考えてみるとしょぼい現実ですが、作業スペースの問題のため作る工程によって自宅と隣の町内にある仕事場とを行ったり来たりしています。我が身ひとつのことだけではなくて、材料となる掘ってきた土が最終的に人形として仕上がるまでの工程でも自宅と仕事場とを何往復もしているのです。それも車を運転できないのでチャリの荷台の乗せて運んでいるというのが事実です。雨や雪でも降られれば、動けなくなったりもします。
被官さまの例大祭までに鉄砲狐(被官さまでは「お姿」と呼んでます)の2度目のお納めを済ませるべく型抜き→乾燥→素焼き→彩色の工程を急いでいます。自宅にある焼成窯で素焼きした狐を隣町の仕事場へ運び、胡粉と膠で地塗りをしています。ゆうべは徹夜で「黄色置き」まで済ませました。これから面描き(墨)→赤置き(口、耳、縦縞)→群青置き(縦縞)の順に済ませ、包装、梱包して急いでお納めしなければなりません。