「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~アンプ派とスピーカー派~

2010年05月12日 | オーディオ談義

アンプとスピーカーといえばオーディオ装置の中でも根幹をなす機器。

しかし、オーディオに熱が入って10年、20年と経っていくと自ずと分かれていくのが
「アンプ派かスピーカー派か」という色分け。

どちらに重心を据えるかという話だが、もちろんスピーカーを変えるほうが音質の変化が大きいので、アンプ派はちょっとした変化を好む保守派、スピーカー派は大胆な変化を好む革新派と言い換えていいかもしれない。

通常オーディオ装置を選択する順番は、まず好きな音楽のジャンルを基本に、その再生に適したスピーカー(SP)を選び、次に相性のいいアンプをというのがオーソドックスなやり方。

たとえばジャズの場合ならJBL、あるいはクラシックならタンノイを選択し、それぞれ相性のいいアンプを組み合わせるのが一般的。

さて、自分の場合はどうだろうか。

五味康祐さんの著書「西方の音」に感銘を受けてSPはタンノイⅢLZにはじまり、インパルス15、ウェストミンスターと一応スジを通したが、途中からクラシックもジャズも両方聴きたいと欲張ったため、一時JBLの3ウェイシステム(130A+375+075)に浮気したものの、今では「アキシオム80」をウェストミンスターのボックスに内蔵してピタリと落ち着いている。

問題はアンプである。

現在、所持しているのが5種類の真空管アンプとトランジスターアンプ。

トランジスターアンプはケンウッドのL-01A(メインアンプに改造)で決まり。100Wの出力とダンピングファクターの良さをかって低域専用に使用中〔2台)でスペア用として、もう1台保持。

真空管アンプの方は次のとおり。

               
       1                2                3

                      
                  4                   5

ただし、数はあるのだが、総じて「帯に短し、たすきに長し」の感があっていずれも決め手に欠けるのが悩みの種。

は出力菅が2A3のシングル・ステレオアンプでテレビの視聴用に使用中だが、出力トランスがイマイチ。2A3の真価はこんなものではないはずだがといつも思う。

は出力菅が近代のチェコのVV52Bで、先日「アキシオム80」用にどうかと試してみたが相性が悪く、テレビ視聴用のスペアとして待機中。

はこの2月に手に入れたアンプ。出力菅がPX25で出力トランスの方はあのオルトフォン(カートリッジ)の昇圧用トランスで有名なJS社製でスカッと抜け切った音が気に入って今のところ「アキシオム80」用にメインに使っている。

一時、「ジー」という外来ノイズの混入に悩まされたが、銅の塊をアースに仕立ててみると、自然と症状が治まった。

写真をクリックして拡大するとアンプの下に少し見えるグチャグチャとあるのが銅の塊でシャーシ(台)と線材で直結している。また、電源コードのアース先にも別の銅の塊を結び付けているが今のところ功を奏してか静穏。ただし、いつご機嫌が悪くなるか常に不安感が拭えない。

アースの材料は銅よりも銀のほうが電気抵抗が小さいのでより適しているが、何せ高価でおいそれと使えないので銅で我慢しているものの、自分のケースでは効果ありと思っている。

と同じくPX25を出力菅とするアンプで、従来から使用していたが増幅用に段間トランスを使っていたせいか高域の伸びがいまひとつ。よりも音質がずっと落ちる。

しかし、それが段間トランスのせいかどうか、この辺は諸説あって論争に介入する知識も勇気も持ち合わせ無いが、とにかく200ヘルツ以上を受け持つ「アキシオム80」には不適だと思ったので思い切って段間トランス(タンゴ)を外し、双三極管12AU7を前段にしてコンデンサー(「スプラグ」のビタミンQを使用)結合により、生まれ変わらせたばかり。

アンプのシャーシに穴が2つあるのが段間トランスを取り除いた後。音の方も中高域用としてうってつけで音のヌケが素晴らしく良くなりヤッパリ改造してよかった~。これなら十分にのスペアとして活用できるレベル。

知人に売り飛ばそうかと商談中だったが、思いとどまって正解だった。

そして
はここ1年ほど眠っているアンプ(モノ×2台)。銘管と定評のあるウェスタンの300B(オールド)を出力管とするもので、使わないとホントに勿体ない。これも段間トランスが入っているので、の改造に味をしめて同様の改造を計画中。

改造後は「アキシオム80」をフルレンジで鳴らすときに使ってみようと愉しみにしている。

WE300B(アメリカ)とPX25(イギリス)の両三極管の対決は実に興味深い。優劣は簡単に決められないのであとは好みの差ということに。

M崎さんによると往時はWE300Bが高価すぎて手が出ない人がPX25に流れていたという。これまでPX25は3本ほどツブしたが、WE300Bは一度も交換したことがないほどでさすがに国策として軍事用に作られただけあって耐久性の方は驚異的。

それはさておき、こうして振り返ってみると自分はどちらかといえばアンプ派に属し、根が保守的だと自覚しているが、故障したときに不安なのですぐに代替が利くように収集してきた側面もある。

どちらかといえば不安症でオーディオ装置に限らず気に入ったものなら同じものを二つも三つも準備する癖があり家人から笑われている。

しかし、とうとう肝心のカミサンのスペアは今後も確保できそうにないのが残念無念!

さて、知り合いのオーディオ愛好家のうちでスピーカー派といえば湯布院のA永さんに尽きる。自ら「ラッパ屋」と自認されているが持ち物がすごい。

CN191クリプシュコーナーホーン、JBLパラゴン、同じくJBLの3ウェイシステム(130A+375+075)、ハートレー(64cmウーファーによる3ウェイ)のシステム、アキシオム80、アポジー(リボン型)、そして現用中のウェスタンの555+15Aホーンといった具合。

往年の名器が勢ぞろいといったところだが、A永さんの夢は大きな部屋を準備していろんな種類のスピーカーを4面に置いて常時鳴らせるようにしたいとのこと。

スピーカーを楽器と考えると、いろんな音色を楽しめるのでこれは十分理にかなった話だがそれにしてもスケールがでかい。

 


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