「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

長時間聴いても疲れない音

2013年01月08日 | オーディオ談義

それほど広くもないスペース(6m×7m)に3系統のシステムがひしめきあっている我が家のオーディオルーム。

音響面では明らかにマイナスなのだろうが、目先が変わっていろいろ楽しめるというプラス面もあって功罪相半ばするといったところだろう。

機械モノは毎日通電してやる方がいいと聞いているので各システムをまんべんなく使用するように心がけているが、それぞれに捨てがたい味があってどのシステムがベストとはなかなか決め難いが、今のところ一番視聴時間が多くて健闘しているのがSPユニットのリチャード・アレン「ニューゴールデン8」(口径20センチ)を使ったフルレンジ・システム。

          

このシステムは極めてシンプルな構成である。

テレビチューナー(RCA出力アウト) → プリアンプ → パワーアンプ(真空管2A3シングル) → SPユニット(自作のボックス入り)というだけなのだが、実に音のバランスが良くて聴きやすいし、しかもコストが非常に安く仕上がっている。

プリアンプは中国製のものをオークションで格安で落札して、Mさん(奈良県)に改造していただいたもので、手持ちの余っていたシーメンスのコンデンサーを音声回路の一部に使ってもらったことで飛躍的に音質が向上した。ボリュームコントロールだけ付属の極めてシンプルな回路で真空管式タイプであり、お馴染みの「12AU7」と「12AX7」が1本づつ使われている。

このシステム全体の特徴は、何といっても3ウェイなどの構成のときに必要悪として使われるネットワークを使っていない(チャンデバだって同罪である!)ことにあり、さらにデジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバーターを使っていないところにもあるが、そのせいか音が自然で何時間聴いても少しも耳(脳)が疲れない。

オーディオシステムの音質の評価基準は、それこそキリがないほどあって個人の好みの差によって優先順位がクルクル変わるわけだが、我が家の場合「長時間聴いても疲れない音」というのが上位にくるのはたしかである。

近年、人生のステージによって好む音が変わってくることを痛切に実感している。

現役の方々は、とにかく仕事が忙しくてオーディオに割ける時間もなく(以前の自分がそうだった!)、たまに聴くときは刺激が欲しくてメリハリの利いた音を愛好するものだが、現在の自分のように家に居りさえすれば年中機器のスイッチを入れっぱなしの状態だと「身構える必要がなく、しかも聴き疲れしない音」が実に身近になって重宝する存在となっている。

何度も書いてきたが「魚釣りはフナ釣りに始まって、フナ釣りに終わる」という名言があるが、オーディオも「フルレンジに始まって、フルレンジに終わる」のも、あながち的外れではないような気がする。

誰もが経験することだろうが、はじめの頃に聴き始めたフルレンジを含めたシンプルなシステムにあき足らなくなって、2ウェイ、3ウェイなどと複雑な構成へ発展していくのがオーディオの常道ともいえるわけだが、こ
こでおよそ40年以上ずっと(オーディオの)迷路を彷徨しつづけてきた経験者から一言。

素性のいいフルレンジ・ユニットを持っておられる方は、いきなり廃棄したりせずに大切に保管しておくといずれ役に立つ時がきっと来ますぞ~(笑)。

 


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