前回からの続きです。
次に登場するのが「171シングルアンプ」(インターステージ トランス入り)。
このアンプの構成は初段管に「AC/HL」(英国マツダ)~インターステージ トランス~出力管「171」(トリタン仕様)~整流管「80」(レイセオン)。
例によってこれも一般的ではない球ばかり(笑)。
このアンプもいつものように球転がしをやってみた。何しろスーパーツィーター様が相手だからこれまでの常識は通じない。
左からMH4(マルコーニ:メッシュプレート型)、AC/HL(英国マツダ:クリヤー管)、AC/HL(英国マツダ:メタルコート管)だが、この中で一番相性が良かったのは真ん中のクリヤー管だった。これまで大切に保管してきたので新品同様品の勢いと溌剌さに見るべきものがあった。しかしこのまま使うのは勿体ないので中古のメタルコート管を引き続き使うことにした(笑)。
このアンプも全体的に良かった。ST管ながら整流管が凄い威力を発揮した。並みの整流管に比べて音の表情が豊かになるのでさすがはレイセオン!
「真空管アンプは整流管をケチるとすべて台無しになる」と実感している。古典管を愛好する仲間たちとの合言葉がある。「真空管アンプは球からトランスまですべて手を抜けないが、最後の決め手は整流管だ。」
折しも、つい最近オークションで落札したのがフランス・マツダ・ブランドの整流管「5Y3GB」。本日(14日)到着の見込みだが、この球で71APPアンプがどう変わるか楽しみ~。
それにしてもこのスーパーツィーターはプッシュプルアンプとシングルアンプの特徴を如実に出してくるのでほんとうに面白い。
前者は音に力強さはあるものの、やや中高音域の粒立ちが荒い、その一方後者は元気さにやや欠けるもののクセのない高音域は安心して聴ける。強いて言えばジャズを聴くならプッシュプルアンプ、クラシックならシングルアンプかな。結果としてこのアンプも自己採点で80点。
両方のアンプともに合格点ギリギリの80点だが、このリボン型を使う以上せめて85点は取りたいところだが、チョット難点があって~。
それは、どうしてもボーカルを聴くときにちょっと音がきつくなるのだ。たとえばシュワルツコップ(ソプラノ)のCDを聴くとどうしても子音が刺激的になってしまう。
こうなると、アンプの責任分野ではなさそうで疑いの眼をネットワークに向けたのは必然の成り行き。
このリボン型をクロス4000ヘルツ(12db/oct)で使うのにそもそも無理があるのではなかろうか?
以下、続く。