「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

話題あれこれ

2013年01月19日 | 独り言

どうやらオーディオも一段落したことだしと、17日(木)は朝から図書館に足を運んだ。

予約していた図書が2冊あり「準備が出来ました」のメールが届いたので受け取りに行ったわけだが、折り返しそのまま引き返すのも芸がないので、かねて気になっていた「文芸春秋1月号」を書架から抜き出して読み耽った。

新聞広告で見たのだが、前中国大使だった「丹羽宇一郎」(にわ ういちろう)さんの手記がお目当てである。

「尖閣に始まり尖閣で終わった2年4カ月の在任中、大使時代に見た日中関係の実相をお伝えしたいと思います。」とのこと。

丹羽さんは伊藤忠商事の会長や政府の公職を歴任された方だが、個人的に10年以上も前から注目しており、いろんな著作を読んだり
言動を仄聞する限り、非常に完成度の高い人物で心から畏敬の念を抱いている。周知のとおり民主党の岡田さんが外相のとき、初の民間人大使として抜擢された経緯がある。

手記の内容は全体的に当たり障りのない内容で、大使を辞任されてからまだ日も浅くあまり生々しいことについては遠慮されている様子が伺えた。

以前、朝日新聞に投稿された記事も読んだことがあるが「尖閣問題の発端は石原前東京都知事による買収問題にあるが、領土問題は国の専管事項なので君は黙っていなさいと、なぜ時の首相である野田さんがはっきり言えないのか」と憤ってあり、その通りだと思った。

野田さん云々というよりも、人脈も含めてこの辺が民主党そのものの限界だったのかもしれない。

ついでにパラパラと文芸春秋を読んでいると、後半に「中村勘三郎」が食道がんの手術による後遺症で亡くなったことについて、ここぞとばかり”がん”手術反対論者の「近藤 誠」氏(医師)が寄稿されていた。

この方が以前からガンに関して語っていることの中核は、「手術は危険、ほとんどのがんに抗がん剤は効かない、がん検診は百害あって一利もない、がんという病名を本人に知らせるべき、という4点」だが、その趣旨に沿って放射線治療をしておけば中村勘三郎ももっと命を永らえたのにという内容だった。

今や国民の二人に一人が”がん”に罹る時代と言われているが、いざ自分がその身になったときに外科手術を受けるか、放射線治療にするか、そのまま放置するか、慎重な決断が求められるところ。おおコワ!

ところで、中村勘三郎で思い出したが去る12月の初旬、朝食のときにテレビのニュース速報でテロップが流れだしたので一瞬、箸を止めて画面を見入ったところ、何と「同人」の死去のニュース。「な~んだ、歌舞伎役者が死んだくらいでニュース速報?」と、いささか驚いた。たしかに、まだお若いし、伝統芸能の普及に果たした功績も多大だったのだろうし、お気の毒ではあるが。

つい先日の「大島 渚」の死去のときにもカミさんによるとニュース速報が流れたようで、はたして芸能関係者が亡くなったことを国民が1分1秒でも早く知ったところで何かメリットはあるんだろうかと、ふと疑問に思った。地震とか大事故ならいざ知らず~。

こういう考えを持つ自分の方が、はたしておかしいのかな?

ところで冒頭に戻って図書館で借りてきた2冊を、この2日間に亘って読み上げた。

           

いずれもミステリー。

☆ 「特捜部Q~Pからのメッセージ~」

舞台はコペンハーゲン警察。「特捜部Q」とは未解決事件を専門に扱う部署のこと。物語の発端は海辺に流れ着いたボトルメールの謎。ボトルから取り出された手紙には血でかかれたような「助けて」との悲痛な叫びが。書き手の名前の頭文字はP。だが、手紙の損傷が激しく、内容の完全な判読は難航した。Pはどうやら誘拐されたようだが、過去の記録には該当する事件は見当たらない・・・・。北欧を代表するミステリ賞「ガラスの鍵」賞に輝く著者の最高傑作!

なかなか触れ込みはいいのだが、さてどれどれと読み進んでいくうちに北欧のミステリーが持つ独特の雰囲気に惹き込まれていく。コナン・ドイル(シャーロック・ホームズ)に始まるイギリスのミステリーのようなスマートさも欲しい気がするが、これは好き好きだろう。しかし、濃厚な人間関係やセ〇〇ス描写がかなりどぎついのは相変わらず。

全体を読み終わっての感想だが、たしかに読ませるものがあるが中身の方はだいぶ水増しされた感じ。とにかく寄り道が多すぎる。この程度の内容なら半分程度の分量に圧縮出来るはずだ。

☆ 「汚れちまった道」

待望の内田康夫さんの新作である。浅見光彦シリーズは軽く100冊を超えているが、99%は読んでいる自信がある。このシリーズは謎解き云々というよりも、文章が読みやすくて、ほのぼのとした味わいのもとに爽やかな読後感に浸れるところがいい。

ミステリーの鉄則の一つとして「犯人は筋書きの始めの方から登場しなくてはならない」というのがあるが、このシリーズは途中とか後半でいきなり犯人が登場したりするので厳密に言えば娯楽小説に近いといえる。

しかし、近年の作品は往年の時期と比べて少し密度が薄くなっている傾向が伺われるので、いささか懸念しながら読み進んだが真中あたりくらいから運びがやや冗長に流れていきだしたのでやっぱり不安が現実のものに。

全体を読み終わっての感想だが、残念なことに「内田さん、老いたり」の感は否めない。

連作の「萩殺人事件」も予約しているので、今度はこれに期待することにしよう。

ところで、長いこと療養していた横山秀夫さんの最新作「64」が凄い人気だ。ネットで予約したところ、何と順番が36番目。これではとても待てない。よくても1年後以降になるだろう。

よし、娘に購入させるとするか(笑)。


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