昨日は暑くも寒くもない久しぶりのよい天気。前日から予報を聞いて、チャリで浅草橋の「人形は顔が命」の吉徳さんまで特別展を観に行こうと思っていました。
先々代吉徳当主だった山田徳兵衛さん。戦前から生涯人形や玩具についての著作を多く残され、また人形の芸術性の発展にも尽力された方。今日の人形玩具研究の基礎を築かれた方。また著作の中には気楽に楽める「人形百話」というコラム集があって、その中で、最後の生粋の今戸人形師だった 尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)との交流の思い出、言葉のやりとりが出てくる件、江戸の落語のような楽しさで、何度も読み返してしまうサワリです。
吉徳これくしょんは先々代徳兵衛さんが整理収集された人形玩具やそれにまつわる古今の文献、絵画、写真等、人形玩具について研究される人々に貴重な情報を提供してくれます。
折々のテーマに沿った展示がされていますが、今回は今年のコロナウイルス流行にも関わるもので、人形や玩具が様々な病や災いからヒトを護る役割をになったてきたことを示す資料たちで構成されています。今年のコレラ除けに「アマビエ」のキャラに脚光が当たっていますが、昔はいろいろあったのです。今、お雛様の下に敷く赤いぬの(毛氈)は魔除け、厄除け、病除けの願いから赤いようです。ついでに5月のお節句には緑色の布を敷いていますが、これはそんなに古いことではなくて、もともとはやはり赤い布を敷いていたようです。
お雛様の原型ともいえる、アマガツとホウコ。
犬筥(いぬばこ)犬は魔を除け、多産だというイメージから産室の護りとして置かれた容器。
鍾馗さま。
金太郎さん。
赤絵のいろいろ。疱瘡神は赤い色を好むので、大事な子のそばに赤く刷られた絵を置くことで子供の病除けになる、という願いから描かれたもの。
金太郎、だるまさん、ミミズク、鯛、など赤にちなむキャラクター。
仙台 堤人形の猩々。能楽の猩々の面や頭、装束も赤いので赤のキャラクター。酒瓶の瓶垂れのタッチがいいですね。
そしてびっくりしてしまったのがこれ。拙作の「朱鍾馗」。尾張屋さんの人形を手本として作ったものです。
さらにもうひとつ、かなり昔作った「ぶら人形」。今見るとはずかしいですけど20年以上前に一生懸命に作ったものではあります。
ありがとうございます。
この展示30日までやってます。
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