今年は事情あって9月下旬の北区の伝統工芸展への出展はしないのと、例年10月開催の丸の内丸善オアゾでの「みそろぎ人形展」が11月になるのとで、気分的にはまだパニクっていません。といって作業は早め早めに進めていくに越したことはないし、案外要領が悪いタイプなのでとにかくやれることは早くやらねば、、と暑い時期から動いてはいました。
来年の干支は「ねずみ」。今戸人形の古典の中にはそんなに多く作例がありません。ひとまわり前の「ねずみ年」には生粋の今戸人形師最後の人であった尾張屋・金沢春吉翁がお作りになられていた「大黒天ねずみ」を手本とした型と古い伏見人形やその傍系の人形にみられる「面持ち」をねずみにして面を大黒様にした「面持ちねずみ」の型とふたつの人形を用意していました。今回はこれらのふたつにさらに古典的なものや創作的なものを追加したいと考えているのと、古い収集家の方々から見せていただいて他の産地のねずみの人形をもとに今戸風につくることはできないかと思って、原型つくりに取り組んでいるところです。
ただ、原型つくりだけに没頭していると、干支以外の人形の型抜きがおろそかになって、後になってそれこそパニックになるのが心配なのでいつもの作業机の上ではねずみの原型、廊下の床に頑丈な踏み台をテーブルにして粘土を延して大型の火入れを抜いています。
招き猫の火入れの型入れ中のところ。大きなものなので割り型自体が重く、粘土を詰めるとなお重いです。また、肉厚にしているのですが、多少時間をかけてから型からはずさないとへたってしまいます。
我が家は狭いので抜き出したものを置く場所にも苦労します。
火入れの大きなものの合間に上州向けの鉄砲狐とか大黒天ねずみも抜き出してある程度乾くまでは焼成窯の上において、徐々に他のスペースに移動させていきます。それにしてもねずみの原型を早く作ってどんどん抜き出していかないと、、、、。
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