東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

こけし頒布&丸〆猫+御幣猿+ぴいぴい

2015-12-18 22:06:16 | お世話になっているショップさん

 日野市高幡不動近くの「民芸サロン 楽語舎」さんで明日こけしの特別即売(定例即売?)があるそうです。こけし愛好家の方々には当然既にお知らせが伝わっていることかと思います。なぜ今更私がここで、、といいますと、こちらのオーナーの姫野さんから今回も丸〆猫と来年の干支ものの御幣猿(朱色)とぴいぴい(招き猫・里神楽)のご依頼をいただいてあまりたくさんではありませんが本日お届けに参じたというわけです。

 こけしの愛好家の集うところに丸〆猫だの御幣猿って大丈夫なんですか?とお聞きしたところ、前回丸〆猫をお持ちした後、このブログで紹介記事をアップしたためかわかりませんが、「こちらにも丸〆猫を置いているんですか?と訪ねていらしたお客さんがいらしたそうで、その方はご自分とお友達用に2個お求めくださったのが、そのお友達が2個とも欲しいといったのでまた買いに来たということでだいたい捌けたようです。今回もお知らせすることで東京多摩地域の方などお近くにお住まいの方でご希望の方にお求めいただけたらうれしいと思っています。もちろんこれを機会にこけしも見たいという方大歓迎だと思います。こけしがご専門だけど丸〆猫もという方いらっしゃれば是非是非よろしくお願いいたします。

画像は入り口のドアに張られている手描きの看板。作並のこけしと本丸〆猫を描いてくださったようです。姫野さんの息子さんだったかお孫さんだったかお描きになられたのだそうです。お休みの日は外せるようマグネット留めなんでしょうか。

民芸サロン「楽語舎」

〒191-0031 東京都日野市高幡2-37 蔵3階

TEL 042-593-1700

携帯090-7254-6637

営業日:金曜日~月曜日

休業日:火曜日・水曜日・木曜日(祭日営業)

特別頒布は明日12月19日(土)ですが以降も上記の営業をされていると思いますが、念のため電話でお問い合わせの上お出かけされるのをお勧めします。京王線 高幡不動駅からの行きかたは以前の記事をご覧ください。→


干支の申(猿)づくり③(御幣猿)

2015-12-18 00:31:10 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日から羽子板市だったのですがどうだったでしょうか。お昼すぎに雨が降ってきたり、午後寒くなったりではなかったでしょうか。一昨日からの風邪のため、そしてまだ仕上げなければならないものあって初日には出かけることができませんでした。「屁っぴり猿のぴいぴい」のほうが先になってしまいましたが数的には多く作っている「御幣猿」についても紹介させていただきます。都内の近世遺跡からの出土物も含めると今戸人形の猿のレパートリーは膨大で面白いものがいっぱいありますが伝世している古典的な人形の中ではこの「御幣猿」が最も知られているのではないかと思いますが当時の販路として柴又帝釈天の土産として出されていたので「柴又の猿」として書籍で紹介されているケースもあるかもしれません。背中に帝釈天の「雷文」の彫りがあり袖なしの胸にも「雷紋」を描いてあります。

 ひとまわり前の申年にこの「御幣猿」の左手持ちの人形を作っててはいましたが、実際の伝世品の中には右手持ちのもあり、今回は両方揃えてみました。今回干支の中では最初に始めていたのですが、一番にご紹介できなかった理由はこれ「御幣づくり」の手間のためです。

 これ少し作るだけならいいんですが、たくさんとなると結構時間がかかります。金紙に良いのがないので再生紙にまがい金泥(真鍮粉)を塗るのからはじめます。竹串を途中まで割ったり先を削るなども数があると結構しんどいです。それとお猿さんに限らず狸にも使いますが、茶色の部分には泥絵の具の「ベンガラ」(酸化鉄)を使うのが昔からのやり方ですが、この「ベンガラ」も厄介なんです。粒子の大きさが揃っていないせいか、また鉄由来のためか重く筆のすべりが悪くすぐムラになります。べた塗りにムラなくするのにひとつの人形に4回塗りはしなければなりません。昔、学生時分は洋画専攻だったのでチューブ入りの油絵の具とかアクリル絵の具とか透明水彩とかチューブや缶から出してすぐ使えることが多く、茶色系の絵の具で「ライトレッド」とか「バーントアンバー」「ローアンバー」「バーントシェンナ」「セピア」とかよく使っていましたけど練り絵の具で筆すべりが悪い経験をしたという記憶はないように思います。テンペラとかフレスコの実習というのもありましたが、経験したという程度でピグメント顔料によって困ったという記憶がないんです。土人形作りをはじめてから泥絵の具を粉で買ってきて膠をつなぎにして溶くようになり、色によって癖があり面倒なことに気がついたという感じです。

 余談になってしまいました。まず朱色の袖なしを着ているお猿さんは昭和4年頃まで今戸で人形を作っていたという「市川梅次郎」という人が残したものをお手本にしています。この人の描くお猿さんの眼はまん丸です。そして朱色の袖なしの場合、私はこのまん丸お眼目のしか観たことがありません。

 次に群青の袖なしを着ているお猿さんには画像のような横に筆を走らせた眼のものと上の朱色袖なしのようにまん丸お眼目のものを確認しています。まん丸お眼目は群青袖なしでもやっぱり「市川梅次郎さん」のものだと思います。梅次郎さんの工夫でしょうか着物と紐と耳の配色をクロスさせているのが面白いと思います。しかし横に筆を走らせた眼のものはちょっと硬質な表情で梅次郎さんとはちょっと違うと思うのです。昭和戦前の有坂与太郎の著作には「明治の終わりに今戸の林檎畑の「人形屋勇次郎」という人が常盤津「靱猿」から想を得て作った人形で後に弟子の「市川梅次郎」がそれを引き継いで作った、、、」ように記されているので「人形屋勇次郎」のものだと思っています。ちなみに「勇次郎」作と思えるものは左右対称に右手持ちと左手持ちのを確認しています。実際対にして売られたり飾られたりしたケースもあったかもしれませんがよく目にするのは左手持ちのほうが圧倒的に多く残っているように思うので、必ずしも2体対で売られたものではないのでは、と思います。この「御幣猿」大小何段階かサイズの違うものがあるようです。

 

 必ずしも対ではなく「ザ・ピーナッツ」や「リンリンランラン」のようにならなければいけないということではないと思います。お猿さんなのでもみあげみたいのがあって「♪また会う日まで会える時まで~♪」な感じもするのですがどうでしょうか。また、朱色や群青よりももっと古いかもしれない袖なしを石黄らしき黄色で塗ってある巨大なのも観たことがありますのでそれ式の配色のものも某店にお納めしました。「市川梅次郎」「人形屋勇次郎」という今戸人形師も存在したということで、時間があったらお手本とした人形もご紹介できたら、と思っています。干支のためにもうふたつ遺跡由来のお猿さんの原型をやりかけていますが間に合うかどうか、、?もったいないので完成させたいのですが、、。

 

 

(検索 今戸焼 今戸人形 今戸神社 浅草寺 三社様 縁結び おみくじ お守り 招き猫 発祥の地 丸〆猫 干支 土人形 白井 半七 工房 販売

猿 郷土玩具 民藝 民芸品 おみやげ 東京 隅田川 スカイツリー ソラマチ tokyo edo asakusa temple taradition handcraft  histry

tourist  information guide oldstyle toy  clay doll souvenir imado )