「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

改造して戻ってきたプリアンプ

2013年01月12日 | オーディオ談義

ずっと以前に「プリアンプはもう要らない?」(2010・6・22)との記事を登載したことがある。

ブログなんて哀れなもので、およそ1回読み切りであとは消え去るのみの運命だが、この記事は珍しくいまだに閲覧が続いていて毎日40件程度をウロウロしている。これは「ちあきなおみはなぜ歌わない」と同じレベルのロングランのヒット作(笑)。

これは察するに、この頁を読んだ方が興味を引かれてとりあえず「お気に入り」に登録し、以降このブログを見るときにアクセスの手段として使っているのだろう。

この記事の大意は、「CDが普及してレコードを聴かなくなったのでプリアンプの機能はアッテネーターで間に合う。したがってプリアンプは不要だ」という趣旨だった。共感された方が多かったのだろう。

ところがである。「君子豹変す」と言うとおこがましいが、今ではシステムの中に2台のプリアンプ(いずれも真空管式)を駆使しており、この記事は現状とそぐわなくなったため、ちょっと気が引ける存在となっている。まあ「・・・要らない」と疑問符をつけているところに免じて許していただこう(笑)。

どうも長くブログを続けていると以前の記事と随分矛盾した内容になったりしてときどき困ってしまうが、その時、その瞬間に思ったことを書いているのでどうか悪しからず。

さて、なぜプリアンプを使う心境になったのかといえば、実際に試してみてアッテネーターに比べ中高域部分で耳に心地よいフワっとした上質のふくらみが感じられるからで、音質に対して能動的に働きかけてくれるところが気に入った。まあ、それだけ上質のプリアンプが手に入ったというわけだが、それも非常に安価に。

2台とも入力1系統、出力は2系統でセレクタースイッチやトーンコントロ-ル、バランス調整などのツマミはいっさいなし。使ってある真空管もミニチュア管の2本だけという超シンプルな回路で図体ももちろん小さくて使い勝手が抜群。

以前、名器とされる「マランツ7」(復刻版)を持っていたが、音質自体は気に入っていたもののレコードを聴かなくなったし、図体が比較的大きいし、12AX7(真空管)を6本も使ってあったり、トーンやバランスコントロールもあったりなので2年ほど前にあっさり知人に譲ってしまった。

この2台のプリアンプは「マランツ7」と比較していっさい音質に遜色がないと断言できるので安心して使っている。1台はリチャードアレンのフルレンジSPユニットに使用し、残る1台は「JBL3ウェイシステム」と「AXIOM80」の2系統のシステムの中域用に向けている。つまり、JBLの「375」ドライーバーと「AXIOM80」という我が家のシステムの生命線で大活躍中。

しかし、低域用には音量調整用として相変わらず「アッテネーター」を使用していたのでいずれ上質のプリアンプを手に入れたいと思っていたところ、何という神様の思し召しか、12月中旬に知人のご厚意で「真空管式のプリアンプ」を譲っていただくことになった。

10年ほど前に自作したものの、音出しをする前にアキュフェーズの「デジタルプリアンプ」を購入され、もはや使い道がないとのことで、それなら「ありがたく使わせてください」と欣喜雀躍。「お金は要りません。有効に使っていただければ結構です。」とのことで、今どきの「世知辛い世の中」でまるで「憩いのオアシス」みたいな方である。

拝見したところレコードに必要なフォノイコラーザーはなし、真空管6DJ8(ECC88)を2本使ったシンプルな構成で、使ってある部品も高級品ばかりでまさに夢に描いた理想のプリアンプ。ただし、入力が4系統、出力が1系統なので、この辺の改造をしていただくためお馴染みのMさん(奈良)に連絡の上引き受けてもらった。

そして、改造が済んで戻ってきたのが1月9日(水)のこと。すぐに今まで使ってきたアッテネーターを外してプリアンプに繋ぎかえて試聴。

           

「マランツ7」を使っていたときの記憶に低音域にプリアンプを使うと「ボワ~ン」といったふくらみが過剰になって、量感はともかく分解能の点で懸念していたのだが、見事に締まった音が出てきたのには驚いた。

真空管のプリにトランジスターのパワーアンプ(ケンウッド「01-A」改)の異質の組み合わせも、これなら十分合格。

これでしばらくいろんな実験がやれそうである。たとえば、このプアリアンプを低域だけに使うのではなく「375」や「AXIOM80」用の中高域に使うことも十分考えられる。

ただし、自分は「駄耳」なので知人に来ていただき一緒に試聴してもらって、どちらがいいかご意見を伺うことにしよう(笑)。


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