東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

窯入れと窯出し(素焼き)

2015-04-11 18:44:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

「仕事場」カテゴリーの中でこれまで何度もでてきている景色なんで「何だまたか?」って思われそうな気がしますが、リアルタイムの進行なのでお付き合いください。
型に粘土を詰めて抜き、バリをとってなめした人形は数日室内干し、そのあと暖房のある部屋とか天日干しを経てからからに乾燥させます。
それらを窯に詰めますが支柱と棚板を使って3段から4段くらいにぎっしりと詰めます。うちの窯は炉内が40センチ立方なので大きくはないですが、一度に入らない分は素焼きを終えて炉内が冷めてから窯出しし、入れ替わりにまた乾燥させた人形を詰めて素焼きに入ります。


詰め終わったら、蓋を密封させないで10センチくらい開けておいて炉内温度が500℃になるまでそのままにします。いくら完全に乾いたようでも人形には水分が残っていることがあるので500℃になるまで水分の逃げ道を確保させておくのです。
それ以上は蓋をして最高800℃そしてならし時間で自動的に切れ、あとは炉内温度が100℃以下に冷めるまで蓋を開けません。

今回は気がついたら既に炉内が30度以下に冷めていたので早速蓋をあけて取り出しました。毎度のことですが、素焼きするとこのような色になるのが不思議です。これが隅田川沿岸の粘土の焼き色です。

ご覧のようにほとんど浅草の「被官さま」の鉄砲狐と狐もの、丸〆猫ばかりです。「被官さま」にお納めする定数までまだ何回か素焼きを繰り返します。というか型抜き数がまだまだ目標に達していないので焦っています。こればっかりが手仕事で一日に抜き出せる数に限りがあるので
その繰り返しで増やしていくしかありません。このところまた気温が低いので素焼き中は家の中が微妙に温かくなります。