2週間ほど前の11月2日(金)のこと、日課となっている「ウォーキング」の道すがら、「100円ショップ」に立ち寄って偶然、CD収納用の「両面不織物ケース」を発見したのがすべての始まりとなった。
わずか100円でCDが50枚も収納できるメリットにすっかり引きつけられてしまい、選びやすさや部屋の方も大いに”片付くし”と一石三鳥の効果を狙って、爾来、整理するファイルなどを追加購入して毎日コツコツと作業を続けた結果、ようやくこの14日(水)をもってすべて完了した。
結局、クラシックでは作曲家ごとに、そしてジャズでは「ボーカル」「有名アーチスト」「アト・ランダム」といった具合に仕分けしたファイルが全部で27冊になってしまった。最上段がCDケースに入っていたジャケットや解説など紙物類を納めたファイルで、ラックの中がCD本体を納めたファイル。
ファイル1冊あたり平均30枚のCDを収納しているとして単純計算だと約800枚になる。ほかにもオペラ「魔笛」(モーツァルト)の44セットやボックス入りの全集、シリーズ物はそのまま手つかずの別途保存なので、全体ではまあまあの保有枚数となる。
しかし、クラシック以外のジャズ、ポピュラー、歌謡曲などだけでも合わせて10冊になるので、いわゆるジャンルを問わず”音楽なら何でもあり”の八百屋さんみたいなものかもしれない。
もともと幼い頃の記憶が相当影響している。まだ小学校に上がる前の年端もいかない頃に、1週間に一度、日曜日になると必ず祖母に連れられて近所の映画館に行っていた(福岡時代)。
その頃の映画で今でも想い出すのは「美空ひばり」が主演した東映映画で当時の主題歌がすっかり脳裡に焼き付いている。今でも「べらんめえ芸者」や「花笠道中」なんか懐かしくて大好きである。
おかげで「ひばり」ちゃんのCDはかなり持っているが、そのうちベストだと思うのは昭和48年1月19日に録音(ライブ)された「美空ひばりオン・ステージ」(2枚組:東京厚生年金会館大ホール)。当時、彼女は30代後半の心技体がもっとも充実していた頃で声の艶といい張りといいまったく惚れ惚れするほどで、このCDはいまだに愛聴してやまない。
ただし、惜しいことにこのCDは今では廃盤となっている。とにかく彼女は空前絶後の大歌手だと思っている。
それから中学時代はビルボード誌のヒット・ランキングを毎週チェックしてポピュラー音楽に熱中していた。そういうわけで自分の音楽好きの出発点はその辺にあるので、やっぱり「三つ子の魂百までも」である。
結局、音楽的な”出自”は正直言ってイマイチかな~(笑)。
ところで肝心のクラシックのCDについては、今となってはまったく聴く気にならないものが相当ある。他の演奏者と比較する意味で購入したものがかなりあって、一度聴いてみて好みに合わないと思ったものは以後あまり聴く気がしない。
したがって有効活用する意味でオークションに出す方法もあるのだが、簡単に右から左へというわけにはいかず、まあたった一度とはいえ、脳裡に自分の足跡として刻み込まれたものには何となく愛着が残るものだ。
それに、これらのCDはすべて薄く「カット」を施しているので、有料で譲渡するとなるととても無理だろう。神経質な人が手に入れたらきっと”怒髪天を衝く”に違いない。
はてさて、この「CDにカット」とは何ぞや?
これについては、ずっと昔のブログに載せたことがあるが、おそらく大半の方が「忘却の彼方」と思うので改めて要約して再掲させてもらおう。
「これはCD盤の表のレーベル面の中心部から外側に向けてスーッとカッターナイフで薄く線を入れて、(レーベル面の)裏側に微かに線を残す細工である。これは一部のマニアでは支持を受けているが、業界では物議を醸しオークションで流通できないなどの理由で猛反対を受けていて、あまり公にされていない。
たしかに、これにはCD盤へのカッターナイフの力の入れ具合など微妙なコツが要るのであまりお薦めできないし、くれぐれも真似しないほうが無難。
このカットはCD盤の高速回転に基づく渦電流を打ち消す効果があると聞いているわけだが、この11月10日(土)に我が家に試聴に来たオーディオ仲間のU君(機械工学専攻)から、実に分かりやすい説明をもらっている。
CD盤にはレーザー光を反射させるためのアルミ蒸着膜が張ってあり、これが(再生時に)高速回転するときにCDプレーヤーのモーターやそのドライブアンプなどからの漏れ磁界により渦電流を発生させる。音質を悪くするのは生じた渦電流により別の磁界が発生してその磁界がモーターの回転精度やドライブ・アンプに悪さをするのだろう。
以上、理論的に裏付けがあるわけで、たしかに実際に聴いてみて自分は効果があると実感している。」
以上である。
さて、話は戻って一応CDの整理は出来たものの問題は使い勝手である。私たちがCDを聴くときに、最初に深く脳裡に刻み込まれているのは何といってもCDのジャケットである。このジャケットを観てからおもむろに中身のCD本体を取り出すという順番の習慣が恐ろしいほど身についているのを今回深く実感した。
したがって、まずおもむろに解説用ファイルをひも解き、それからファイルのCDの順番を確認するという行為が欠かせないのでかなりの二度手間となるのはマイナス。それに、一度聴いたCDは必ず元のファイルに収めることも必須事項である。
また、膨大な空のCDケースの直し場所も必要である。自分の場合、小さな倉庫に山積みになっていて、いずれ廃品回収に出す積もりだが、しばらくは様子を見ないと早計は禁物。
それでも、以前と比べてはるかにCDがコンパクトに整理され、取り出しやすいので今のところマイナスを補って余りある効果があると思っている。第一、部屋の中の見た目が良くなったしスペースも大助かり。
それに今回所有しているCDのすべてに目を通したので全容を把握しているという自信がついたし、同名の曲目を演奏者ごとにまとめたので選択しやすいのも大きなメリットである。
とにかく実際にファイルに直し込む、直し込まないは別として、たまには所有しているCDにすべて目を通して、作曲家、曲名、演奏者などを記帳して選択しやすくしておくのも悪くないと思うのだが、どうだろうか。