した地域医療連携をより推進していくことも
必要だとして,現在行われている広島県尾道市,静岡県,山形県鶴岡地区,長崎
市での取り組みを概説.その取り組みを全国に広げるとともに,医療に関わる法
令・制度,教育・研修,財源等に医師会が積極的に関与することで,地域医療全
体の質を向上させていく考えを示した、とのことです。

鶴岡地区ののITを含めた活動は、全国的にも注目されているということです。
引き続きのご支援、ご協力、さらには積極的な関わりをお願いしたいと思います。

詳細は、以下のサイトをご覧ください。

http://www.med.or.jp/nichinews/n250605a.html

なお、講演の内容は you tubeでも閲覧できます。
Net4Uに関しては、講演開始後20分頃に紹介されています。

http://www.jnpc.or.jp/

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No.99 (地域連携パス運営委員会)

2013-06-10 15:43:09 | 日記
6月4日、パス推進協議会 運営委員会(第3回)を行いました。議事録を引用し
ましたのので参照下さい。

次週火曜日(11日)は、パス協としては、初めての試みとなる症例検討会を予定
しております。連携パスに乗せることでみえてきた課題についてディスカッショ
ンできる場になればと思っております。多くの会員の出席を期待します。

また、7月9日は、パスの世界では高名な黒部市民病院の今田先生をお呼びしての
講演会を予定しております。こちらへも、多くの皆様の参加を期待したいと思い
ます。
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/info/news/news1243.html

この日は、サッカー観戦も控えておりましたので、以下の内容を40分程度で終え
ました。ある程度決められた時間のなかでのスピーディーな会議も大事ですね。

以下議事録

報告
1.脳卒中個別パス委員会(5/14)について(丸谷先生)
丸谷先生より個別パス委員会の内容が報告された。
患者用パスの修正報告が行われ、再度修正版を次回の個別パスで確認する事となった。

2.大腿骨個別パス委員会(5/14)について(茂木先生)
茂木先生より個別パス委員会の内容が報告された。
アクションプランとしてデータ集計を行う事となった。

3.糖尿病個別パス作業部会(5/14)について(長島先生)
長島先生より個別パス作業部会の内容が報告された。
栄養指導を行うことにより連携を増やして行きたい。
次回個別パスは6月17日(月)に変更となった。

4.急性心筋梗塞地域連携個別パス委員会(5/21)について(土田先生)
土田先生より個別パス委員会の内容が報告された。
運用方法について確認が行われた。
個人的には患者説明用パンフレットは脳パスの物を流用したい。

HbA1cの基準値についてはどうする予定ですか?(長島先生)
→熊本宣言を受けて7%未満を目標値としたい(土田先生)
→糖尿病パスの紹介基準も熊本宣言に合わせる予定です(長島先生)

5.酒田地区脳卒中パス調整会議(5/13)について(事務局)
事務局より調整会議の内容が報告された。
次回は、7月23日(火)に開催される予定で、荘内病院にも参加いただこうかという案も出ていた。

6.ファイザー製薬の後援について(事務局)
協議会の年間スケジュールの中で検討いただき、10月8日の全体会(症例検討会)に後援いただくこととなり、
詳細は、今後つめていく形となり、決まり次第報告していく。

7.第1回学術講演会について(事務局)
日時 7月9日(火) 19:00~ 荘内病院講堂
演題 「パス医療原則の再確認と連携パスへの応用」
講師 黒部市民病院 関節スポーツ外科 部長(臨床スポーツ医学センター所長)
医療情報部 主任部長 今田 光一先生
講演会終了後、懇親会を開催する事となった。

8.パスシステム改修について(ストローハット)
5月30日(木)のリリース内容について報告された。

9.病診パス運用状況について(ストローハット)
ストローハットより病診パス運用状況について報告された。
10.その他
・5大がんパス研修会について
6月25日(火) → 7月17日(水) 19:00~ 医師会館講堂に変更となった。

協議
1.各疾患定例報告データの様式について(ストローハット)
毎月報告するのではなく、3~4ヶ月スパンでまとめた報告形式とする事になった為、新たな様式案が提案された。

・脳卒中病診パス
現在のフォーマットでは非参加医療機関も一覧に乗っているが、
非参加医療機関が増えた為、すべてを記載するとページが多くなってしまうので、
非参加医療機関はまとめて数字を出したい。
また、裏面の各月毎の集計についても、
集計タイミングと記述タイミングの違いから、
正確な情報を集計できないので今後裏面の報告は省略することを提案した。
→今後報告が毎月でなくなり、ある程度間隔をあける事により、集計タイミングと記載タイミングのズレが
少なくなるのであれば、累計のグラフについては残してほしい。(佐藤和彦先生)

・大腿骨・脳卒中病病・糖尿病パス
各月の情報をまとめて1枚で出力できるようにした。
→大腿骨パスの5月の情報が違うのではないか?(茂木先生) → 再確認する。
→糖尿病パスの病名部分は分けなくてもいいのではないか?(長島先生)
→今後はこの様式を使って各病院とやりとりを行う。
入力方法について医師会・各病院・ストローハットで協議していく(事務局)

9月の全体会から、新たな様式で行う方向性となった。

2.脳卒中パス集計表第2号のPDFデータ提供について(事務局)
鶴岡市健康課よりPDFデータ提供依頼があり、協議した結果、了承をされた。

3.脳卒中パス再発時の中止の取り扱いについて(事務局)
維持期の医療機関から、2回目再発時、前のパスが中止になっていないことがあるとの報告を受けた。
→運用要項上、再発の場合は最初のパスを中止することにしてある。
急性期病院にてそのあたりを再度徹底することとした。

その他
1.全体会(症例検討会)の確認 6月11日(火) 19:00~ 荘内病院
脳パス 1症例
大腿骨 1症例
→ 今回の症例の説明が丸谷先生よりあり、症例を選定するのに少し苦慮している部分があるという話題が挙げられた。
→ 症例選定にも自分たちが関わった方がいいのではないかと考える。(佐藤和彦先生)
→ 担当のリハスタッフと調整していただく。
進行は佐藤和彦先生が担当する。

今後の予定
1.各個別パス委員会(大腿骨、脳卒中、急性心筋梗塞)
6月11日(火) 全体会終了後
2.糖尿病個別パス委員会
6月17日(月) 19:00~ 医師会館会議室

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No.98 (医師会勉強会)

2013-06-10 15:42:40 | 日記
昨晩は、医師会勉強会でした。

今回は、新潟大学院医歯学総合研究科 循環器内科学 教授の南野 徹 先生を
お招きして、「老化・再生から見た生活習慣病」という講義を拝聴しました。

南野先生の略歴や新潟大学循環器内科学の研究内容については以下のホームペー
ジをご覧ください。

http://www.med.niigata-u.ac.jp/car/outline_staff.html

講義は、目から鱗の大変興味深いものでした。

以下、講義の概要(HPも参考にしました)

加齢に伴って、糖尿病、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病の罹患率が増加し、
その結果として、虚血性心疾患や脳卒中の発症しやすくなることは、周知のこと

加齢に伴って様々な組織に慢性的な炎症が惹起されることが、これらの生活習慣
病の発症・進展の原因の一つとなっていると示唆されている

したがって、生活習慣病は、老化(加齢による臓器障害)そのものともいえる。

細胞老化のメカニズムとしてのテロメア仮説
テロメア:染色体末端にあり、それを保護している
テロメアは細胞分裂によって短縮し、細胞老化を誘導する
老化はテロメア短縮でもある
(テロメアが短いほど短命、逆に長いと長生きする)
テロメアを付加する酵素がテロメレースである

血管老化
動脈硬化巣には、老化した血管細胞が認められる。
血管細胞の老化が、動脈硬化の要因のひとつと考えられる。
テロメレースの誘導で細胞老化を抑制し血管の慢性炎症を改善できること、
テロメア機能不全の導入で、ただちに血管細胞が老化し、慢性炎症が更新し、
機能不全がもたらされることを報告した

糖尿病と老化
糖尿病でもテロメアの短縮が報告されている。
テロメレースノックアウトマウス(テロメア短縮したマウス)での実験で、脂
肪の老化により慢性炎症が亢進し、悪玉サイトカインの産生の増加が糖尿病発
症に至っていることが分かった。一方、脂肪の老化を阻害することで、慢性炎
症は抑制され、インスリン抵抗性も改善した。

インスリン/IGF-1(インスリン様増殖因子)は、細胞老化を促進する
血糖を下げるだけでは大血管障害(心筋梗塞など)を予防できない
一方、インスリン分泌抑制剤は、大血管障害を予防できる
血中のインスリンを低下させることが重要
インスリンを使わない治療が望ましい

カロリー制限
カロリー制限は、インスリンレベルを低下させ、
寿命を延長し、老化に伴う疾患の発症を抑制する
カロリー制限は、Sirtuins 酵素を活性化する。
Sirtuins 酵素は、寿命延長に関与することが知られている

循環器領域の先進医療

骨髄単核細胞移植による血管再生治療
抹消動脈疾患による壊死病変に対して治癒が期待できる

急性心筋梗塞に対するエリスロポエチン治療

LVAS 補助人工心臓
TAVI 経カテーテル大動脈弁植え込み術

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No.97 (一緒に学ぼう 社会保障のABC:第3回)

2013-06-10 15:42:15 | 日記
社会保障のABC、3回目です。

今回は「社会保険」と「民間保険」の違いについて、分かりやすく解説していま
す。「社会保険」の理念は、みんなで助け合う(社会連帯)、ということにある
のですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国民皆保険・皆年金(2)そもそも「社会保険」とは
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回、<国民皆保険・皆年金の仕組みは、とても寛大で理想的に見える反面、
保険料を払えない人まで制度に加入させて給付を保障するなど、そもそも無理が
ある仕組みともいえます。なぜそのような仕組みにしたのか。歴史を振り返って
その疑問を解く前に、皆保険・皆年金を理解する際のカギともいえる「社会保険」
の仕組みについてもう少し詳しく見てみましょう>と書きました。そこで今回は、
「社会保険」とは何かについて、一緒に学んでいきたいと思います。

前回も少し触れましたが、社会保険とは、老齢、障害、疾病、失業、死亡など
生きていく上での様々なリスク(保険事故)に備えて、あらかじめみんなで保険
料を出し合い、実際にリスクに遭遇した時に、必要なお金やサービスを支給する
仕組みをいいます。保険の手法を用いて、保険料を財源として給付を行う仕組み
といえます。

■民間保険との違い

保険というと、民間の生命保険や自動車保険を真っ先に思い浮かべる方が多い
かもしれません。民間保険も、一定の保険事故に備えて、多くの人が保険集団を
作り、リスクを分散しようとする保険の手法を用いている点では同じです。です
が、社会保険とは大きく異なる点があります。

民間保険は加入も脱退も自由(任意)ですが、社会保険は、法律によって加入
が義務付けられ、勝手に脱退することはできません。民間保険では、保険を運営
するのは民間の保険会社となりますが、社会保険では、国や公的な団体が運営者
となります。

支払う保険料も、民間保険では、各自が抱えるリスクの程度に見合った保険料
(リスク見合いの保険料)が設定されるため、例えば、病気にかかりやすい人は
高額な保険料となり、健康な人は低額な保険料となります。そうすると、病気に
なりがちな人は保険料が高すぎて、保険に加入できないケースも出てきます。保
険事故への備えが必要な人ほど、保険に入りにくくなってしまうというわけです。

■みんなで助け合う

一方、強制加入・(保険料の)強制徴収という仕組みである社会保険は、「リ
スクの分散」のほかに、「社会連帯」という理念にも基づいているため、民間保
険でみられる保険の原理(リスク見合いの保険料)とは異なった負担の仕組みが
採用されています。保険事故に遭う確率が高い人はもちろん、全ての人の生活上
のリスクをみんなで分かち合おうという考え方です。そのため、保険料はリスク
の程度によるのではなく、基本的に、所得などの支払い能力に応じたものとなっ
ています。そうした助け合いの仕組みによって、保険事故に遭う可能性が高い人
や収入の低い人でも継続して保険に加入し続け、必要な給付を受けられるように
なっているのです。

社会保険の代表的な制度としては、年を取って働けなくなった時に年金を支給
する「年金保険」、病気になった時に医療サービスを提供する「医療保険」、介
護が必要になった時に介護サービスを提供する「介護保険」、失業時に手当を給
付する「雇用保険」などが挙げられます。

社会保険の特徴や財源などについて、次回も引き続き、見ていきたいと思いま
す。

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No.96 (総会と大宰府)

2013-06-10 15:39:23 | 日記


5月31日の鶴岡地区医師会岱8回定時総会では、24年度の各事業の決算をすべて承
認頂き、ありがとうございました。

報告頂いた担当理事の皆さん、準備などに尽力いただいた局長、次長はじめ多く
の職員の皆さん、監事の先生など関係者に感謝申し上げたいと思います。

24年度は、私が会長に就任して1年目という、私にとっては、貴重な経験となる年度でしたが、
各事業に、すべて順風満帆というわけではありませんが、概ね順調に推移してい
ると評価しているところです。

今後とも、健全かつ活発な運営を心掛けていきたいと思いますので、
さらなるご支援、ご指導のほど、よろしくお願いします。

ところで、週末、福岡~大宰府を旅行してきました。



https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/5885136208588122321

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No.95 (一緒に学ぼう 社会保障のABC:第2回)

2013-06-10 15:38:58 | 日記
一緒に学ぼう 社会保障のABC の2回目を配信します。

日本の国民皆保険制度は、世界にも類をみないすばらしい制度ですが、ほころび
が見え始めています。折角のすばらい制度がなぜ今、危機にたたされているのか、
社会保障のしくみをしっかりと理解しておく必要があると思います。


国民皆保険・皆年金(1)「当たり前」は日本だけ?

■社会保障の根幹

今年に入って、「TPP」(環太平洋経済連携協定)交渉参加を正式表明した
安倍首相が、国内の医療分野への影響を懸念する声に対し、「国民皆保険制度は
断固として守ります」と明言しました。

このコラムの1回目は、「国民皆保険」並びに「国民皆年金」について取り上
げたいと思います。なぜなら、国民皆保険・皆年金は、日本の社会保障を特徴づ
ける最たるものであり、根幹ともいえるからです。また、年金の保険料未納をは
じめ、現在、社会保障で改革が必要だと指摘されている問題の多くは、皆保険・
皆年金という仕組みによって引き起こされていると思うからです。

(1)国民皆保険・皆年金とは何なのか(2)いつ頃、どういう経緯で出来た
のか(3)現在、問題になっていることは何なのか(4)どうすればよいのか―
―といった事項について、何回かに分けて説明し、一緒に考えていきたいと思い
ます。

■国民全員をカバー

ではまず、国民皆保険・皆年金とは何なのかです。

実は、国民皆保険・皆年金の法律上の定義はありません。しかし、日本では、
サラリーマンやその家族らは健康保険組合や協会けんぽが運営する「健康保険」
(被用者保険ともいいます)に加入し、それ以外の人(無業者や自営業者など)
は市町村が運営する「国民健康保険」(地域保険ともいいます)に加入すること
とされています(なお、75歳以上の人はすべて「後期高齢者医療制度」に加入
します)。

これら公的な制度でカバーされる人たちを合わせると国民全員となることから、
「国民皆保険」と呼ばれているのです。つまり、国民皆保険とは、全ての国民が
公的な医療保険制度への加入を義務付けられ、その結果として、病気や怪我をし
た場合、「誰でも」「いつでも」「どこでも」必要で適切な医療が受けられるこ
とだといえます。

国民皆年金も同様です。日本では、サラリーマンや自営業者、専業主婦など2
0歳以上60歳未満の国民は、「国民年金」と呼ばれる公的な年金保険制度に全
員が加入することになっています。つまり、国民皆年金とは、全ての国民が公的
な年金保険制度への加入を義務付けられ、その結果として、誰もが基礎年金を受
給でき、老後の生活に必要な基礎的な収入が保障されることだといえます。

■皆保険は当たり前でない?

「そんなの当たり前じゃないか、医療や年金は生きていく上で必要なものなん
だし」と思われるかもしれません。確かに、日本に住んでいれば、国民誰もが、
保険証1枚で、どの医療機関にもかかれるのは当然のことだと思われています。
年金も、老後の所得保障として国から受け取るのは当たり前のように思われてい
ます。

しかし、海外に目を向けると、必ずしもそうではないことがわかります。(1)
国民全員を(2)公的な社会保険システムに加入させ(3)医療や年金を国民全
員に保障する――という日本の制度は、むしろ珍しいともいえるのです。

以前、アメリカに留学していた時、アメリカ人から、「日本の医療は素晴らし
い」と言われて驚いたことがありました。

「日本の医療費は世界の中でもそれほど高くないのに、日本では、国民全員が
公的保険でカバーされ、しかも『フリーアクセス』といって、全国どこの病院で
も保険証1枚で診てもらえる。平均寿命も長い。すごいね」

アメリカは、日本のような国民皆保険の国ではありません。その国の人から指
摘され、日本に住んでいると問題点ばかりが目につくけれど、日本は他国から称
賛されるような制度を築き上げてきたのだなと、気付かされました。

■皆年金も当たり前でない?

年金制度を調べに、2000年代にドイツを訪れた時には、日本が社会保障の
制度を作る際にお手本とした国・ドイツも、国民皆年金ではないということを、
改めて知りました。ドイツでは、勤め人や、ごく一部の職種の自営業者などは公
的年金制度への加入義務がありますが、大部分の自営業者や、所得が低い人、無
職の人などは加入の義務はありません。そうした人たちは、任意で公的年金制度
に加入したり、自分で民間の年金保険に加入したりするのです。

なぜドイツは国民皆年金ではないのか、あるいは、日本はなぜ皆年金の仕組み
を導入したのか――。それらを知るには、「社会保険」という仕組みを理解して
おく必要があります。

社会保険とは、「老齢、障害、疾病、失業、死亡など、生きていく上での様々
なリスクに対して、保険的な手法により、必要なお金やサービスを支給する仕組
み」をいいます。つまり、あらかじめみんなで保険料を出し合い、実際にリスク
に遭った時に、お金やサービスを給付する手法です。

こうした保険のシステムでは、保険料を拠出できない人は、そのグループ(保
険)に入ることはできません。ドイツの年金保険制度が無職者や低所得者を対象
外としているのはそのためです。社会保険の仕組みを用いて年金制度を運営して
いる国はほかにも多いのですが、日本のように、保険料を払えない人まで制度に
加入させ、全員に年金を給付している国はほとんどないのです。

■寛大? 無理?

国民みんなに医療や年金を保障する皆保険・皆年金の仕組みは、とても寛大で
理想的にも見えますが、保険料を払えない人まで制度に含めるなど、そもそも無
理がある仕組みともいえます。日本で皆保険・皆年金が実現したのは1961年
のことです。日本はなぜそのような仕組みにしたのでしょうか? また、その仕
組みを取り入れたことが、今日の社会保障への不信や、社会保障が機能不全になっ
たと言われる事態を招いているのでしょうか?

歴史を振り返ってその疑問を解く前に、皆保険・皆年金を理解する際のカギと
もいえる「社会保険」の仕組みについて、もう少し詳しく見ていきたいと思いま
す。

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No.94 (一緒に学ぼう 社会保障のABC:第1回)

2013-06-10 15:38:27 | 日記
社会保障は、国民皆保険や皆年金などを考えるとき、とても大事な制度ですが、
一方で、社会保障についてきちんと教わったことがなく、正しい知識がありませ
ん。そんな折、おもしろそうな読売新聞の連載コラムがありましたので、転載し
たいと思います。

<序章> 損得論が目立ちますが

「どうせ役に立たない」

社会保障報道に携わって10年以上。最近、「あれ?」と思うことが増えてき
た。社会保障を、民間保険と同じように見て、損得論で語る論調が目立ってきた
からだ。また、「年金破綻」「医療崩壊」などのセンセーショナルな言葉も、数
年前からよく見かけるようになった。そうした言葉を聞いた若者たちが、「社会
保障なんて、どうせ役に立たないもの」「自分たちに負担を一方的に押し付ける
嫌なもの」と思ってしまわないか、不安になる。

もちろん、現在の社会保障に関する制度には、時代に合わなくなった部分も多
く、改善・改革が必要なことは間違いない。しかし、不安や不満、不信感を募ら
せる前に、社会保障の本質をよく知り、歴史(縦軸)や海外事情(横軸)につい
ても学び、それらをよく理解した上で、批判するなら行うことが重要ではないか
と思う。なぜなら、社会保障は、批判を受けてやめたり、放っておいたりできる
ものではなく、私たちが生活していく上で、欠かせない存在であるからだ。
社会保障 学ぶ機会少ない

たまに大学などで、社会保障について話をさせて頂く機会があるが、受験科目
中心の今の教育システムでは、中学や高校、大学などで、社会保障の仕組みやそ
の財源などについて十分に学ぶ機会は少ないようだ。子供がたくさん生まれ、み
んなが正社員となり、経済が右肩上がりに成長していた時代は、それでも良かっ
たかもしれない。しかし、少子化や高齢化が進み、身分が不安定な非正規労働と
いう働き方が珍しくなくなり、経済も低成長となった今の時代は、そうはいかな
い。

年を取って働けなくなったり、病気になったり、失業したり、といった生きて
いく上での様々なリスクに対し、公的なシステムによってそうした不安をなくし、
「暮らしの安心」をもたらす社会保障の仕組みを学んでいれば、その知識が自分
の身を守る武器になる。「年金は信用できない」と、年金保険料を払っていなかっ
た若者が、若くして交通事故などで障害を負った場合、「ああ、払っておけば良
かった。そうすれば障害に対する年金を受け取れたのに」と後から悔やむことも
なくなるだろう。

生活保護、減らす?増やす? 正解は…

年金や医療といった個々の制度の知識だけでなく、「モノの考え方」を鍛える
上でも、社会保障は格好の教材となり得る。例えば、今、話題の生活保護。「怠
け者を作るから、給付はできるだけ小さく」と言う人もいれば、「憲法に保障さ
れた国民の権利なのだから、それなりの給付水準を保障せよ」と言う人もいる。

社会保障の給付の範囲についても、「アメリカのような自己責任中心の社会こ
そが望ましい。社会保障の給付を大きくすると、経済のお荷物にもなるから、給
付の対象は貧しい人に限るべきだ」と主張する人もいれば、「貧しい人に限定す
るのではなく、中・高所得層にも給付する普遍的な制度にした方が、国民に安心
感を与え、国の活力にもつながる」と主張する人もいる。

これらは、どちらが絶対的に「正しい」とか、「正しくない」といった問題で
はない。同じ先進国でも、社会保障の<姿・形>は異なり、その背景には、その
国独自の歴史や文化、風土、哲学などが反映されている。そうした考え方の違い
を知っておくことは、社会に出て、様々な人と出会い、仕事をする上でも大いに
役立つと思う。

世代間格差論の出る今こそ

経済の低成長、急速な少子高齢化などの時代背景を受け、社会保障は「給付の
分かち合い」から「痛み(負担)の分かち合い」になったとよくいわれる。世代
間格差論や損得論が出てくるゆえんだが、そういう時代だからこそ、税制も含む
社会保障の基礎知識を身につけておくことが大切なのではないだろうか。

このコラムでは、その時どきのニュースになっていることや、話題になってい
ることなども念頭に、制度が作られた経緯や、他の先進国との比較なども踏まえ
ながら、<社会保障の基礎>をお伝えできればと思っている。さらに、取材で得
た話や、その分野を語るのにふさわしい識者へのインタビューなども、随時、ご
紹介できればと考えている。

社会保障は、「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民に健やかで安心で
きる生活を保障することを目的として,公的責任で生活を支える給付を行うもの」
とされ、まさに、私たちの人生の安心の基盤といえる。制度の仕組みと現実社会
で起きている問題を重ね合わせて考えることで、社会保障をより身近で切実な問
題としてとらえるきっかけになれば嬉しいし、その仕組みの選択が、私たちの暮
らしに大きく関わっていることもお伝えできればと思っている。よろしくお願い
します。

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No.93 (定例理事会)

2013-06-10 15:36:43 | 日記
昨晩(5月27日)、定例理事会が行われました。
次第に沿って、簡単に報告します。
(正式には後程出る議事録を参照下さい)

http://200.200.200.5/medicalnet2/rizikai/201302/index.htm

まず、理事会前に、県保健福祉部障がい福祉課より、「うつ病等医療連携促進事
業」についての説明がありました。うつ病における、一般かかりつけ医と精神科
医との連携促進を主な目的とした事業のようです。

報告
1、県理事会報告
4月24日、全理事会
5月8日、常任理事会
5月22日、全理事会

医療に関する相談状況:処方箋だけをもらったのに、なぜ再診料がかかるのか、
事前に説明して欲しいとの指摘があった。このような誤解を招かないよう、院内
掲示項目に追加する等について保険部より働きかけることとした。

県うつ病、医療連携促進事業 委員の推薦の件
県医師会から、江口先生を推薦することとした
なお、今回の事業に関して、精神科医会に県からの連絡がないなど
行政と精神科医会との連携が十分でないとの指摘があった(江口先生)

2、新規開業医オリエンテーション
医師会長だより No.76 で報告済み

3、鶴岡地区医療情報NW協議会
ちょうかいネットの運用に関する協議会の総会
昨年度の事業、収支報告、本年度の事業計画、収支案が提示され承認された。

4、勤務医委員会
病院勤務医と医師会との懇談会:7月1日に開催予定
話題提供:
・高橋美香子先生:「看取り」について
・菅先生: 鶴岡ER2013、one for all all for one と題した 荘内病院
ERの現状報告

5、決算内部監査について
医師会長だより No.80で報告

6.南庄内緩和ケア推進協議会総会
医師会長だより No.84で報告

7、第1回、ほたる運営委員会
医師会長だより No.84で報告
1)地域医療再生計画
2)アクションプラン

8、県医地域保険研究委員会
南陽(企業における禁煙推進)が終了し
本年度から、鶴岡で「大腸がん検診精検受診率向上」に関する研究が始まる
(3年間)

9、休日夜間診療協議会理事会
収支差額 150万ほどの黒字

10、事業会計
各会計とも概ね順調なすべりだし

11、その他
産業医の推薦
社会福祉協議会 竹田先生
医師会ゴルフコンペ
インシデントアクシデント報告

協議
1、総務委員会
医師会長だより No.92で報告

2、用度委員会

3、介護予防事業推進組織専門家会議委員
内科(土田)、整形外科(上野or阿部)、精神科(鶴岡病院から)、理学療法士

4、認知症疾患医療連携協議会委員 推薦
土田先生に一任

5、嘱託医の推薦
鶴岡市福祉事務所 精神科医1名 小野先生一任

6、産業医の推薦
瑞穂の郷 真島先生 内諾

7、やまがたピンクリボン フェスタ 2013
主催、承認

8、地域連携パスセミナー in 鶴岡 共催依頼について
共催、承認

9、諸団体役員名簿について

10、赤川花火大会救護医師の協力依頼
内科医、眼科医、看護師 各1名 事務局一任 手当はない

11、鶴岡老人ホーム入所判定委員会委員の推薦
乙黒先生、

12、その他
総会質問状への対応について
会務報告の不備:当日資料で対応する

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