水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 お・11(11)
「晴美さんの今までで、いけない事は無いと思いますよ」
「そんな事はありません。間違いも多いです」
「間違いは人間の特性であり、いけないわけでもないようですよ」
間違いを正す事ができるのが人間の特性だろう。
間違いは修正する為のものだと大空晴美は思った。
だから風間陽水の言うことは間違っている。
「先生は間違いを容認するのですか?」
「当然です」
大空晴美はあきれた。
「それはおかしいでしょ。間違いだらけなら社会は乱れます」
「古今東西、人間社会は乱れっぱなしだと思いますが・・・」
大空晴美は言葉に詰まった。確かに平和な世界は未だ実現していない。
「まぁ、だから晴美さんが何をしても悪いわけじゃないですよ」
「では、どうして病になったのですか?」
「病になろうとしたからです」
「誰が好き好んで辛い病になるというのです!」
大空晴美は腹が立ってきた。
リウマチなんかに誰がなりたいものか。
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(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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カルテ番号 お・11(10)
「晴美さんはこう言いました。私の何がいけなかったか?」
「私にいけない事があり、そこを正さなければ治らないという事ですよね?」
患者側がする事なら、他には思いつかない。
「正さなければならない、のではなく、変えるのが回復条件の一つになるでしょう」
「同じ意味でしょ」
「それが、大きく違うし、そこを理解しないと変えることにならないのです」
答えの近くまで来ているのに、出口が見えない。
「病気になったのは、何か間違いがあったからではないのですか?」
「ないのですねぇ」
からかっているわけでもなさそうだが、陽水の言葉は簡潔すぎて解らない。
「病気は間違いではないのですか?」
「ないのですねぇ」
「では、正しいのですか?」
「正しいとか、間違いとかの対象外だと思いますよ」
大空晴美は思った。
害のあるタバコを吸い続ければ癌などになり易いと厚生省も書いているではないか。
タバコを吸うのは間違いだから病気になる。
逆に正しい食事から健康になるとも書いているではないか。
それが心理的であれ、食事であれ、環境であれ、間違いを正すのが回復には必要だと誰でもわかる。
治すには、自分の間違いを教えてもらい、そこを正すのが相互通行の治療だろう。
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カルテ番号 お・11(9)
「大前提があります」
陽水の話は跳び跳びで続けている。
丁寧ではない。前の言葉が理解できないまま、少し跳ばして次の言葉になる。
「人は自由に生きていいのだと思っています。もちろん最低限の律がありますが」
「法律ですか?」
「法律はその時の為政者や権力を握っている人が勝手に作ったものです」
大空晴美は病の話は何処に行ったのかと思った。
この人、少し変なのかもしれない。
「生命ある者としての律ですね。それは生命維持以外で相手の生きる自由を侵さないということでしょう。それ以外は自由に生きていいのですよ」
自由に勝手に生きられるわけがない。
「社会的な法律やルールやマナーがあるじゃないですか」
「ありますねぇ。メンドウだけど」
陽水はまた静かに笑った。
「人の作った法律は、適度に従わないとメンドウが起こります。だけどそれを含めて自由に生きていいのです」
大空晴美は、わけがわからなくなった話よりも、今の病からの脱却方法が欲しいのだ。
「それとこの病が関係しているというわけですか?」
「私の話は晴美さんの病についての独善解釈だと言ったはずです」
実に、不親切な話し方だ。さっぱり要領がつかめない。
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カルテ番号 お・11(8)
「その一つに、病気を勝手に治してはいけない、という言葉があります」
病気を治してはダメ?どういう意味?
「最初は私も解りませんでした。苦しんでいる病気は治して当然だと思っていたから」
大空晴美は続く言葉を待った。
「10年も経って、やっと意味が理解できてきました」
何かが、そこまで来ている。
「大切なのは、病気治しではない。それまでも同じ言葉を何回も聞いていたのですがね」
陽水は両手を軽く大空晴美の両膝に触ったまま、ゆっくり話を続けた。
「その人の生き方、選んだ道は尊重する。そんな当たり前の話でした」
大切な何かは感じるが、大空晴美の理性は納得していない。
「間違いがあれば正す、困っていれば手を貸すのが人と人の関わりじゃないのですか?」
「その人が望むならね」
苦しんでいる、困っているなら助けて欲しいと誰でも望んでいるはず。
何も言わなくても手を貸すのが正しいあり方だと晴美は思っている。
陽水は大空晴美の思っている事に沿って言葉を繋いだ。
心の中、頭の中を覗いたわけではない。こういうタイプは同じ思考をするからだ。
「私はね、正しい道なんて無いと思っています。いや、あるかもしれないが、自分では判断できない大きさや深さだと思っています」
そして、笑って言った。
「苦しみや病が間違いだなんて私には解らないし、勝手に干渉するほど傲慢に生きられない」
その最後のところが大空晴美には理解できない。病は無くすモノじゃないの?
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カルテ番号 お・11(7)
大空晴美は陽水の言葉の中に光を見たような気がした。
今まで解けなかった自分の世界の何か。
今までの思い込みがあり、それが病に関係していそうな事。
何か、何かが違う。それが何だかわからない。
苦しむ自由。病になる自由。どういう意味だろう。
「私の何がいけなかったのですか?」
陽水は困ったように微笑んだ。
「それ」
それ、じゃあ解らないよね。
そもそも陽水は不親切だ。
余計な話はする時もあるが、必要な言葉は出し惜しみする。
相手が混乱するのが愉しいわけではないだろうが、手を差し伸べない。
「私には御師匠様がいました」
陽水は全く関係ない話をし始めた。
「出会って一年少しで亡くなってしまいましたが・・・」
大空晴美は何かヒントを出してくれているのだと思って黙って聞いていた。
「僅か一年でしたが、多くの言葉をいただきました」
何だろう。とても大切な話のような気がする。
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カルテ番号 お・11(6)
陽水はゆっくり話し始めた。
「リウマチは、ご存知でしょうが正常な細胞が正常な細胞をいじめる病です」
「免疫異常の病気だとか膠原病の一種とか、あまりよくわかっていない病気ですね」
「病気は浅い病気と深い、あるいは複雑な病気があります」
陽水は言葉を相手に合わせて、ゆっくり話す。
「浅い病は薬、あるいは他の一方的な治療で治ります」
リウマチは間違いなく深い病なのだろう、と晴美は思った。
「深い病は一方通行では治り難い、逆な言い方なら、相互通行で治す病です」
相互通行?晴美は、そんな治療言葉は初めて聞いた。
「相互通行というのは、患者側も何かしなければならない、ということですね」
「う~ん・・・。治すには必要ですが、しなければならないなんて無いでしょうね」
「どういう意味ですか?」
「病になる自由とか、選択もあるということです。人生には」
晴美はあきれた。この世に病気になりたい人なんているものか。
「誰も苦しみや痛みなどなりたくないです」
晴美は少し強い口調で陽水に言った。
「そうでしょうね。でも苦しむ自由もあるのです」
何を言おうとしているのか、意味がわからない。
「治りたいのなら、そこを理解して下さいね」
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カルテ番号 お・11(5)
そんな事情は知らない陽水は指定の日に大空邸を訪れた。
氣功師という怪しげなイメージをしていた両親は、陽水があまりに普通なので拍子抜けしたようだ。
怪しげならインチキと思う。普通なら、やはりインチキと思う。
実際を見ても、人は最初の固定概念に沿って帳尻を合わすようだ。
だが陽水はそれでいいと思っている。実際にインチキは多いのだ。
回復への変化をするか、どうかが重要なことだ。
大空晴美は両親と逆で、最初から期待していた。
過度の期待は壁をつくるが、適度の期待は回復を早める。
下肢に触れられた時、微弱な電流が流れた。そして、やたらと温かい。
温かいというよりも、熱いに近い。身体全体の体温が上がったようだ。
話したい事、訊きたい事が沢山あった。
何でも話しながらでかまわない、ということなのでこれまでの経過を話した。
「そうですか・・・」
陽水は言葉少ない相づちをうつだけだった。
何も言われないのに、晴美は自分の考え方が土台から揺らぐ気がした。
「先生のお考えはどうでしょう?」
「何についてですか?」
「どうしてこういう病になったのか、教えて下さい」
「確証はないですが・・・私の独善解釈なら言えます」
「それでかまいません」
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カルテ番号 お・11(4)
いくつもの病院や治療院を巡った。
対応のほとんどは同じようなものだった。
なかには治るというので続けたが、変化もその後も期待できなかった。
何よりも、ある程度通うと治療者のタイプが判るようになった。
そして他の病ならともかく、リウマチが治るのはマレだということを知った。
だから氣功治療といっても体験するまで信用できない。
だが、動けない人、病の重い人には気軽に出張してくれるという。
その点だけはありがたかった。今の大空晴美には出かけるのはとても困難だったのだ。
大空晴美の家まで、車で2時間くらいだった。
晴美は両親に治療師が来ることを伝えた。
案の定、氣功などというインチキくさいのは止めた方がいいと言われた。
その瞬間、何故か晴美はどうしても診てもらいたいという気持ちが沸き起こった。
普段理性的な晴美が、どうしても来てほしいと強く主張した事に両親は驚いた。
両親もいろいろ調べて治る期待が少ない事を知っていた。
科学的でない治療に賛成ではないが、この際、好きにさせておこうと思ったようだ。
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カルテ番号 お・11(3)
進行はランダムではあったが、確実に一方通行で悪化した。
足首、膝、股関節の左右六ヶ所が痛み出してからは早かった。
杖をつくようになり、それもかなりゆっくりでないと移動できなかった。
家の中では、お尻でいざることがほとんどになった。
トイレは自力でするが、お風呂は手伝ってもらわないと無理になった。
何故、自分がこの病になったのだろう。
大空晴美はいつもその事ばかり考えるようになった。
毎日の痛みは病と病になった原因を忘れる事はできなかった。
誠実に生きてきたのに。食事も休養も気を配っていたのに。
どうして・・・
他人の恨みなど考えられない。他人には自分を犠牲にしても良くしたと思う。
試練というなら、その先に何が開かれるというのか。
もっと悪行をして、他人の悪口を言って、恨みや嫉妬をしている人達が大勢いる。
その人達が元気でいるのに、何故、どうして、私だけが・・・
親にも友人にも愚痴は出さず、出来るだけ笑顔で明るく接しているが、一人になると沈み込む日々が多くなった。
そんな時、人づてで群馬県にある氣功の治療院の事を聞いた。
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カルテ番号 お・11(2)
社会で暮らすのは、他人に迷惑をかけないだけではない。
積極的に世の中の為になる事をする。
自分の怒り、悲しみ、悔しさ、不機嫌などのマイナス感情を表に出さない。
それらは他人が不愉快になるだけだから。
そして、何を言われても、何をする時でも笑顔で人に接する。
笑顔なら相手も嫌な感情にならないでしょう。
大空晴美はいつもそうして暮らしてきた。
好きになった異性もいたが、自分から迫ったりしない。
相手が迷惑かもしれないから。
言い寄られたこともあったが、結婚というゴールが見えない交際はしなかった。
誠実な交際なら、その先に結婚があるのは当然だと思っていた。
処女ではなかったが、結婚に結びつかなかったセックスは自分の失敗だと思った。
そして、ある日、手の第二関節の痛みから始まった。
痛くても、辛い顔は見せない。
人前では明るく元気に振る舞う。
通院しながら、リウマチに効くという事はいろいろ試した。
給料の大部分が高い健康食品代に消えた。
更に高価な健康器具も幾つも購入した。
一時的な変化はあったが、回復するとはいえない程度だった。
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