東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

国立劇場11月歌舞伎公演

2019-11-21 21:04:49 | 日々

 9月の歌舞伎座の秀山祭を見たいと思いつつ結局行けず、先日の入院中に偶然知ったこの公演、退院したらこれ観ずして後々の後悔とばかり今日出かけてきました。この演目「日向島」(今回の演題では嶋になってますね。)滅多に上演されることなく、昭和の戦後は現・吉右衛門丈の父上・初代 松本白鷗(8代目幸四郎)さんが昭和30年代に文楽座の綱大夫さん、弥七さんと組んで上演したというのが伝説のような話。その後昭和40年代にここ国立劇場で演じられた。そして現・吉右衛門丈が一度演じられたという話は聞いていますが、その時は観ていないので、今回はじめて観ました。能で「稀曲」という言葉があるように、この演目に関しては、戦後でも4回目くらいの上演という稀なもので、役者さんと義太夫節の技量がそろわなければできないもののようです。名前だけ歌舞伎雑誌や案内書の中で目にしたことはあっても観るのがはじめてです。昭和30年代の上演の際、文楽座の大夫さんが歌舞伎役者の舞台に出演するということがタブーだったと聞いています。今回の義太夫は歌舞伎の竹本の太夫さん(文楽座は大夫、歌舞伎は太夫)葵太夫さんがつとめていましたが、熱演されていました。日向島の場面、盲目になった景清の心の葛藤と絶望、実の娘との出会いによって源氏への恨み、平家への忠節を捨て、晴れ晴れとした船出までの流れが義太夫と役者さんの力の拮抗で進んでいくという感じ、いわゆるチョボという感じではないですねもっと圧の強い感じ。自分もそうだったのですが、目元に手がいってしまうお客さん少なくありませんでした。

 今日は奮発してすごくいい席。

正午開演なのでデパ地下で日本橋弁松か亀戸升本のお弁当を調達して行くつもりだったのが、時間の余裕がないので新宿駅構内の駅弁屋さんで買った弁当。

 普段の食事よりカロリーがありそうな感じですが、今日くらいはいいか?と、、、。

文楽での日向島の上演はあっても観たことがなく、歌舞伎ではじめて観れた、それも吉右衛門丈がいればこそ。歌舞伎座でも国立劇場でも吉右衛門丈のユニットによる上演は素晴らしいです。ここ数年の国立でも上演演目どれもよかった。

 本当は予習して舞台を観るのがいいのですが、、。岩波文庫の「素人浄瑠璃講釈」に「日向島」載っていたような気がするのですがどうだったか、買ったものが家のどこかにあるのに行方不明です。まあこの本「素人」と名がついているけれど難しい内容だという印象ですが、、。

 今日は行ってよかった。