前回からの続きです。
はじめに、記事全体が分かりやすい様に写真を再掲。
まず、強力な磁石が詰まっている本体の胴体に、ダイアフラム(以下、「フラム」)を取り付ける作業はどうにか終了。正対した2本のガイドピンに合わせてフラムを載せて本体との隙間がないことを確認して、8本の小さなネジを(フラムに)順次挿入して締めつけていった。
この時に使用したのが、事前に購入していた「プラステック・ドライバー」である。(写真再掲)
金属製のドライバーだと、本体の強力な磁石に引きつけられて、ドライバーの先がフラムを突き破る恐れがある。しかし、この期待した7センチほどのドライバーは意外にもろかった。強化プラスティックとうたっているものの、ちょっと力を入れて締めるとあっさり破損。
先端がネジ穴に残ってしまい、慌てたがカッターナイフの先で削り取って無事取り除いた。締めるときに微妙な力加減が必要だと分かった。
けっして役に立たないということではないが、最後の力強い”ひと締め”だけは、やはり金属製ドライバ-に頼った方が無難のようである。ネジのスペアが4個付いていたので、再度付け直して、その要領で進めていった。
ネジ締めが終わると、いよいよ作業のポイントとなるフラムのターミナル箇所と配線材とのドッキング。
ここからの作業はとても一人では難しいのでお隣のご主人に声をかけて来てもらった。これまでにも、重たいスピーカーの上げ下ろしなどのときにいつも加勢してもらっている。70代半ばの方だがいつも気軽に一つ返事で来てくれるのでほんとうにありがたい。
近くの碁会所に通われるほどの、碁が大好きな方なのだが「(自分は)碁はまったく、たしなまない」ので相手をしてやれないのが残念。
こういうときに、カミさんが居てくれると助かるのだが、「家にじっとしているよりは仕事で外に出た方が面白い」という生粋の外交派だから困ったことだ。そのせいで、洗濯物の取り入れや昼食の支度と後始末、風呂の掃除と湯加減などのお鉢が回ってくる。
俺は主夫ではないぞ!(笑)
さて、すぐに来ていただいた「ご主人」に、説明もそこそこに写真左側の裏蓋を微妙に傾斜した角度で持っていただいて、ターミナル部分の2個ある小さなネジのうちの1本を外した。
アッ!
ここでハップニング。何と、小さなネジがフラムの内側にある強力な磁石に吸い取られて(フラムに)ピタッと張り付いた。
そ~っと、指先でつまんで(フラムから)引き剥がしたが貫通して穴は開かなかったものの、当たった個所に小さな凹みができてしまった。「いったい、何をやってんだ!」。
この程度なら音に物理的影響はないかもしれないが、心理的には「?」。
ドライバーの引きつけに囚われて、ネジまでもが吸い付けられることは思いもしなかった。それにしても恐ろしい吸引力。これだから素人はやってられないなあ~と、慨嘆。
とにもかくにも、どうにか難所を乗り切ってひとまず終了。お隣のご主人には丁重にお礼を申し上げて引き取ってもらった。
いよいよ「375」に小さな「蜂の巣」ホーンを取りつけて音出し。音声コードを接続して、アンプのスイッチをオン。
アレッ、左チャンネルはいいものの右チャンネルからまったく音が出ない。ヤレヤレ、またやり直しかよ~。
ため息をつきながら再度、開けてみると何と配線材のターミナル部分のハンダが外れていた。これじゃあ、音が出ない筈だわなあ。俗にいう「いもハンダ」である。自分の不器用さに思わず腹が立ってくる。
「何回もスミマセン」と、恐縮しながら再び隣のご主人に来てもらって再度、作業のやり直し。
これでひとまず終了して、今度は大丈夫だろうと、音出しを試してみるものの、これまた「サッパリ」音が出ない。
おかしいなあ!どうも原因が思い当たらない。もしかしてオークションで落札したダイアフラムに原因があるのかもしれない。
とうとう匙(さじ)を投げてしまった。
以前、「AXIOM80」を2回修繕してもらったことがある岡山のSP修理専門店に泣き付いて27日(土)に送付。
そういうわけで現在、結果待ちの状況である。昨日(1日)の午後、電話を入れてみたらまだ順番待ちの状態だった。「原因は大体わかってます」とは、店主の言葉だが、商売繁盛でまことにご同慶の至り。
オーディオ機器のうちスピーカーだけは昔からそれほど原理も変わっておらず、むしろ強力なマグネットを使っているせいで性能がいい。修繕しいしい、愛着を持って使っている人が多いのだろう。
今回の教訓だが「ダイアフラム」の交換は、やはり専門家か専門店に任せた方が無難のようだ。