「絵手紙」という言葉がありますがこれは「絵はがき」そのもの。既製品ではなくてわざわざ描いて送ってくださったものです。
差出人は4月の民芸協会での「今戸人形」の話をメモしてくださった方。そのメモもこのブログ上で紹介させてもらいました。
7月の青山の「べにや民芸店」さんでの作品展にもお越しくださり、また9月の王子の「北とぴあ」での「北区伝統工芸展」にもご来場いただき、うちのブースで型抜き体験をされ、素焼きできたものをお送りして、それをスケッチしてくださったというわけです。
「描いてくださる」ということは「しっかりモノを観てくださっている」ということですから、すごくうれしいことです。「見る」のと「観る」のと「描く」のとモノへの意識の深さは違うと思うんです。 ちょっと屁理屈っぽくなってしまいますが、あくまで一般論なんですが「知っている」とか「持っている」とかの状況で実際それをどれだけ深く観ているかというと対象への意識の深さって違ってきますよね。逆にいうと「持っている」「所有している」からその対象を観る意識が深いとは限らない。
そう考えると、例えば「顔見知り」だとか「好きなモノ」だとか「自慢のコレクション」とかいろいろありますが、あれこれ言うことはできても諳んじて描くことができるというのは案外稀有なことだと思います。自分自身への反省を含めて、必要のないものもあるけれど、よく観るためには観察して描くというのは大切なことだなと改めて思いました。