水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・317」

2014-08-31 19:33:42 | Weblog



カルテ番号 に・6(23)

「先生も悩みや痛みがあるんですねぇ」
院長が笑った。
「当たり前でしょ。悩み、苦しみ、痛みの無い人なんていませんよ。
どんなに悟ったような事を言っても、所詮不出来な人間ですから。
それぞれの悩む対象が違うだけです。
ある人にとっては何でもないことが、別な人にはとても難しい。
何を考え、何をしても自由ですが、他人に押し付けたりすると弊害となります。
自分では正しいと信じていても、押し付ける行為自体が問題を起こします」

西本功は肩の荷が下りたような気がした。
今まで、片意地をはっていた。
力みすぎだった。
「そうですよね。自分の好きにした事に賛同するのも相手の自由ですよね。
賛同する人がいても、いなくても、自然体でいけばいいわけですね。
先生、本当にありがとうございました」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・316」

2014-08-30 19:26:01 | Weblog



カルテ番号 に・6(22)

西本功も見当がついたが黙って聞いていた。
「現代社会で暮らすには、お金が必要です。
例え自給自足でも必要です。
国民として登録されていますから、税金を含め何かと必要です。
まして、私のように借金をすると銀行が毎月自動的に取り立てます。
要は、私が必要分を稼げないというだらしない話ですが・・・」

西本功も言った。
「今、私の店がジリ貧ですので、その気持ちは解ります」
院長はますます恥ずかしそうになった。
「これは断捨離がきかないので、解決できません。
それで支払日が近づくと胃が痛み、胸が苦しくなり、時には頭痛まであります。
経営努力という氣が湧かないというか、その能力が極端に低いようです。
お金に関しては、どうしても縁がつながりません。
単にナマケモノといわれても仕方ありませんが・・・」

西本功は少し考えた。
「病というのは幅が広いのですね」
院長が言った。
「これが病といえるかどうか不明ですが、続けば病につながるでしょうね。
実に困ったものだ」
切実なのだろうが、そういう院長が困ったように見えない。
恥ずかしそうではあるが、苦しんでいるようにも見えない。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・315」

2014-08-29 19:24:31 | Weblog



カルテ番号 に・6(21)

その恥ずかしそうな笑いで、西本功は院長に親しみを覚えた。
「先生は胃が痛くなったりはしないのですか?」
院長はあっさり言った。
「なりますよ。しかも毎月」
「ご自分で気功が出来るのに、痛みますか?」

院長はますます恥ずかしげに笑って言った。
「私は通常の病、それは肉体でも心でも回復できると思っています。
もちろん何でも、どんな状態でも、というわけではありませんよ。
例えば緊急医療や外科的や大きな病原菌によるものは無理です。
それでも、かなり広範囲の事が可能のようです。
でも、緊急でもなく、外科系でもなく、病原菌もない病でも無理なことがあります」

西本功も笑って言った。
「お医者様でも草津の湯でも治らない、アレですか?」
「いえいえ、恋の病は治ります。
心の病は断捨離ができれば消えるものです。
つまり、こだわりを断つ、捨てる、離れる、で消えるのです。
それが出来ない出来事が、社会の中にはあるのです。
しかも、私にそれを克服する能力が極めて低く苦手なのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・314」

2014-08-28 18:33:47 | Weblog



カルテ番号 に・6(20)

院長の話は続く。
「科学も宗教も人が紹介し解説しています。
自然の法則も人が解説しています。
科学の中、宗教の中、自然の中に真実があるわけではないのです。
一つの考え方、観方があるだけです。
正しい、間違いというのも人が決めているものです。
そして、人の理解できる範囲はとても狭く浅いものです。
見る事も体験することも想像することも一部分だけなのです。
しかも、思い込みから間違いが多々起こります。」

西本功は人間という尺度の小ささに今更ながら気づいた。
そうなのだ。
人類が生まれて400万年。
現人類の祖が3万年。
現在の宗教もせいぜい数千年。
科学は200年。
各種の学説などは数十年しか経っていないのだ。
しかも未だに争いや苦しみはどの国でも解決できていないのだ。
それで正誤や真実など語るのは、滑稽かもしれない。

院長は少し恥ずかしそうに笑った。
「もちろん、そういう私も何も解ってはいないのですがね。
ただ、解っていないなぁ、ということが判っただけです。
それでも、何も解っていない事を認めると、少しやわらぐようです。
肉体は柔らかくなり、心は和という字の方の和らぐになります。
やわらぐと、生命は活性をする仕組みのようですね」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・313」

2014-08-27 20:23:08 | Weblog



カルテ番号 に・6(19)

院長は言った。
「信じる対象は人や宗教や学説など様々です。
何を信じるかは自由だと思います。
信じるのは、本人の選択であり、本人の思いや考えからの判断です。
つまり、信じるという事は本人側にあり、対象側ではないのです。
ここを多くの人達が取り違えています。
対象の中に信じられる真実があると思い込んでしまうようです」

院長は静かに言った。
「それぞれの信じる事柄を推し進めると、別な事柄を信じている人と衝突します。
例えば夫婦間での言い争い、職場の仕事、国と国、宗教と宗教などです。
そして、そこには苦しみや傷や、しばしば多くの生命が失われる事になります。
簡単に言えば、不幸の種とも言えるでしょう。
信じる事は自由なのですが、こだわってしまうと不調和が生まれます。
信じる対象が間違っているわけではなくても、不調和は生まれるのです」

西本功は新しい何かが開く気がした。
「西本さんのやってきた食のあり方が間違っていたわけではないと思います。
多くの食のあり方がこの世にはありますから。
西本さんは植物系中心の食ですが、植物の獲れない地域は動物系が最適のようですよ。
昔チベット亡命政府でチベット医学を少し教わった事がありました。
チベット高原はとても高い地域で、植物は少しだけです。
動物の肉やミルクなどが主食で、今のダラムサラになって植物系の食事にしたら体調を崩してしまったという話をしていました。
私も人間は植物中心が最適だろうと思い込んでいました考えの狭さに気づきましたよ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・312」

2014-08-26 18:30:40 | Weblog



カルテ番号 に・6(18)

院長の説明はなるほどと思う。
西本功が目指していた健康も似ている。
ただし、それを正しい食のあり方に限定して追い求めていた。
肉体を作るのは食。
だから正しい食ならば、最も健康な身体になるはず。
正しい食を追い求めることが、正しい精神を育てる。

院長は生命力の活性という言葉を使っていた。
食だけでなく、もっと広く多種多様な方法のようだ。
その中心に氣という見えないモノをおいているようだ。
そして、肉体と精神の関係はもっと単純にしている。
主従でいえば、主を肉体にしているようだ。
そして、病やその治療にこだわっていないようだ。

ここで、ようやく西本功は自分がやってきた正食の事や店の事を話し始めた。
「だから解らなくなってしまったのです。
今まで30年も正しい食を実践してきたのに、どうして不調になるのか」
院長は黙って聞いていたが、やがてゆっくりと言った。
「人はそれぞれ信じている事がありますね。
そして、それぞれが信じている事が正しいと思っているようです。
それが真実かどうかは不問としましょう。
少なくとも、私には判断できないですから」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・311」

2014-08-25 19:10:02 | Weblog



カルテ番号 に・6(17)

院長は言葉を探しながら話す。
それは相手も考えながら聞くようにしむけているようだ。
「物質にはその姿を維持できる限度があります。
人でいえば肉体ですね。
その維持限度は、人の場合150歳から160歳くらいのようです。
細胞には再生限度があり、そこから出した推定のようです。
つまり現代の人の寿命といわれているものよりも倍くらいはあるようですね」

西本功はその学説は読んだことがある、と言った。
「実際には環境や人社会の時代により大きく影響されるでしょう。
例えば飢饉や戦争など劣悪な条件があれば細胞は本来の力が出ませんから。
そして、生命にとって意識がとても大きく影響します。
寿命が80歳と思っていれば、それに合わせて生命も枯れようとします。
最低でも100歳と思っていれば、その分長く伸びるでしょう。
本来はそれでも50年くらい短く見積もっているのですが・・・」

院長は西本功の顔を見て言った。
「若返りとは現代の固定概念からみての言葉となります。
80歳でも5、60歳のようになれば、若返ったと思うでしょう。
実際は若返りではなく、本来の姿に近くなっているだけです。
生命力が本当に活性すれば、元気、つまり元の気の姿になるわけです。
若返りは特別難しいわけではありませんが、人の固定概念が邪魔をしますね」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・310」

2014-08-24 19:32:55 | Weblog



カルテ番号 に・6(16)

店は妻と従業員に任せて、再び気功の治療院に行った。
「検査結果はまだですが、また来ました」
「ここは病気があってもなくても来たかったら、いつでもどうぞ」
「治療目的ではないのですか?」
「いえ、生命力の活性が目的ですから」
どういう意味だろう。

西本功は腹部に手を当てられながら、質問をした。
「生命力の活性で治療するのが目的ではないのですか?」
院長はゆっくり答えた。
「目的は活性なのです。
その時に病があれば、病は消える方向になります。
その病が肉体であっても、心の悩みという病であっても同じです。
病がなければ、よりイキイキとなり、若返りという方向になります」

西本功は若返りなど信じていない。
「人は若返ったりしないのではないですか?」
院長は笑った。
「厳密にいえば、その通りですね。
この世界は時が一方向ですから、人も一方向です。
いずれ、どんなモノも人も衰退して、そして無くなります」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・309」

2014-08-23 19:30:17 | Weblog



カルテ番号 に・6(15)

次の日、従業員からも言われた。
「マスター、復活しましたね」
そう見えるのだろうか。
まだ問題は何一つ解決していないのに。
経営も良くない。
息子の事もそのまま。
胃の事も再検査の結果待ちだ。
だが、確かに気持ちと身体は軽くなっている。

二日後、病院での再検査があった。
細胞診検査だった。
結果がハッキリするまで10日ほど必要らしい。
その10日間をただ待つのは負担だ。
それならば、またあの気功の先生の所に行こうと思った。
気功はともかく、話がしたくなった。

妻にそのことを言うと、
「あなた、変わったわね。」
「何が?」
「以前なら、もっと頑なだったわよ。
自分の信念を変えないというか、それはそれでいいんだけど。
でも、柔らかくなったようで、私は今の方が嬉しいわ」
そう言われても、自分ではわからない。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・308」

2014-08-22 21:06:51 | Weblog



カルテ番号 に・6(14)

西本功は院長に頭を下げて言った。
「先生、自分には気功というものが解りません。
ですが先生の言葉は納得できます。
今週中に再検査し、結果が判り次第、結果がどうであってもまた来ます。
もう少し健康と病について勉強したいと思っています」
院長は淡々と答えた。
「いつでもどうぞ」

店に帰った西本功の顔を見て、妻が言った。
「あなた、その先生の気功が効いたのね」
功は面食らった。
「いや、自分は特に何も感じなかったぞ。
何も変わらなかったと思うぞ」
妻は言った。
「何言ってるの。出かける前と全く違うわよ」

西本功はとまどった。
顔つきまで、そんなに違っているのか?
だが、特に変化があったとは思えない。
その夜、布団に横になってから気がついた。
そういえば、今は胃のあたりが重くない。
気功のせいなのか、話のせいなのかは判らないが。


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