「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「間違いだらけのクルマ選び2014年版」

2014年02月25日 | 独り言

先日のブログ「我が家に新車が来ました!」に記載したハイブリッド車「アクア」に家内が乗り始めてから今日(2月25日)で10日が経過した。

家内に乗り心地を訊いてみると「交差点での出足や坂道を駆け上がる馬力がイスト(以前乗っていたクルマ)とは段違い。ガソリンも喰わないし、静かだし、ハンドルの取り回しもいいし100%満足」とのこと。

「交差点グランプリ」で他車と遜色がないとは、そりゃ、よござんしたねえ!

「どれどれ、そんなにいいなら俺にもちょっと運転させてみろ。」というわけで、日曜日の午後、家の近くをグルリと一周。実に運転しやすくて坂道も結構な勢いで登ってくれるし、まったくパワー不足を感じなかった。排気量1500cc+電気モーターに加えて軽量のボディーが利いている。
値段の割になかなかよくできたクルマとの印象を強く受けた。

折しも、21日(金)に立ち寄った地元の図書館で永遠のベストセラーシリーズ「間違いだらけのクルマ選び2014年版」をたまたま借りることが出来た。巻末に2013年12月20日に第一刷発行とあるから、こちらも新刊ホヤホヤで現在の市場で販売されているクルマの最新情報が満載である。

                         

このシリーズは今から38年前の1976年に刊行されており随分と息が長い。自然淘汰の激しい出版界の中でこの長寿命振りは、本書が読者の二ーズにある程度的確に応えてきたことの証左だろう。テレビ番組でいえば「お宝何でも鑑定団」みたいなものかな(笑)。

さて、さっそく本書の中の「アクア」についての評価を読んでみたが抜粋すると次のとおり(95頁)。

「人気も燃費も1位、しかも実力もある。」との見出しのもとに、こう続く。

「プリウスを凌ぐ燃費というのは相当インパクトが大きいが魅力はそれだけに留まらない。まずはスタイリングが個性があっていい。前面投影面積を減らすために上すぼまりのフォルムは機能が形になっているのが気持ち良いし、低重心感も強調されている。そして走りっぷりも、これが悪くないのだ。ボディの剛性感は高いしシャシーもうまくセットアップされていて、コンパクトカーらしからぬカッチリとした乗り味に仕上がっている。動力性能も強力。」といった具合。

全体的に極めて辛口のクルマ評が続く中での、高評価は特筆すべきことだろう。

ちなみに、巻末の個別のクルマごとの採点表では10点満点(総合評価)のうち9点も取っている。参考までに高得点のクルマを掲げておくと、最高の10点を獲得したのが「VWゴルフ」と「マツダ・ロードスター」のたったの2車だけ。

9点を獲得したアクア以外の他車は「メルセデス・ベンツSクラス」をはじめ高級車ばかり11車なので、その魅力度が推し量られようというもの。

また、冒頭にあるブログでボロクソに書いた現行クラウンのフロントグリルの件だが、本書でも同様の書き振りで、自分の感性がけっして異常でなかったことに安堵した。

「世界で最も長い歴史を持つクラウンだが、その出来栄えにはガッカリしている。全体のフォルムは悪くないと思うが、いただけないのはフロントマスクだ。アスリ-トのフロントグリルは、オーナーからも自嘲気味にイナズマグリルなんて呼ばれていたりするが目も当てられないようなカタチになっている。いや、意匠そのものは好き嫌いの話でもいい。問題はそのカタチの背景に何のストーリーも無いことだ。」(160頁)

いやはや(笑)。

最後に、「VWゴルフ」の仕上がりぶりは数ある車の中でも「一頭地を抜いている」ようで、強く印象に残った。55頁にある寸評にはこうある。

「ゴルフⅦの良さは追随する他車が気の毒に思えるほどだ。静粛性の鬼と言えばクラウンだが、ゴルフの静粛性はそれとはまったく別のものだ。クラウンの静かさは真綿でグルグル巻きにされるような、少々お節介とも思える静かさだが、ゴルフのそれはありとあらゆる機械的な部分の芯を研ぎすませた氷のような静かさであった。」

自動車部品の総点数はおよそ10万点にのぼるという。それぞれの部品の狂いのない工作精度からそれらを組み立てる技術まで、自動車工業のレベルはその国の技術力の象徴的存在といっていい。


現在においても「マザーマシンはドイツ製」という言葉を聞くが、ドイツ工業のレベルは技術大国を標榜する日本にとってもまだ一目置く存在との感を深くした。
 


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