前回のブログで登載したように、知人のご厚意で譲っていただいたプリアンプの導入で、機器同士、たとえばプリアンプとパワーアンプの組み合わせの範囲が一気に広がり、このところ朝から晩までいろんな「音の実験」を夢中になってやっている。
とにかくこのプリアンプの可能性には大いに痺れている。今のところ、2系統の出力のうち1系統はJBLの3ウェイシステムの低域用(D130ユニット:口径38センチ)アンプに接続し、もう1系統は「AXIOM80」用の「WE300Bシングル」(モノ×2台)に繋いでいる。
もっとも、駄耳による試聴では心もとないので(笑)、土曜日の午前中にオーディオ仲間のAさんに来てもらって一緒に聴いていただいたところ、「いい音ですねえ。立体的に鳴っていますね。これまで聴いた中で最高の音になってます。どこをどう変えたんですか?」
「いやあ、今回は従来の(パッシブ)アッテネーターに替えて新しいプリアンプを導入しただけですよ。」
そこで、しげしげとプリアンプをご覧になって「凄いボリュームが使われてますね!」
上記は前回のブログにも掲載したプリアンプの全景写真だが、右側下部の黒い抵抗が沢山使ってある筒状のボリュームがご指摘のあったもので、最高級とされるデイルの巻線抵抗を使った非常に凝ったツクリである。ボリュームの可変位置ごとに1個の抵抗だけが働く仕組みになっているとのこと。プリアンプを実際に製作される方なら、このボリュームの凄さがお分かりになることだろう。
「ボリュームでこんなに音が変わるとは!」と、改めて驚かれていたが、Aさんはボリュームが音質に与える影響に極めて神経質な方で、通常のボリュームでは飽き足らず、トランス式のボリュームを愛用されているのですぐに目敏く気が付かれたのだろう。
今さらながら、元の持ち主のこだわりと慧眼による選択に感謝だが、今回改造を依頼したMさん(奈良)により「左右電源の分離」「動作点の見直しによるプレート電流の増加」「デカップリングコンデンサーの追加」「信号の流れを考慮したアース回路の見直し」などの総合力の賜物であることは言うまでもない。
しかしながら、今回改めてボリューム機能について深く考えさせられた。
ボリュームの弊害については大概のオーディオマニアなら分かっているはずで、我が家でも必要ない限り出来るだけ使用しないことにしてきた。まず真空管のパワーアンプ5台のうち3台は、購入時にボリューム機能が付いていたが、残らず削除処分にした。パワーアンプにボリュームを付けたままにしておくなんて「許せない!」(笑)。
したがって、現在使っているボリューム機能はDAコンバーターとプリアンプ3台だけ。
現在使用中のDAコンバーター(ワディア27ixVer3.0)はデジタルボリュームが付いているが、何せ古い製品なので、今ではもっと優れたボリュームがきっとあるはずだが、精密なデジタル機器の内部に組み込まれているのでさすがに改造というわけにはいかないのが残念。
プリアンプ3台のうち、今回の1台を除いて残り2台は普通のボリュームだが、これらを同じ仕様のボリュームにするともっと凄い音になるかもしれないと、ちょっと食指が動く。
近年、我が家のオーディオは「もう、あまり”いじる”ところはない」と思っていたが、ボリューム機能の見直しという新たな楽しみが加わったのはうれしくなる。
まったく、「オーディオ」ってのは”キリ”がないなあ(笑)。