現在、妻と90歳になる母親との3人暮らしである。(ひとり娘は大阪在住)。妻は日中、仕事に出かけており自分はフリー(髪結いの亭主?)なので昼間は母親と2人きりの毎日だ。
この状況は、この7月から続いているのだが、仕方がない(2人きりしか居ない!)ので時々母の話し相手になってやっていたところ、驚くなかれこの6月まで少しばかりおかしなことを言っていた母親のごく軽い痴呆症状が良くなってきたのである。
介護というのは、肉体的なお世話のことばかりが頭にあったので、ちょっと認識を改めた。会話をすることは、かなりアタマを使う作業だとは聞いてはいたが、時にはいきなり質問を投げかけたり、親子の間なので腹を立てるような事をわざと言っていたのだが、これが良かったのかもしれない。
時には面倒くさく感じることもあるが、話し相手になるぐらいで親孝行ができるのなら、これくらいありがたいことはない。この4ヶ月でこれまでの長年の不孝をかなり挽回できたのではないかと内心ほっとしている。
とにかく、「孝行しようと思ったときは親は無し」ということわざもあるし、「どんな贅沢な環境よりも、親子の会話に勝るものなし」と自分自身に勝手に言い聞かせて、せっせと安上がりで手軽な介護を続けている。