「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

スーパーツィーターの魅力を引き出そう~その4~

2016年08月20日 | オーディオ談義

「スーパーツィーター」を導入してからおよそ3週間、これまで培ってきたノウハウを動員して何とかその魅力を発揮させようと躍起になっているが、なかなか思うようにいかない。とうとうシリーズ4回まで引っ張ってしまった。

そもそも大したノウハウではないんだから仕方がないかな、ヤレヤレ(笑)。

しかし猛暑にもめげずに、あれこれやっているとどうにかトンネルの出口の光が見えてきたのはありがたい。

以下、第3回からの続きになるが、結果論からいくと実験的に真空管アンプを2台使った2ウェイ・マルチ・チャンネル方式はうまくいかなかった。どうしても音質に違和感がつきまとうのである。

聴いたすぐは「思い入れ」が増幅作用の役割をしてくれるせいか「よし、これでいい!」となるのだが、1~2日間よく聴きこんでみると、「どうもしっくりこないなあ~」(笑)。


何といってもツィーターは「生かさず 殺さず」が一番よろしいが、せっかくクロス4000ヘルツからクロス9000ヘルツへ変更したにもかかわらずどうも(我が家の「スーパーツィーター」は)自己主張が過ぎるのである。

2台の真空管アンプのボリューム調整をいろいろやってもダメだし、そもそも低音用と高音用の2台のアンプの音色の違いが気になる。もしマルチ・チャンネル方式にするのなら使うアンプも同じ型番じゃないと無理のような気がする。ただし、これは真空管アンプを使う場合に限っての話だが。

そこで、とうとう行き詰まってしまい「原点回帰」でメル友からアドバイスをいただいたとおりにしてみた。

「スーパーツィーターは本来1万ヘルツ以上で味付けに使うものかと思います。例えば、1~0.5μFのマイカコンデンサーを直列に入れて、現行のツィーターと並列にして味付けしてみてはいかがでしょうか?」

さあ、ここでいよいよマイカコンデンサーの出番ですぞ!

その前に念のために「マイカコンデンサーって何?」に答えておこう。 

マイカコンデンサーとは、誘電体に天然の鉱物であるマイカ(雲母)を用いたコンデンサーのこと。雲母の薄くはがれる性質を利用したものだが、その性格上、誘電体の厚さを極端に薄くすることが出来ない。そのため外形が大きくなり、加えて高価である。ただし、容量温度係数が小さく一定で、容量の精度も高いうえ誘電正接や誘電体損失は非常に小さく、高周波特性も良い。(ネットから)

真空管オーディオの世界では「マイカコンデンサーを要所、要所に使うと音が良くなる」という伝説が流布されている。これはプロ級の人たちからも何度も聞かされた。ただし、伝説は独り歩きするし「聴感と電気特性の相関は実証されていない」ので、こればかりは自分の耳で実際に聞いて確かめるしかない。

したがって、これは実際に使ってみての感想だが普通のコンデンサーに比べるとまるっきり音の透明感が違う。物凄い威力を発揮するが、天然の雲母を使う以上、容量の大きなモノが作れないため、やむなく(容量が)小さくても使用できるカップリング・コンデンサー用や高音域のネットワーク用として使用されることが圧倒的に多い。

その昔、JBL075ツィーターで散々実験を繰り返したので手元にはマイカコンデンサーが12個あるものの惜しいことに容量が小さいものばかり。

内訳は、0.1μF(マイクロ ファラッド)が2個、0.075μFが8個、0.0375μFが2個。

とうとう、これらをパラレルに組み合わせて2日がかりの実験と相成った。

その結果、「スーパーツィーター」に組み合わせるのは片チャンネルに「0.075μF×3+0.0375×1≒0.25μF」を繋ぐのがベストだった。意外に小さな値で済んだので助かった。この余ったマイカコンデンサーが後々、大きな意味を持つことになるわけだがそのときは知る由もなかった(笑)。

それにしても、「フルレンジ+高音域の味付け」でいろんなテスト盤が過不足なく「自然な佇まい」で聴けるようになったのは大助かり!

           

ちなみに接続の状況は次のとおり。

真空管プリアンプ1号機 → パワーアンプ「真空管71Aプッシュプル」 → ここから2本のSPコードに分けて、

フルレンジ → SPコードにムンドルフの0.15mhのコイルを挿入(6db/oct) → 「フィリップスのユニット」

高音域(味付け)→ SPコードにマイカコンデンサーの0.25μFを挿入(6db/oct) → 「スーパーツィーター」

なお、マイカコンデンサーの0.25μF使用時のクロスオーヴァー周波数を公式により計算してみるとおよそ8万ヘルツになる。理論上では、人間の聴力がはるかに及ばない範囲だが、実際に音が出ているのがはっきり判るのででこうなるともう計算外の話でマイカコンデンサーが単なるボリューム代わりの役割を果たしていることが分かる。

とにかく小難しい話は抜きにして、聴感上違和感がなければそれでいいのだ(笑)!これで満足度の自己採点では90点は上げられるだろう。

そしてこの実験結果により思わぬ余波がグッドマンの「AXIOM300」(アルニコ・マグネット型)システムに及んだことを次回に記述しよう。

我が家に試聴にお見えになったKさん(福岡)が「グッドマンはやっぱり最高のスピーカーですね!」と絶句される一幕も・・・。

以下続く。


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