「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

JBL375の「ご帰還」

2012年11月07日 | オーディオ談義

5日(月)は早朝からシトシトと冷雨の状態。

「外に出かけない方がいいよ」という合図みたいなもので、これ幸いと家に閉じこもって前回のブログに記したようにCDの整理に勤(いそ)しんだ。

11時半ごろになって、そろそろ昼飯時だなあと思っていたところ、玄関のチャイムがピンポ~ン。「さあ、お客さんが来たぞ~」と出てみると、宅配便。何と、修理に出していたJBL375の1週間ぶりの「ご帰還」だった。

「修理が完了しましたので商品を送ります。代金は引き換え払いなので〇〇円を用意しておいてください」の連絡も何もないままの”いきなり”なので少々驚いた。もちろん、うれしい驚きだがそれにしてもこのSP修理専門店の店主さんは非常に気持ちのいい方で腕も”たしか”だが、忙しすぎるのだろうか、お客とのコミュニケーションは「?」。

代金を支払って、すぐに電話して修理の状況を訊いてみた。

「コイルが切れていたので直しておきました。リード線は太すぎてダイアフラムに当たる可能性がありますので細いテフロンのシルバー線に交換しました。」

「このダイアフラムはオークションで購入したものですが、それ自体に欠陥があったということですね。」

「自分でダイアフラムを購入して作業される方がありますが、お勧めできませんね。センターリングというのは非常に難しい作業なんですよ。プロの場合は10本ほどのダイアフラムから本体と相性のいいものを選ぶ作業をやりますが、素人さんは2本だけ買って合わせようとしますのでどだい無理です。」

そう言われると急に自信がなくなってきた。

「手元の1本は自分で作業したものですが、念のため送付しましょうか?」

「まあ、そのまま使ってみて音が歪んだりしたときは送ってください。それから、修理したダイアフラムは375の後継機種の2441用ですね。375用と比べると低音は出ませんよ。その代わり高域の伸びはいいようです。値段は一番高いです。」

「カタログデータでは500~18000ヘルツとありましたが、大丈夫ですかね?」

「そんなに出ません!せいぜい上は9000ヘルツぐらいでしょう。」

「それならツィーターを付けた方がよさそうですね。また、異常が出たときはよろしくお願いします。」

ウ~ン、結局オークションでマガイもの(2本のうち1本)を掴まされたわけである。「評価」を保留にしていたのだが、「悪い評価」を付けてやろうかと思ったが、何せJBLの純正にしては価格がすごく安かった。今回の修繕代を合わせても、まだお釣りがくるほどなので実質的に損はないことだしと、思い直して「知らん顔」をすることに決めた。今さらケチをつけても、逆に「返してくれ」と言われると困るしね~。

とにかく、CDの移し替え作業を中断してすぐに第二システムへのJBL375の取り付け作業にかかった。もちろん、昼食も後回し。こっちの作業の方が”誘惑度”大で胸がワクワクする。

この375には以前、ウッドホ-ンを付けていたが思うように鳴ってくれず、やむなく外したのだが、新しいダイアフラムで音が変化した可能性があるので、再度ウッドホーンを取りつけて試聴してみることにした。(375は)めちゃ重いが図体が小さいので作業は一人で十分。

         

375の下の折りたたみの段ボールは見てくれは悪いが、振動防止には抜群の効果で目下この方式を愛用中。

40分ほどで左右両チャンネルの作業が終了して、いよいよ期待の音出しである。

念のためシステムの概要を記しておくと、低域のSPユニットはJBLのD-130(38センチ口径)で、ハイカットは200ヘルツ(6db/oct)。アンプはケンウッドのDCアンプ「01-A改」。

中高域はJBL375でローカットは300ヘルツ(6db/oct)、低域が出にくいダイアフラムというのでオイル・コンデンサーを4個かまして、既定値の500ヘルツよりもぐっと下げてみた。壊れても知らないぞ~。

駆動するアンプはプリアンプ経由で「PX25・2号機」真空管アンプ。

いやあ、スゴイ音が出てきた!

周波数特性に山や谷がなくて、すべての帯域に亘って均一にエネルギーが充満している印象と言えばいいのだろうか。広帯域化している2441のダイアフラム(16Ω)で、375がこんなに変わるとはうれしい驚きだった。こういうことがあるので、うかつにオーディオ機器は手放せない。

現在、「375」を使っている方でご不満を感じる方はどういう素性のダイフラムを使っているか、専門店で一度確認された方がいいと思う。

それにしても、わずか数ワットの出力の真空管アンプでこれだけ鳴ってくれれば言うことなし。久しぶりにジャズを聴く意欲にかられて「サキコロ」を聴いてみたが、シンバルがやっと自分の理想とする「重たい高音」で鳴ってくれた。これなら、高域専用のユニット(ツィーター)は、むしろ付けない方がいいくらいだが、ほんとうに悩ましい問題。

とにかく「AXIOM80」に求められない良さがあることはたしかである。

次に、ものはついでとウッドホーンから切り離した同じJBLの「LEー85」を小型の「蜂の巣ホーン」を付けて第三システムに組み込んだ。

             

一室にシステムが3系統あると雑然としていて、配線も丸出しで実に”見てくれ”が悪いが楽しみが多い分、仕方がない。我が家の場合は「オーディオルーム」ではなくて「オーディオ実験室」という呼称がふさわしいようだ。

ちなみに、この第三システムは次のとおり。

低域  アンプ:真空管「2A3」シングル、SPユニット:「AXIOM301」(ハイカット 1200ヘルツ)

中域  アンプ:真空管「PX25・1号機」、SPユニット:JBL「LEー85」(ローカット800、ハイカット7000ヘルツ)

高域  アンプ:中域と兼用、SPユニット:JBL「075」(ローカット 8000ヘルツ)

端正でまとまりがある音で、これはこれでなかなかよろしい。

「近いうちに」ご来訪予定のオーディオ仲間たち(福岡)4人に試聴してもらって、3系統のシステムの人気投票をしてもらう積もり~。


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