水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 あ・28 8度目(5)
長寿族としては知らんぷりして、別な土地に行くのが妥当だろう。
愛田恵子は幕末からの激動の時代を経験しすぎた。
しかも中枢近くだった。
バカな男共によって、より苦しむ人々を見てきた。
元々が情深い性質なのだろう。
今の立場を利用して、置き土産を企てた。
それが、前回聞いた話だった。
本物の研究者と金持ちを繋ぐ。
金持ちの中には、マトモな人達もいるのだ。
使い方を知っている金持ちもいるのだ。
そして、マスメディアを利用し、危機を知らせる。
政治行政には関わらない。
そこから先は、それぞれの個人の生き方になる。
信じて、引っ越す人が出れば幸いだと思う。
「愛田さん、計画は進んでいますか?」
愛田恵子は明るく応える。
「もちろんよ~。
単純に発表はしないけれど、ウワサを流すわ。
だって、今までだって、何度も学者や専門家が言ってきたのよ。
素人だって、少し調べれば、大災害が起こるのは誰でも判るはず。
なのに動こうとしないのは、信じたくないからだけなのよね。
今回の研究者は、地震や災害学者じゃないわ。
生き延びるのに、便利な発明、発見者達よ」
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(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
カルテ番号 あ・28 8度目(4)
その長寿からの知識や経験を活かすのは、生き延びる為に使う。
社会的に応用し貢献などしては、本来の人社会の成長を乱す。
それに気づかぬ長寿族も時々出る。
すると、まだ使いこなせぬ道具を持ってしまう。
大抵は争いに使ってしまう。
結果として、多くの苦しみの人を含む生物を生み出してしまう。
能力は、使ってはいけないものもあるのだ。
生物を脅かすような出来事。
自然災害、人為的を問わず、絶滅に向かう時がある。
それでも、僅かながらでも、種が残れるようにしてある仕組みだ。
地球という生命体が、その細胞の一つ一つの種に仕組んだものだ。
だから、たまたま、当たったモノは、ただ生き延びるのが役目だ。
もっとも、長寿族でなくても、生物は全て同じ役目だ。
生きとし、生きる。
それが役目だ。
この日本にどれだけのヒト種の長寿族がいるのかはわからない。
それぞれが、勝手に、ひっそりと生きているからだ。
たまたま、愛田恵子と風間陽水はお互いを見破っていただけだ。
そして、たまたま、相性が合ったので、付き合いがある。
地球からの干渉で起こる突然変異。
その為か、長寿族は天変地異に反応する。
今回、愛田恵子が別人に変わる時期が天変地異に重なった。
まだ地球規模ではないが、今まで住んでいた関東地区の地震だ。
限定的とはいえ、その犠牲者は数百万人規模だろう。
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カルテ番号 あ・28 8度目(3)
長寿族だからといって、特に生命力が強いわけではない。
ここを勘違いするから、長寿族は災難に合う。
特別の血液や細胞だと勘違いされる。
解剖されても、何ら変わりないのだ。
病気や怪我で死ぬもの同じだ。
多少、病になりにくいし、怪我からの回復も早いが、驚くほどではない。
アポトーシスの関係なのだ。
アポトーシスとは、細胞にプログラムされている自己消去指令だ。
具体的には、細胞の再生回数だ。
ヒト種はおおよそ150歳くらいまで細胞が生きている。
現代は、生き急ぎすぎているから、寿命を全うできていない。
病や怪我などがなくても、その先は自動的に自己消去する仕組みだ。
長寿族は、植物であれ、魚や虫や哺乳類でも、そのプログラムが違う。
通常の種の7~10倍に設定されている。
人ならば、700歳から1000歳くらいまでの寿命なのだ。
とはいえ、身体に負担をかければ病になる。
もちろん、ガンにも糖尿病にもなる。
同じなのだ。
それでも、目立ってしまうから、ひっそりと暮らすのだ。
そうして、生き延びるのが長寿族の役目。
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カルテ番号 あ・28 8度目(2)
愛田恵子は言う。
「オトコはバカだから、可愛いのよ。
だから、悪女をやってられるのよ」
そこには深い意味もある。
幕末から第一次世界大戦、第二次世界大戦。
戦前、戦中、戦後の国を動かす男達を見てきたのだ。
可愛いとは言えないバカな行動だ。
多くの人々を死に追いやり、残った国民には苦しみを与えてきた。
そのバカなオトコ達を支えたオンナもいる。
今回はすでに40年以上銀座にいた。
そこから姿を消す時期になっていた。
容姿が変わらず40年もいれば、何かと不信がられる。
前回は、その計画を陽水に教えてくれていた。
最近の日本は、以前のように別人になりにくい。
国民一人一人が登録管理されている世の中になった。
いずれ陽水も姿を消さねばならない。
長寿族というのは、人間だけではない。
あらゆる生物に一定割合で存在する。
それは、天変地異やその他の絶滅から生き延びる為らしい。
地球という生命体は、生物があってこその星だ。
詳しい仕組みはわからないが、地球が影響している。
例えば、魚、虫、ケモノ、植物などにもいる。
その種としての生命期間を遥かに超えて生きられるようだ。
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カルテ番号 あ・28 8度目(1)
「センセー、元気~」
電話からの第一声だ。
愛田恵子は風間陽水の同族、長寿族の先輩だ。
陽水よりも120歳上になる。
まだ長寿族の発動前、京都伏見の寺田屋の女将だった。
幕末の真っただ中、お登勢の名前だった。
坂本龍馬という稀代の男に秘かに惚れていた。
日本という概念さえない時代、龍馬は世界を見ていた。
そして、歴史を動かした。
そういう男に惚れていた為か、愛田恵子の人生にも大きく影響していた。
通常、長寿族は隠れて暮らす。
社会の中でも、決して目立たぬように生きている。
長寿の特質を、人々は放っておかないからだ。
権力者は、長寿族を捕え、研究材料として解剖さえするだろう。
それなのに愛田恵子は、目立つ立場にいた。
もちろん、何十年か毎に、名前、住所は変えている。
そして、国に大きな影響ある人物の近くにいた。
今は銀座の名物ママとして存在している。
そこには、政・官・財・その他の大物が来る。
大物といっても、バカなのは変わりない。
息抜きに訪れる酒と女に囲まれて、つい本音が出る。
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カルテ番号 も・6(40)
茂木滋は、サッパリとした表情で言った。
「これからの自分は、何をやりたいのだろうか?
昨日、帰ってきてから、ずっと考えていたのです。
あの先生に、寿命は、あと50年くらいはあるだろう、と言われました。
ならば、自分は、何をしたいのだ?
それが、今、こうして話しているうちに、沸き起こってきましたわい。
5年前までの会社は、いわば商売としてきた。
今度は、商売でなく、会社を創ってみたい。
もちろん、利益は出るように工夫しますがな。
その仕事のイメージも、何となく湧いてきました。
そこで、相談じゃが・・・
どうでしょう。
お二人に、手伝っていただけないかな、と思っています」
明木礼子と三木裕子はお互い、顔を見合わせた。
「それは、どういう仕事でしょう。
また、私達に出来るものですか?」
「もちろん。
お二人ならばこその仕事を考えていますわい」
明木礼子と三木裕子は、それがどんな仕事かもわからないまま、
「面白そう。ぜひ、やってみたいわ」
と言った。
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カルテ番号 も・6(39)
茂木滋は、ニッコリと笑って話を続けた。
「肉親はいませんが、幸いな事に丈夫な身体がありました。
そして、少しずつですが商売も上手くいき、5年前に退職しました。
仕事に未練はありません。
充分、やりきったと思っております。
暮らしには困らない程度の財産も家もありました。
残りの人生、のんびり過ごそうと思っていましたわい」
茂木滋は、ここで礼子から貰ったお茶を飲んだ。
「ところが、ですな・・・
・・・面白くない。
何も興味がない。
趣味もなかった。
ただ、無為に時を過ごすだけかと思っていました。
いつ、死ぬのだろう、とそんな事を考えて暮らしていました。
そして、散歩の途中に、こちらのご婦人に出会ったわけですわい。
綺麗な動きの太極拳を見ていて、それから、このお茶をいただいた。
そして、話をしている時、ある言葉が響いてきたのですな。
それは、生命力が活発になる、活性する、だったかな?
何だかわからないが、とにかく心に響いた。
そして、あの先生を紹介してもらった、というわけですわい。
いや~・・・何というか、不思議だが、元気になって帰ってきた。
その報告に、今日、ここに来たわけですな」
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カルテ番号 も・6(38)
三木裕子が言った。
「礼子さん、うつ病だったなんて、多分誰も信じないわよ。
自然に明るくて、元気ハツラツよ。
同世代から、うらやましがられるわ」
「ありがとう。
自分でも、全く別人になった気分よ」
茂木滋は、黙って何か考えているようだった。
そんな様子に、三木裕子は声をかけた。
「茂木さん、せっかく知り合ったのだから、自己紹介して下さいね」
「そうじゃな。
自分は今年80歳になりました。
結婚もせず、家族もいません。
22歳の時、母親が亡くなり、一人きりになりました。
父親は最初から知りません」
そんな話を聞いて、二人の婦人は黙ってしまった。
明木礼子も一人きりだが、遠くに実家はある。
三木裕子も今は一人だが、家庭を持った娘がいる。
だが、茂木滋は本当に一人きりだった。
人と人を比べることは出来ない。
それでも、一人きりだと思っていた礼子には肉親がいる。
茂木滋は、80年間のほとんどを、肉親さえいない状況で暮らしてきたのだ。
そんな心を勝手に推測など出来ない。
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カルテ番号 も・6(37)
明木礼子は先に茂木滋に言った。
「ちょうどよかったわ。こちらは三木裕子さん。
そして、こちらは、茂木さん。
最近知り合ったのよ。
でも、私達、共通点があるの」
三木裕子は茂木滋に明るい笑顔で挨拶した。
「こんにちは。よろしくお願いします。
今日は、礼子さんに会いたくて来たの」
茂木滋は二人の婦人に言った。
「こちらこそ、よろしく。
急に、このような若い婦人と知り合いになれるとは思わなかったわい。
ところで明木さん、共通点とおっしゃったが・・・
もしかすると、こちらの方もあの先生に関係しているのですかな?」
「そうよ。
そして、もう一つ。
私達、名字が三人共、○○木なのよ」
「なるほど。本当じゃ」
この三人は知らなかったが、最近、あの治療院に訪れた中に、あと二人いた。
真木博人と村木紀之も名字に木が付いていたのだ。
明木礼子は言った。
「引きこもりだった私が、急に知り合いが増えた。
それも、縁の濃いような気がするの。
運命だか、道だかわからないけれど、人間関係も変わったみたい」
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カルテ番号 も・6(36)
茂木滋は、座ったままだが、深くお辞儀をした。
「本当に、ありがとう。
生きる意欲が湧いてきました。
どうして変わる事が出来たのか、自分でも不明です。
だが・・・不思議だった。
いきなり、自分が変わる、という事を味わった。
人は、自分は、変われる、と実感しましたわい」
明木礼子は、自分の事のように喜んだ。
元気に変わるのは、変わった本人だけじゃない。
その人に関係する人達まで、何かが変わる。
そうか・・・
だから、あの先生は仕事をしているのか。
きっと、そうに違いない。
今度訪ねた時、言ってみようかな、と秘かに思った。
ちょうど、その時、もう一人の関係者が現れた。
三木裕子だ。
彼女も、何かに行き詰っていた。
そして、変わった。
これからの人生を愉しむ為に。
明木礼子が紹介した二人が、この日、初めて会った。
60代二人と80代。
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