昨日天気の崩れが無さそうなのを当て込んで現在開帳となっている尾張屋さん(最後の生粋の今戸人形の作者であった 尾張屋・金澤春吉翁 明治元年〜昭和19年)のご遺族から両国の江戸東京博物館へ寄贈されたお人形に会いに自転車で出かけてきました。
画像は出口横の記念品売り場で図録とともに販売されていた絵葉書のひとつです。
現在開催中の企画展のパーツのひとつとして三浦乾也と隅田川沿岸の窯業という
括りの中に展示されていたのでした。上の絵葉書の画像の人形がひととおり並んでいました。同じ括りのコーナーには三浦乾也の作品に加え、今戸人形の作家として名前の記録されている戸澤弁司による鳥井京山像という大型の肖像や百花園焼佐原きくう作の都鳥香合などと共に春吉翁の人形が雛壇式に180℃角度のガラスケースに展示されていました。
残念だったのは乾也の作品や戸澤弁司の作品が360度から観ることができるケースだったのに、尾張屋さんの作品は180℃しか観えない展示になっていたこと。今戸の人形の多くは前面のみの彩色で裏は省略されていることが多いけれど裏面の彫りにも観るべきものはあり、展示者の独断により、その可能性が封じられてしまうのは悲しい限りでした。
また展示コーナーにより撮影可否の表示が示されているのですが、春吉翁のケースは乾也やきくう、弁司と抱合せのためか、禁止ゾーンになっていました。既得利権とか記念品売り場のテナントの売上貢献のためかわかりませんが、過去の常設展示では撮影についてフラッシュ以外縛りのなかったものが今回は禁止になっているという不思議さ。
まあそれでも春吉翁による(江戸以来続いた正真正銘の)今戸人形が開帳になっているのは目出度いこと。
余談ですけど会場出口の横で売られているにんぎょうは…?こう言っては何ですが便乗商法?春吉翁の娘さんのはなさんが最も危惧していたシチュエーションなのでは…とか案じてしまいました。