「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

我が家の試聴盤

2018年09月13日 | 音楽談義

我が家では日常的にスピーカーシステム(7系統)、プリアンプ(5台)、パワーアンプ(7台)の相性テストをやってオーディオを楽しんでいるが、先日「真空管オーディオに初めて取り組んでいます。」という方からメールをいただいて「よろしかったらどういう試聴盤を使っておられるかご教示ください。」

試聴盤といえば愛聴盤と言い換えてもいいくらいだが、公開するのは何だか心の中を覗かれるような気がして仕方がないが(笑)、せっかくのお訊ねなので曲目と愛聴する理由を述べてみよう。

一応、下記のとおり9枚の試聴盤に絞り込んだが、特定の盤だけ上手く鳴るよりも9枚全体の平均点が聴感上で80点ぐらいになることを目安としている。

     

それぞれ聴きどころをざっと解説しておくと、

上段左から「ディヴェルトメントK136」(コープマン指揮)はモーツァルトがわずか16歳のときの作品だが、「画家の若描き」に相通じるものがあって、いかにもモーツァルトらしい天真爛漫の溌溂さと瑞々しい情感にいつも胸を打たれる。これほど飽きがこない曲目も珍しい。

次に、同じくモーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」(五島みどり、今井信子コンビ)で、手放しで絶賛したいほどの素晴らしさで「みどり」快心の演奏。

ちなみに、一流どころのパールマン盤、グリュミオー盤も持っているが日本人コンビの方がはるかに上回っているのだから痛快極まりない。モーツァルトをうまく弾ければホンモノの芸術家だといつも思う。

次は「シュワルツコップの芸術」だが彼女の歌唱力は今でも群を抜いている。中でも「4つの最後の歌から~眠りにつこうとして~」(リヒャルト・シュトラウス)は、間奏のヴァイオリンも含めて絶品。いつも就寝前に聴きながら感涙にむせんでいる(笑)。

中段左からモーツァルトの「ピアノソナタ全集」(グレン・グールド)はもう若いころから盤が擦り切れるほど(?)聴いてきた。この全集(3枚組)は当初の16ビット録音、次の24ビット録音、そしてこのSACD盤と3回買い直した。

一流の演奏家がスランプに陥ったときはひたすらこの全集を聴くと読んだことがあるが、このピアノソナタからはいつもモーツァルトの”飾らないホンネ”が聴こえてくるような気がして仕方がない。

モーツァルトにはいくつもの顔があるが、ほんとうの素顔が隠されているのはこのピアノソナタ全集だけで、これは彼の全作品の中ではまったく異色の存在といっていい。

次は名花、女流ヴァイオリニストの「ローラ・ボベスコ」でヴィオッティのV協奏曲22番の第二楽章。甘くて切ない名旋律にいつもウットリする。大家グリュミオーやアッカルド盤も持っているが、どうしてもボベスコじゃないと独特の雰囲気が出てこない。

次は近頃手に入れた木村好夫の「ムードギター昭和歌謡百選」。哀愁溢れるアコースティック・ギターの音色ばかりは中高音域に独特の艶を持っているグッドマン系ユニットの独壇場となる。

下段左からジャズ史に残る名盤「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)で、ビクターの「xRCD」盤。この盤もSACD盤も含めて3回買い直したが、録音はやっぱりこれが一番。マックスローチのシンバルはツィーターのテスト用としても重宝している。

次は、マキシム・ヴェンゲーロフの「ブルッフのV協奏曲」で、このヴァイオリンの重厚な響きを聴くといつも背筋がゾクゾクッとする。一時、腕の故障で引退をささやかれていたヴェンゲーロフだがどうやら復活したようだ。

そして最後はモーツァルト「ヴァイオリンソナタK301」(ピレシュとデュメイ)で、ピレシュ(女性)はずっと昔から大好きなピアニストで音楽への愛情がふつふつと伝わってくる演奏にいつも魅了されている。今年(2018年:71歳)で引退とのことだが実に惜しい。

以上、弦楽器を中心にボーカル、アコースティックギター、ジャズまで、これだけのソースを聴けばスピーカーのクセと相性のいいアンプが浮き彫りになるはずだが、沢山あり過ぎて逆に混迷の度を深めるのだから始末に負えない(笑)。

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