きょうから三月、弥生ですね。
書店で手にしたPR紙「パブリッシャーズ・レビュー」の1面に目が留まりました。
柴山桂太氏(京大准教授)の書評的なエッセイで「グローバリゼーションへの反動」。そこにはトルコ人の経済学者(ハーバート大教授)のダニ・ロドリック=写真=の著『グローバリゼーション・パラドクス』(白水社)が紹介されていた。
柴山桂太氏(京大准教授)の書評的なエッセイで「グローバリゼーションへの反動」。そこにはトルコ人の経済学者(ハーバート大教授)のダニ・ロドリック=写真=の著『グローバリゼーション・パラドクス』(白水社)が紹介されていた。
言葉一つひとつはむずかしいようですが、要するに「市場」と「民主政治」の調和の追求でしょうか? やはりむずかしそうですね(笑)
グローバリゼーションによって何かが失われている。
ダニ・ロドリックは世界経済を「政治的トリレンマ」の考えで見る。政治的トリレンマとは(1)グローバリゼーション(2)国家主権(3)民主政治、の三つを同時に達成することはできないとする。二つを選べばどれか一つを制限しなくてはならないのが宿命。
例えば国家主権と民主政治を選ぶなら、グローバリゼーションを諦めることになる。欧州の反EU派の台頭、アメリカのトランプ氏の勝利、いずれも背景にあるのは民主政治の機能不全で、これは政治的トリレンマの事例ともいえるのではないかと・・
民主政治に必要不可欠な拮抗力
柴山桂太氏は、民主政治に「拮抗力」の運動再燃を注目しているかのようにも。拮抗力(countervailing power)は1930年代ニューディール期、農民・中小商工者、労働者の組織的な対抗運動として、当時の経済全体に平準化(民主化)を推し進めたパワーとしてJ・K・ガルブレイスが論じた概念です。この辺の着眼点にはとても好感がもてる。ダニ・ロドリック氏も民主政治を犠牲にはできないという気持ちからの理論展開を感じ取れます。
月の始め、気持ちの良いレビューに出会いました。
きょうのSad Sam Blues Jamの一曲は、ブルースっぽいラブソング♪
グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道 | |
ダニ・ロドリック | |
白水社 |
Sad Sam Blues Jam – "Come By Me Baby"
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