口径30センチのSPユニット「トライアクショム」(グッドマン)が我が家にやってきたのは忘れもしない8月31日のことだった。
それから2週間、このユニットとじっくり向き合ってきたがおよそ欠点らしい欠点が見当たらないのに驚いている。いや、けっして自慢するつもりはありません。ありのままの感想です(笑)。
オーディオ機器の中でもスピーカーやアンプなどは「あちら立てれば、こちら立たず」みたいなところがあって、長所と引き換えに短所には片目をつぶるのが「我が家における常識」だった。他家でどうかはいざ知らず・・。
とりわけ「音像定位」と「周波数レンジ」はなかなか両立せず、たとえばフルレンジは音像定位にとって理想的だが周波数レンジではどうしても劣るし、2ウェイとか3ウェイシステムは周波数レンジは確保しやすいが音像定位の面でどうしても劣る。
どちらを優先するかはそれぞれの好み次第だが、このトライアクショムは「同軸3ウェイ」だけあって「音像定位」と「周波数レンジ」が両立している。もちろん口径30センチのユニットだから重低音を期待するのは無い物ねだりというもの。
生演奏とは違って電気回路を使ったオーディオ機器に100点満点を期待するのは愚かなことだと、ずっと割り切ってきたつもりだがその常識がまさに覆されんとしている(笑)。
ただし、一方では困ったことが起きている。
これまで我が家では「一つのエンクロージャーで3つのSPユニット」を入れ替えながら楽しんできた。
左からJBL「D123」、グッドマン「AXIOM150 マークⅡ」、ワーフェデール「赤帯付きマグネット」だが、それぞれに捨てがたい味があって日替わりメニューのように重宝してきた。
今回、これに4番目のユニットとして「トライアクショム」が加わったわけだが、この出現で他の3つのユニットの出番がまったく無くなってしまったのである。
まあ、気分転換という面では存在価値があるかもしれないが「いい音」の基準とされるあらゆるポイントで凌駕しているのだからどうしようもない。
ちなみに、そもそも「いい音って何?」という方に、とあるオーディオメーカーの主張を載せておこう。異論がある方もいると思うがどうか「ワンオブゼム」として受け止めていただきたい。
「原音に近づく正しい音とは」
1 ボリュームを上げてもうるさくない音で会話が楽にできる。
2 音は前には出ない。後方に広がり自然に消える。
3 音像は左右後方に定位し、左右フラットに定位しない。
4 小さな音でも明瞭度が下がらない。
5 スピーカーの近くでも離れても後方でも音質、音圧の変化をあまり感じない(音は空気の波紋である)
6 音は思っている程、迫力、パワー感のあるものではない。
7 試聴上、歪(物理特性ではない)が小さくなると音像が下がり、音階、楽器の音色が正しくなる。
8 長時間聴いても疲れない。連室でも音が邪魔にならない。
以上のとおり。
しかし、欠点が見当たらないユニットも考えもので、オーディオ意欲が減退して張り合いを失うのも事実である。
これははたして贅沢な悩みなのだろうか(笑)。