昨日(26日)は「乾坤一擲」の勝負の日なので朝から緊張しっぱなし。
なぜなら東京から我が家の「AXIOM80」(以下、「80」)を試聴にSさんがお見えになる日。
Sさんは福岡市にお住いの方だが現在は東京に単身赴任中。久しぶりに帰省とのことで、大分空港経由で我が家にお立ち寄りになり、2時間ほどの試聴を終えて高速バスで福岡へ帰られる予定で、同じ「最初期の80」の愛好家として切磋琢磨する強力なライバルであり、また良きオーディオ仲間である。
この日は大分空港14時10分着の飛行機の予定なのでお迎えに行ったところ、羽田空港のあいにくの天候不順で何と飛行機が30分遅れの表示。
1時間ほどの待ち時間はちょっと長すぎるので暇つぶしのため空港内の売店に入って週刊誌を物色。
映画俳優「高倉 健」の死が明らかにされておよそ1週間あまり。「幸福の黄色いハンカチ」をシアターで鑑賞して以来の隠れファンなのでNHKの追悼特集番組はすべて観たが、当然のごとく「死者に鞭打つ」ことはあり得ないので美談ばかりだが、ちょっと物足りない。生身の人間なんだからもっと隠された話もあるはずだが・・・。
というわけで、ふと目に入ったのが週刊誌の表紙にあったタイトル「高倉健と山口組」~本誌しか書けない40年の交流秘話~、不器用すぎた「女遍歴」。いかにも週刊誌らしい仰々しい見出しだが随分購買意欲をそそってくれるわいなあ(笑)。
まあ、週刊誌だから話半分としても何だか面白そうなので迷わず購入してフムフムと読み進むうちに「飛行機が到着しました」というアナウンス。
「やあ、お元気でしたか!」と、8月末以来の再会をお互いに祝福した。自宅に到着したのは15時半ごろでいよいよ「80」の試聴に入った。
この日に聴いていただいたシステムの概要は次のとおり。
CDトランスポート「dCSのラ・スカラ」 → DAコンバーター「ワディア27ixVer.3.0」 → トランス式アッテネーター「カンノのKCU-64WB) → 「1920年代製の古典管シングルアンプ」。
カンノのトランス式アッテネーターは4日ほど前にオーディオ仲間のGさん(福岡)から譲っていただいて到着したものでこのブログでは初公開だが、その性能は驚くべきもので音が一段とレベルアップした(笑)。いずれ別の機会に詳述させてもらおう。
最初にかけたCDはハープとヴァイオリンが織りなす「日本の歌」。
音が鳴りだした途端に「いやあ、思わず鳥肌が立ちました。これぞまさしく最初期の80の音です。〇〇さん、とうとうやりましたね!」とSさんが握手まで求められて大喜びされた。
実はこの「最初期の80」をオークションで手に入れた契機になったのはSさんからの情報提供だっただけに、「もし程度の悪い80だったらどうしようか」と随分心配されたようなので、その不安が払拭されたのも喜びの一因。
「最初期の80」の特徴を挙げると、マグネットの形が丸みを帯びている、ユニットの真ん中に位置しているホーンの色が茶色になっている、カンチレバーが薄い、コーン紙が軽いといった特徴があるが、それらをすべて兼ね備えていなければならない。
「およそ60年前のユニットなのにこんなに程度のいいものが手に入ったとはまさに奇跡に近いですね。ヴァイオリンの生々しい音はこれじゃないと絶対に出ませんよ。」と感嘆されることしきりだったが、同時にトランス式アッテネーターと1920年代製の古典管アンプの実力にも目を見張られていた。
Sさん宅のアンプは専門家の間で最も音が良いとされている「PP5/400」真空管のシングル(モノ×2台)だが、これと遜色ない出来栄えの印象を持たれたようだ。
後日、このトランス式アッテネーターと1920年代製のアンプをSさん宅に持ち込んで試聴比較することをお約束したが、昨日は本当に良き一日となった。同じ「80」仲間からこんなに喜んでもらえるなんてまったくオーディオ冥利に尽きる・・・。