福岡の博多座へ歌舞伎を見に行きました。
ここ博多座で、死ぬ前に見ておきたいと思っていたミュージカルやお芝居のほとんどを、観てきました。
『エリザベート』の黄泉の帝王役の井上 芳雄の圧倒的な歌声に震え『マイフェアレディ』のイライザ役の大地真央の還暦過ぎとは思えないキュートさに腰を抜かし『ラマンチャの男』の娼婦役の松たか子の色っぽさに目を丸くし・・・と。
博多座は、観劇好きのワタクシにとっての聖地です。
演目は『あらしのよるに』という絵本を原作にした新作歌舞伎。
嵐を避けて避難した小屋で偶然出逢ったオオカミとヤギの友情物語。食うものと食われるものとが貫く友情ストーリー。
オオカミのガブを中村獅童が、ヤギのメイを尾上松也が演じました。
歌舞伎で獅童を見るのは3度目。なぜ獅童にこれほどご縁があるかはのちほど。
中村獅童という役者は、激しいキャラ設定の印象が強いですが、今回はこころ優しいオオカミの役。
ひょうきんに演じているのに、うってかわって怖い顔に一瞬で変わる場面では、息をのみました。
化粧もしてるし、獅童の目は糸のように細いのに、目や表情がガラッと変わる。変えられる。役者ってすごい!!
もうひとつ新鮮な驚きは、ヤギ役の尾上松也のかわいらしさ。
元AKBの前田 敦子の元カレという知識ぐらいしかなかったので『松也うまーい、かわいーーい』と、その演技に魅了されました。
歌舞伎役者は舞台の上では化ける、化ける。これが芸というものなのかしら。
堅苦しいとおもわれがちの歌舞伎ですが・・・・けれん味があって、笑いも涙もあって、スペクタクルで、様式美がすごーく面白い。
長く残る芸能というのは、やはり人を惹きつけるものがあります。
いまは『ワンピース』を原作にした歌舞伎だってあるくらいで、新作歌舞伎は、とっても楽しい。
記憶や感動は長く残るので、ちょっと無理してでも、ナマの舞台や音楽に触れて、心に栄養を補給したい。
ところで、今回は終演後にものすごいミラクルが待っていました。それはまた後日。