「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

鬼門の右チャンネル

2018年05月01日 | オーディオ談義

我が家には現在4系統のスピーカーがある。

「どうしてそんなに要るのか、お前は頭がおかしい!」と、お腹立ちの方もいるだろうが(笑)、味覚と聴覚は感覚器官(五感)として似た者同士であり、毎日同じ定食では飽きが来るのと同様に日替わりメニューのようにして音を楽しんでいる。

このうち2ウェイシステムの「ワーフェデールの純正組み合わせ」(口径30センチ+口径3インチ)は手作りのエンクロージャーをはじめユニット(両者とも赤帯マグネット)の購入から据え付けまで一番苦労したので「手が掛かる子供ほど可愛い」の類で愛着度の筆頭に位置している。

ただし、このシステムに限ってはどうも右チャンネルの音が左チャンネルと比較して小さいのが難点で、どうも原因がよくわからない。

ボリュームのマックスの位置が6時だとすると、左チャンネル側を3時ぐらいに絞ってようやく左右の音量のバランスがとれる程度になる。これは音質的にもそして精神衛生上においても極めてよろしくない(笑)。

素人なりに原因を考えてみた。

1 右耳の聴力の衰え

自分は右利きだが利き耳は左である。たとえばツィーターが鳴っているかどうか確かめるときは常に左耳を持っていくのでよく分かる。したがって加齢とともに左腕の握力が弱っていくように右耳の方の聴力が衰えた可能性がある。

2 アンプの右チャンネル側の真空管のへたり

これが一番可能性が高い。そこで愛用中のPX25アンプの前段管と出力管ともに左右を差し換えてみたところ、やはり左側の音が強いので真空管のせいではなかった。

しかしアンプ特有のクセかもしれないので、今度はアンプを丸ごと「2A3」アンプに換えてみたところ、やはり左側の音が強い。したがってアンプや真空管のせいではないことが判明した。

3 SPユニットのばらつき

そもそも左右のSPユニットにバラツキがあって右側ユニットのマグネットの磁束量の衰えのせいで出力が弱いのかもしれない。こうなるともう「お手上げ」で自分ではどうしようもない。

以上のとおりでからして、もう仕方がないと「さじ」を投げていたところ意外なところに解答が見つかった。

先日、オーディオ仲間がお見えになって仔細に右側のスピーカーをご覧になってから一言「SPコードをネジ締めした部分の端っこがネットワークのケースに接触しているけど、このケースは非磁性体ですかね。」

えッと、思わず声を漏らした。「たしかそうだと思いますがねえ」と言いながら、念のためネジ止めの部分のSPコードの端っこを持ち上げて接触から外してやると、あら不思議たちどころに左右の音量が均等になったのでメデタシ、メデタシ。


つまり、アンプ側からSPコードを伝わってきた電流が磁性体のケースに接触して電流が漏れていたことになる。道理で、これでは右側のSPが音が弱くなるはずだ!

      

画像をご覧になるとわかりやすいが左側のグレイのネットワークのケースが磁性体で、それにSPコードの端っこが接触していた。

初歩的な不注意そのもので「いったい何をやっているんだ」とばかり自分の頭を小突いてやった(笑)。

右チャンネルの不調についてはもう一つある。

アンプ類はときどき使ってやらないと電気的にあまりよろしくないので、久しぶりに予備で待機中のプリアンプを引っ張り出して鳴らしてみたところ、こんどは右チャンネルの音が弱いどころか音がまったく出ない。

もう、右チャンネルは鬼門だ!(笑)。

しかし、今回は一発で原因が分かった。プリアンプの上蓋を開けて真空管の右チャンネル側(「12AX7」の3本)を仔細に点検したところ1本が見事にオシャカになっていた。

     

銘管「ムラードのECC83」の頭部が白くなっており、しかも根元のガラス部分が割れていた。なぜ割れていたのかまったく心当たりがないので不思議で仕方がないが現実を受け入れるしかない。

予備の「ブライマーのECC83」と交換してスイッチオンすると無事に音が出てホット一息。

我が家だけかもしれないがオーディオは次から次に故障の連鎖反応を起こすことがあるのでほんとうに困ってしまう(笑)。

     


 


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