「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

お客さんラッシュ

2014年02月01日 | オーディオ談義

このところ「お客さんラッシュ」でうれしい悲鳴だった。

28日(火)の午後が地元・別府市にお住いのY先生、29日(水)が大分市にお住いのMさんとOさん、そして昨日の31日(金)がこれまた大分市からのN松さんとN島さんで、いずれの方々ともに我が家のシステムを試聴されてそれぞれ貴重なコメントを頂いた。

「音」についての受け止め方は人それぞれで、結局自分さえ良ければいい世界だが、百人百様のご意見を頂けたのは実にありがたくて参考になった。

はじめに80歳前後になられる航空力学を専攻されたY先生だが、試聴の翌日になって次のようなメールが届いた。

「我が家の音と〇〇さんのとはレベルが違いました。しかし何回か繰り返し聴いているうちに、何時ものペースで音の検査官の役目を忘れていました。時々は耳に良い音を聞かせて、ゼロ点補正をしておく効用はありそうです。人間の耳は敏感であると同時に、知らぬ間に座標軸がずれていくといういい加減なところもあるのを感じました。雑談にも熱が入ってつい長居をしてしまいました。では又。」

「そうなんです。人間の耳はいい音にしろ、悪い音にしろ次第に慣れていくところがありますね。いい音楽の前では音の良し悪しなんて小さなことかもしれませんから、悲観するには及びませんよ。」とは、陰の声。

結局、Y先生の耳によると気に入った音の順番は第1位「オリジナル・エンクロージャー入りのAXIOM80」、第2位が「自作エンクロージャー入りのAXIOM80」、第3位が「JBL3ウェイ・マルチ・システム」だった。

ウ~ン!

次に29日の試聴会について。


この日は自分なりに次のテーマを設定した。

1 自作エンクロージャー(以下「自作」)とオリジナル・エンクロージャー(以下「オリジナル」)に入った「AXIOM80」の鳴り方の比較

2 「自作」に容れた「AXIOM80」を駆動している真空管アンプの出力管WE300Bの1988年製と1950年代製(以下「オールド」)との比較

3 JBL3ウェイ
・マルチ・システムの試聴

試聴盤は「ホリー・コール」のアルバム「テンプテーション」から17トラックの「ザ・ハート・オブ・サタデイ・ナイト」で、システムの比較がしやすいようにこの曲目でずっと通した。

         

それでは、まずから。

圧倒的に「自作」の評価が高いだろうと予想していたところ、意外にもそうでもなかった。25日(土)にAさん(湯布院)に試聴していただいた後に、「オリジナル」に超細目の金網を「ARU」に付け加えたことを前々回のブログに記したが、どうやらその効果が如実に出たようだ。

当初は「同じユニットでもエンクロージャー次第でこんなに音が変わるもんですか!」と、驚かれていたが、「強いて言うならばオリジナルが録音エンジニア向きの音で、自作はコンシューマー向きの音ですね」とのコメントをいただいた。

成る程!

前者は全帯域に亘って緻密な表現に終始しこれといった破綻を見せないが、後者はやや低音域が膨らんでフォーカスが甘くなるがゆったり気分で聴けて心地よいということだろう。

いずれにしても、両方のシステムに対してまったく拒絶反応を示されなかったのはうれしい限り。「AXIOM80」についてはこれまで数知れず実験を繰り返してきたがどうやらその成果があったようだ。

そういえば、このたび簡単な刺激により万能細胞が出来ることを発見して世界を驚かせた「小保方」女史(30歳)の哲学は、「研究の成果は実験の数による」そうで、この言葉に“これ幸い”と便乗するようだが(笑)、まさに「我が意を得たり」。

オーディオに関してもまったく同様のことが言えると思う。

次にについて

結論から言えば、「これが同じWE300Bですか!」というほどの違いに驚かれていた。音の艶といい、透明感といい、諧調力といい、低音域の制動力といい、オールドに圧倒的に軍配が上がった。「皆さんが
眼(ちまなこ)になって、オールドを手に入れたがる理由がようやく分かりました」。

先日のAさんの絶賛ぶりといい、オールドの実力は並々ならぬものがあるようだ。これがもっと古い「刻印」タイプとなると、いったいどういう音がするんだろう(笑)。

ところで、先日のオークションで落札された程度のいいWE300Bオールドがぺアで61万円だったが、よく考えてみると安い買い物だと思う。

この真空管は丈夫なことで有名で、適正値で駆動してやると寿命が30年以上とのことだから、10年ほど使ってオークションに出したとすると、そのときはおそらく100万円を超えているだろうから、楽しんだあげくにより以上の高価で売れるのだから、結果的に大変なお買い得だとは思いませんか(笑)。

最後にについて

JBL3ウェイ・マルチ・システムは例によって実験用システムの気安さから「ああでもない。こうでもない」の繰り返しで、自分なりにネットワークのコイルやコンデンサーの値を代えたり、アンプを入れ替えたりして楽しんでいるが、どうしても贔屓目になるのでこうしてときどき仲間の評価を頂くのは中間テストみたいなもので非常にありがたい。

あくまでも現在進行形のラインナップだが、紹介すると次のとおり。

低音域(~500ヘルツ)  JBL・D130ユニット(アンプは2A3シングル・真空管アンプ)

中音域(500~7000ヘルツ)  JBL375ドライバー(16Ω:アンプはPX25シングル・真空管アンプ) 

高音域(7000ヘルツ~)  JBL075ツィーター(特注のステンレスホーン付き:アンプは71Aシングル・真空管アンプ) 

「以前よりもバランスの取れた音になりましたねえ。十分、チューニングが出来てますよ」との高評価をいただいて、“まだまだ”だとは思うがどうやら課題をクリヤーできたようだ。

実は、このシステムのミソは075ツィーターにKさん(福岡)からお借りしている71Aアンプを組み合わせたことにあると思っている。

一世を風靡した有名な075だが組み合わせるアンプには一考の余地があるようで、あまりにも能率が高すぎて(110db!)、どうしても「目立ち過ぎる、騒ぎ過ぎる」傾向にあるのは否めない。

ツィーターの鳴らし方は実に難しい。出しゃばってもいけないし、おとなしすぎても物足りない。低音域の“ボンつき”とともに使っている人間のオーディオ・センスがもろに出てくる部分である。

「075はあまりにも性能が良すぎるツィーターです。本来の実力を発揮させるためには、出力がたかだか0.5ワットクラスの71Aアンプを組み合わせるのがベストです。私の仲間は、このアンプを使いだしてからいっさい不満を口にしなくなりました」と、Kさん。

たかがツィーター、されどツィーター、システム全体の音質の「品」を左右するのであだやおろそかにできない部分である。

以上、29日の試聴会は楽しく盛況のうちに終わった。

次は31日(金)の試聴結果について。ここでは使っている「秘密兵器」が大いに話題になった。

以下続く。
 


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