CD番号 テラーク 99726/1-2(2枚組)
収録年 1991年
評価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)
総 合 B+ 学究肌のていねいな魔笛だが、歌手陣が物足りない
指揮者 B+ テャールズ マッケラス(1925~ )
管弦楽団 B+ スコットランド室内管弦楽団
合唱団 B+ 同 上合唱団
ザラストロ B+ ロバート・ロイド
夜の女王 A- ジューン・アンダ-ソン
タミーノ B+ ジェリー・ハドレー
パミーナ A- バーバラ・ヘンドリックス
パパゲーノ B+ トーマス・アレン
音 質 A+ 反響が綺麗に響き、不自然さがない素晴らしい録音
マッケラスはオーストラリア出身の指揮者で、オーボエ奏者を経て指揮者に転身している。レパートリーはバッハをはじめ大変広く、特にヤナーチェクのエキスパートとして知られている。
反響音がきれいに響き渡り、何だか広くて高い洞窟の中で聴いているような感じで実に心地よい。過不足のない実に素晴らしい録音
ただし、総じて歌手陣にはいまひとつ不満が残った。個別に見ていくと、次のとおり。
ザラストロ役(バス)はバスというよりもテノールに近い感じがしてクリアーすぎる。もっと、役柄のイメージにふさわしい重量感、野太い声量がほしい。
夜の女王のアンダーソンはやや声質が軽すぎる感もあるが熱演。
タミーノ役は不満。もっと歌唱力が欲しい。
パミーナ役は欲をいえばもっと柔らかさと抒情感がほしい。
パパゲーノ役は、きちんとした歌唱力だが、控えめすぎてメルヘン的な野性味が感じられない。
一言で言うと学究肌のていねいな魔笛という印象で、きちんと正面から真面目に取り組んで隅々まで考証が行き届いた演奏だと思う。しかし、はっきりいってそれ以上のものを求めても得るものはない。
室内管弦楽団なのでスケール感を望むのは無理な注文だが、やはり何か物足りない。
もっと歌手陣がしっかりしていたらこの盤の魅力も増してくるのだが・・・・・・。