「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ予備軍の育成

2013年10月03日 | オーディオ談義

家内の学生時代の親友にKさんという方がいる。宮崎との県境に近い県南のS市在住だが、その息子さん(仮にK君としておこう)が4年前に縁あって別府市内の公的機関に就職された。

地元なので爾来、折にふれ何かと相談に乗ってあげているが、今回は仕事がらみのアンケート調査の依頼ということで29日(日)の夕方、我が家にご来訪。折角だからと、夕食を一緒にした後で定番のオーディオルームへご案内。

ハキハキした20歳代半ばの好青年である。
詳しく伺ってみると、お母さんはママさんコーラスで活躍、お父さんは地元のブラスバンド部ということで、血筋は争えず我が家のオーディオシステムにも興味津々。

                  

「ジャズファン」とのことなので、JBL3ウェイシステムを中心にいろいろ聴かせてあげた。

「カッコいいですねえ。僕もぜひこういうシステムを持ってみたいです。どんなに仕事で疲れて帰ってきても、音楽に浸ると癒される気がします。」

よく伺ってみると、今の部署は猛烈に忙しくて毎晩10時近くまで残業とのことで、そりゃ大変。

手軽に楽しめる趣味の一つや二つは持っておかないと、長いマラソンレースの途中で息切れしてしまう可能性がある。オーディオはいったん揃えておくと、手軽にスイッチひとつで音楽が楽しめるのだからそういう意味では最適の趣味だろう。

ふと「この際だからK君にオーディオの楽しさを教えてあげようかな」という気が湧き起こった。

若い人への(オーディオの)啓蒙なんかこれまで考えたこともないし、そういう資格があるとも思わないが「そういえば昔、ヘンな“おじさん”がいていろいろ教えてくれたなあ」と、K君の記憶の片隅に残るのも悪くはあるまい(笑)。

それに衰退の一途を辿る正統派(?)のオーディオだが、音楽を通じて人生を豊かにできる趣味なので微力ながら予備軍の育成にも貢献したいところ。


「おじさんは長いことオーディオをやってきたけど、随分回り道をして今思えば無駄遣いをたっぷりしてきたからね。もし、オーディオに興味があるのなら、自分の経験を踏まえてあまり損をしないようなアドバイスぐらいは出来ると思うよ。」

「ぜひ、相談に乗ってください!」と真剣な“まなざし”。

とりあえず、K君はまったくのオーディオ初心者なので、音の入り口から出口まで機器ごとに詳しく説明したが、何せシステムが3系統もあって複雑なのでどれだけ理解してもらえたか、いささか自信が無い。

当面、K君にとって一番いいのは「理屈よりも実践」で簡単な入門機器を揃えて好きなジャンルを沢山聴くことに他ならない。きっと、そのうち自分なりの座標軸が見えてくることだろう。

そこで、この際我が家の機器の中で使っていないものを有効利用するのも一案。

そういえば真空管式のプリアンプ、パワーアンプ、そしてスピーカーが1セット余っている!

実を言うとオーディオ機器は要らないと思った物でも、後になると必要になることがあるので“うかつ”に処分しない方がいい。これは長年の経験から得た自分なりの教訓である。まあ、気が変わりやすいという本人の資質の問題もあるのだが(笑)。

したがって、システム一式をK君にそっくり差し上げるのはちょっと“ためらう”。それに、長続きするかどうかも分からない。

「ま、とりあえず1年間ぐらいこれで聴いてごらん」と期間限定で貸し与えて、アドバイスはそれからというのがベストの方法だろう。

しかし、何ごとにつけ“押しつけ”はよくない。今一度K君の本気度を確かめたほうがいい。意欲を持って自発的に再度訪ねてきたら対応してあげることにしようかな。

ほら「叩けよ、されば開かれん」(聖書マタイ伝第7章)という福音(ふくいん)もあることだし。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする